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【#徹壱塾】5人の塾生を集めて、第2期ブックライター塾がスタート!(2025年1月レポート)

 写真家・ノンフィクションライターの宇都宮徹壱が「3年後に書籍を出すための11のメソッド」を提供する、宇都宮徹壱ブックライター塾(#徹壱塾)。おかげさまで今年1月、第2期をスタートさせることとなりました。

 当塾では、毎月6回のセッションごとに、2つのメソッドを1時間ずつ講義。これに30分の課題講評を加えて、2時間30分行われます。また、毎回のセッションにマッチしたゲストを招聘。その後の打ち上げにも参加していただき、塾生との交流の場も設けています。

 第1期の講義の模様については、こちらのnoteにて(ネタバレしない程度に)レビュー記事をアーカイブしています。

 そして迎えた第2期は、2025年1月10日にスタート。今季は5人の塾生を迎えることになりました。

■第2期のチャレンジ「ハイブリッド講義」

 第2期での一番のチャレンジは「ハイブリッド講義」。第1期はリアルのみでしたが、今回からは遠方地に住む塾生もリモートで受講できることになりました。2期生では、リアルが3人でオンラインが2人。いいバランスです。

 1月のセッションで伝授するのは、こちらのメソッド。

メソッド①:過去作品から考える「息の長い書き手」の条件
メソッド②:赤裸々に語る出版業界とライターを巡る現状

 そしてゲストは、サッカークリック(NECクリエイティブ)元編集長の鈴木崇正さん。私の駆け出し時代を知る編集者として、そしてウェブでのサッカーコンテンツ黎明期の証言者として、ご参加いただきました。

 カリキュラムの内容については自信があったものの、ハイブリッドのセッションをひとりでオペレーションすることについては、塾生に緊張を悟らせないようにするのに苦労しました。以下、塾生の感想です。

■「参加者の情熱と豊富な知識と行動力に圧倒されました」

 Jリーグ発足から、日本がワールド杯に出場し現在まで培われたサッカーの文化史、紙媒体からウェブやSNSに移行してきたメディア状況の変化をリアルな肉声として語る内容は、サッカーを見続けてきたぼくにとっては、非常にわかりやすい話でした。
 紙媒体としての本の可能性については、より高度な内容の本の意図、意思が重要となるという見解と信念は敬意をもって聞きました。
 また、ゲストの方の語る著者を発見していく視線に感銘を受けました。また、参加者の情熱と豊富な知識と行動力に圧倒されました。
 このような場を作り出していただいたことにまず深く感謝いたします。
(やぎさん=リアル)

 最初のデビュー作から最新作までの通しの紹介で語られるエピソードに重みがありました。その中で鍵になったのがインターネットの普及とネットメディアの話だったのではないでしょうか。そして出版界の変遷、現状、そして今後。それらについての鋭い分析、批評。
 特に現在は「フローの情報」。流通し、消費され、消えていく情報が多い中で、ブックライターとしてストック情報、「残る情報」を書いていく、という話が心に残りました。また参加された方の話も面白かったです。興味深く今後に活かしていきたいと思いました。次の授業が楽しみです。
(中西魯な=オンライン)

■「色々な意味で地方と都市圏の差を感じました」

 Web業界かつ、Webでライターをしている立場から見て「まさに」ということだらけでした(赤入れはなし・依頼するライターが固定化、若手にチャンスがないなど)。
 ただ、知れてなるほどと思えたのは
・本に可能性があること
・長い文章を書く人が意外と少ないこと
・息の長い書き手とは何か
 そういったことが分かったことです。
 時代を追いながら変化を見ることができたのと、紙とWebの違いを明確に示してくれた部分がスッと入ってきました。
 特に紙のことはほとんど知らなかったので、いい時代だったのかなと羨ましくも思いました(笑)。
(白石怜平=リアル)

 全体を通して感じたことですが、やはり色々な意味で地方と都市圏の差を感じました。私の居住する長野県では、読み物としての紙文化(特に新聞)はまだまだ根強くあります。
(中略)地方の細々とした書き手は、距離的にも金銭的にもなかなか首都圏に出ていくことができないまま、ただ立ち遅れている=人の目に留まる機会を得られないまま燻っていくのだろうか、と懸念しています。そうした書き手にとって「書籍でデビューする」という道を残し続けてほしい、もっと学習機会を増やしてほしいと切に願います。
「お金のために書く」のではなく、「書きたいから書く」書き手は身近に何人も知っていますので、そうした仲間たちへの道を繋いでいくためにも、よりいっそう学んでいきたいと思っています。
(佐藤春香=オンライン)

 ゲストの鈴木さんからも大変貴重なお話をいただきありがとうございました。NECさんがインターネット普及のためにスポーツコンテンツを利用されたとのお話は大変興味深く、これもまた時代・環境がそのような歴史を築かれてきたし、その時にサッカー、そして宇都宮さんのようなライターさんを見出されたのはやはり熱意とセンスが生み出されたご縁なのかなと感じました(素敵な関係が築かれていることが羨ましいです)。
(KEN=リアル) 

■リアルとオンラインの差をいかに縮めていくか

 以上、塾生の感想文を抜粋して、セッションの内容が想像できるような形で並べてみました。多少のリップサービスはあるかもですが、一定の満足感は提供できたようで塾長としてもほっとしております。次回以降も、緊張感を忘れずにセッションに臨みたいと思います。

 セッションは定刻の21時を少し過ぎて終了。いつもの台湾料理屋にて、ゲストの鈴木さん、1期生の松本佳世子さん、そして2期生3人と一緒に打ち上げを行いました。2時間弱の限られた時間でしたが、初対面とは思えないくらい、密度の濃い会となりました。

 第2期の塾生は、年齢層は36歳から52歳。2人がライター経験ありで、未経験は3人です。経験の差を感じさせないカリキュラムを作っていますが、リアルとオンラインでの差はどうしても出てしまうのかな、というのが現時点での実感。それをいかに縮めていくかが、今後の課題になりそうです。

 次回のセッションは2月12日(水)。「作品テーマの組み立て方」と「出版社を納得させる企画書の書き方」について学びます。それではまた来月、徹壱塾にてお目にかかりましょう!

<来月につづく>

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宇都宮徹壱
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