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「コロナ4部作」のはじまりと「写真+紀行」の集大成 宇都宮徹壱ブックライター塾(#徹壱塾)塾長ヒストリー<6/7>

 写真家・ノンフィクションライターの宇都宮徹壱です。これまで27年の活動の間でノンフィクションを中心に、14冊の書籍を世に送り出してきました(参照)。

 そこで培ってきたノウハウをメソッドとして体系化、2024年7月に「宇都宮徹壱ブックライター塾(#徹壱塾)」を開講しました。半年にわたる第1期を経て、2025年1月から始まる第2期の塾生募集を開始します。

12月9日(月)21時より、YouTube Liveにて説明会を開催することになりました!

 当塾は「自ら取材して執筆する」ことで「書籍デビューを目指す」方に特化した講座となっております。第1期での実績を踏まえて、さらにブラッシュアップした内容で実施します。

 2期生を募集の締め切りは12月15日。それまでの間、宇都宮徹壱の過去の作品を「塾長ヒストリー」として7回にわたってお届けしたいと思います(以前、掲載したもののバージョンアップ版となります)。

 第6回は、令和時代の最初の作品となった『フットボール風土記』、そして47都道府県を踏破して完成させた『蹴日本紀行』です。

<5/7>はこちら

2020年『フットボール風土記 Jクラブの「ある土地」と「ない土地」の物語』(カンゼン)

 前作が2017年だったので、3年ぶりの書籍となったのが本書。年号が平成が令和になって、最初の作品となりました。版元はカンゼンで、2016年に上梓した『サッカーおくのほそ道』の続編という位置付けとなります。それでも自分のブックライター人生における、ターニングポイントとなった作品でした。

 本書が出た2020年は、私自身にとっても変化の激しい1年でした。理由は大きく2つ。ネットライターとしての仕事が、この頃から徐々に減少したこと。そしてコロナ禍によって、出張での取材ができなくなったこと。こうした時代の変化を受けて、ブックライターの仕事に振り切ったのが、この年でした。

 本書の最後の2章では、広島県1部だった福山シティFC、そして関東1部だったクリアソン新宿が登場します。両クラブに共通しているのは、コロナ禍が大きな転機となっていること。「コロナとサッカー」について言及した、ごく初期の作品である本書は「コロナ4部作」の起点となります。

 この年は「徹壱堂」というオンラインショップもスタート。最初の商品となったもの本書でした。ご注文いただいた方々に、1冊ずつサインを入れて郵送する。その作業は確かに大変だったのですが、自分を支えてくれる読者の存在というものを意識するという意味で、とても意義深いものだったと言えます。

小雪がちらつく中で練習するコバルトーレ女川。2018年にはJFLでも1シーズン所属していた。

2021年『蹴日本紀行 47都道府県フットボールのある風景』(エクスナレッジ)

 2021年の本書は「コロナ4部作」の2作目。「47都道府県のフットボールのある風景」を写真メインで表現するという、野心的な作品でした。版元は、建築系の書籍で知られるエクスナレッジ。編集者の森哲也さんは、前職がカンゼンで『フットボール批評』の前編集長だった方です。

 本書の最初の企画が立ち上がったのは2019年。エクスナレッジに移籍したばかりの森さんから「写真をメインにした本を出しませんか?」というご提案をいただきました。そこで最初、海外の写真をメインした作品を考えたのですが、編集会議の結果「国内サッカーでいきましょう」という話になりました。

 かくして、国内サッカーの「写真+紀行」の集大成を作ろうと考え、Jクラブの有無にかかわらず「47都道府県のフットボールのある風景」を一冊の書籍にまとめることで合意。追加撮影の計画をあれこれ立てていた時に、コロナ禍の影響で県境をまたいだ移動できなくなり、しばしペンディングとなってしまいます。

 緊急事態宣言が解除されて以降は、淡い絵の具のままの「フットボールの白地図」を塗りつぶす旅を続けました。タイトな日程での撮影、膨大な写真やデータの整理、そして執筆。いずれも尋常ならざる作業でしたが、コロナが収束して再びアウェイ旅ができる日を夢見ながら、何とか乗り切ることができました。

 なお2020年以降の書籍は、すべて西荻窪のコワーキングスペース「factoria」にて執筆。来年1月10日に開講する「#徹壱塾」でも、ここが教室となります。

2007年のノルディックスキー世界選手権の会場となった宮の森ジャンプ競技場にて。

 当塾は「自ら取材して執筆する」ことで「書籍デビューを目指す」方に特化した講座となっております。第1期は「対面での指導」にこだわってきましたが、第2期ではオンラインを併用してのハイブリッド型での講義を予定しております。
 ブックライターになるメリットとは何か? 私の経験に基づいて断言できるのは、以下の4点です。

1️⃣ ライターとしてのステイタスが上がる。
2️⃣ 作品を通してファンを獲得できる。
3️⃣ 自分の仕事が読者の記憶に残る。
4️⃣ ライターとして息の長い活動ができる。

 書籍を出せば、間違いなく書き手としてのステイタスは上がるし、ファンを獲得できるし、読者の記憶にも残るし、息の長い活動も可能になります。
そこに価値や魅力を見出だせるのであれば、ここはひとつ「3年後の書籍デビュー」という、やや高めの目標を掲げてみてはいかがでしょうか?

 2期生を迎えての最初の講義は、2025年1月10日(金)18時30分。これまで4冊の書籍を執筆してきた、東京・西荻窪のコワーキングスペース「factoria」でお待ちしています。

塾長:宇都宮徹壱(写真家・ノンフィクションライター)

プロフィール:
1966年生まれ。東京出身。東京藝術大学大学院美術研究科修了後、TV制作会社勤務を経て、1997年に「写真家宣言」。以後、国内外で「文化としてのフットボール」を追い続け、積極的な取材活動を展開中。
2016年より個人メディア「宇都宮徹壱ウェブマガジン」をスタート。
著書多数。2010年に『フットボールの犬 欧羅巴1999‐2009』(東邦出版)で第20回ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。2017年に『サッカーおくのほそ道Jリーグを目指すクラブ 目指さないクラブ』(カンゼン)でサッカー本大賞受賞。
近著『異端のチェアマン 村井満、Jリーグ再建の真実』(集英社インターナショナル)。

「#徹壱塾」に興味を持たれた方、あるいは入塾をご検討されている方、下記の記事にアクセスしてみてください。

 主な内容は以下のとおりです。

■「どんな人に向けた講座ですか?」
■「どんな学びが得られるのですか?」
■「どんな特徴があるのですか?」
■「どんな効果が期待できるのですか?」
■「6カ月で学ぶ11のメソッドとは」
■ よくある質問にお答えします
■. 宇都宮徹壱ブックライター塾(#徹壱塾)第2期概要

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宇都宮徹壱
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