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スタジアムを巡りながら2つの五輪を想う〜フットボールの白地図 by OWL Magazine【第47回】東京都

<東京都>
・総面積
 約2194平方km
・総人口 約1396万人
・都道府県庁所在地 新宿区
・隣接する都道府県  埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県
・主なサッカークラブ FC東京、東京ヴェルディ、FC町田ゼルビア、東京武蔵野ユナイテッドFC、東京23FC、東京ユナイテッドFC、クリアソン新宿、南葛SC、日テレ・東京ヴェルディベレーザ、スフィーダ世田谷FC
・主な出身サッカー選手 高田静夫、松木安太郎、戸塚哲也、都並敏史、北澤豪、野田朱美、藤吉信次、中村忠、山口貴之、大竹七未、大竹夕魅、山田卓也、西村卓朗、小針清允、澤穂希、南雄太、坪井慶介、榎本達也、荒川恵理子、中村憲剛、平本一樹、丸山桂里奈、田村直也、小川佳純、玉乃淳、関口訓充、李忠成、梶山陽平、小林祐三、田中裕介、太田宏介、小林悠、丸山祐市、権田修一、田邉草民、稲垣祥、三竿雄斗、三竿健斗、武藤嘉紀、岩渕真奈、中島翔哉、中村航輔

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「47都道府県のフットボールのある風景」の写真集のエスキース版として始まった当プロジェクト。昨年11月に京都府からスタートした当連載も、ついに今回で47回。無事に完走の瞬間を迎えることとなった。ゴールテープが張られているのは、東京都。今年、五輪とパラリンピックの会場となっているが、開催に関してさまざまな難題が山積しているのは周知のとおりだ。

 さて、東京を最後まで残していたのには、もちろん明確な理由がある。ただし「首都だから」という単純な理由ではない。都民である私にとって東京は、旅の対象となりにくいからだ。そんな東京在住のフットボールファンにとり、近場で非日常が楽しめる空間がどこかと言えば、それは間違いなくスタジアム。よって今回は、あえてクラブではなくスタジアムにフォーカスすることにしたい。

 あまりにも人口密度が高いために、試合会場や練習場が慢性的に不足している東京都。しかしスタジアムの数自体は、絶望的なまでに少ないわけではない。たとえば、1964年の東京五輪によって建設された競技施設は(多少の古さや使い勝手の悪さはあるものの)今もわれわれ都民のレガシーとなっている。そんなスタジアムの数々を、さっそく探訪してみることにしよう。なお、間もなく完成する写真集のタイトルを、最後に発表させていただく。

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 まずは世田谷区にある「駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場」。1964年にオープンし、先の東京五輪では日本代表がアルゼンチン代表に3−2で勝利した舞台として知られる。スタジアムが建設される以前、ここに東映フライヤーズ(現・北海道日本ハムファイターズ)の本拠地「駒澤野球場」だったことを記憶する都民は、今ではすっかり少なくなってしまった。現在はJ2の東京ヴェルディが、定期的に公式戦を行っている。

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 つづいて北区にある「味の素フィールド西が丘」。意外に思われるかもしれないが、ここは国立で唯一の球技専用スタジアムである。GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に接収された土地が返還されたことを受けて、1969年に建設が始まり72年にオープンした。同年のJSL東西対抗戦が、初めて開催されたサッカーの試合。89年には、日本対インドネシアのワールドカップ予選も行われた。Jリーグの基準は満たしていないものの、たびたび公式戦が行われている。

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