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【メイレビュー】6/17(Mon)「スポーツハラスメントの定義はない! ならば、どうする?」平尾剛(スポーツハラスメントZERO協会理事) #ハフコミ 隔週報 vol.77

 みなさん、こんにちは! 毎月ハフコミウェビナーのレビューを担当している、ライターの五十嵐メイです。

 月に一度、Zoomを利用して開催されるハフコミウェビナー、今回のテーマは「スポーツハラスメントの定義はない! ならば、どうする?」です。

 特別講師には、スポーツハラスメントZERO協会理事で元ラグビー日本代表の平尾剛さんをお招きいたしました。

 スポーツハラスメントZERO協会とは、ハラスメントのないスポーツ環境をつくることを目標として設立された団体。理事には平尾さんのほかに、ビジャレアルCFの佐伯夕利子さんも参画されています。

 今回のウェビナーでは、どのような話が聞くことができたのでしょうか? それでは今月のメイレビュー、スタートです!

■定義がないからこそ、難しいハラスメント問題

 今回のウェビナーでは「ハラスメントとは何を指すのか」といったような基本的なことから、スポーツハラスメントZERO協会の取り組みまで、多岐にわたる話が展開されました。

 その中で非常に印象的だったのは「ハラスメントの明確なラインは存在しない」という話です。平尾さんはこの話を「サッカーのオフサイド」に例えて、展開してくれました。

 ハラスメントの中には、人格否定のような暴言や暴力といったように、明確にアウトになるラインも存在します。しかし、過剰に要求しすぎることや、逆に過少すぎる要求もハラスメントに値する場合があります。

 どこまでのラインが、過剰または過少に当たるのかは、相手の感じ方によって変わってきます。そういう意味で、ハラスメントの明確なラインは存在しないということです。

 とはいえ指導者の立場からすれば、明確なラインがない状態で指導を続けることは、やはり恐怖を伴うことでしょう。そこに気を取られすぎてしまうと、指導者としての力を発揮できなくなってしまう場合もあります。

 平尾さんは、ハラスメント防止で大切なことのひとつとして「コミュニケーション」を挙げています。「選手の特徴を細かく把握し、アプローチの仕方を変えることはハラスメントの防止に役立つ」といった話は、非常に納得感がありました。

 人間は機械ではありません。心を持つ生き物だからこそ、コミュニケーションの濃度を高め、相手と自分は別の人間だということを理解する。その上で、ひとりひとりに適した指導を心がけることが、ハラスメント防止の第一歩となるのではないでしょうか。

■「ハラスメントZERO」について育成指導者はどう考えたか?

 ハフコミ会員の内田正樹さんは、育成年代の指導者をされている方です。今回のテーマについて、実際に指導の現場に携わる立場としての感想を伺いました。

 内田さんは、ハラスメントの問題は「指導者として自分が加害者になる可能性もあるので、非常に怖い問題」と感じています。

 実際に長く現場に携わっていく中で、指導者によるハラスメントの現場や、逆にコーチが選手の親御さんからクレームを受ける場面も、目撃したこともあるそうです。

 信念をもって指導の現場に携わっているからこそ、いわれのないハラスメント疑惑で現場を追われてしまうことや、選手を傷つけてしまうことは防がなければならない。その意味でも「この問題の理解を深め、日々アップデートしていくことが大切ですね」とおっしゃっていました。

 そんな内田さん。個人事業主という立場でサッカーの指導現場に携わっているため、より広範な情報を取得したいという思いがきっかけとなり、ハフコミに参加するようになりました。

「仕事内容に関わらず、サッカーの世界の人と繋がるきっかけが増えるコミュニティ。そのきっかけを掴むことは個人だと限界があるので、そういった意味では非常に有効活用しています」と内田さん。

 さらに「これからサッカー界に入りたい方にも、ぜひオススメしたいですね」とも。この言葉にピンときた方、ハフコミの仲間になりませんか? このページの一番下に、応募方法のリンクを貼っておきます!

■次回のハフコミはJFCAから特別講師をお招きします


 今回のウェビナーで、私は「ハラスメントを受けた人は、どこに相談するべきなのか」という質問をさせていただきました。

 組織の中で起こったことであれば、問題になることを恐れ、握りつぶされてしまうかもしれません。被害者の方が安心して、助けを求められる環境はどこなのか、個人的に気になっていました。

 スポーツハラスメントZERO協会では、マンパワーなどの問題もあり、現時点では相談窓口は設置されていないそうです。けれども本人が声を挙げなくても、周りが「ハラスメントでは?」と察知して、手を差し伸べることは可能です。

 だからこそ、多くの人がハラスメントに対する理解し、お互いに注意を払いながらコミュニケーションをとることが、ハラスメント撲滅への第一歩になると感じました。

 平尾さん、貴重なお話をありがとうございました。

 ハフコミでは、こうしたウェビナーを月イチで開催しています。毎回、サッカーに関わるさまざまなテーマについて、素敵な特別講師をお招きしてきました。これまでのウェビナーについては、こちらをご参照ください。

 次回のハフコミウェビナーは「海の日」となる7月15日の月曜日。JFCA(日本サッカー指導者協会)から、特別講師の方をお招きします。詳細につきましては、noteXで告知させていただきますので、ぜひハフコミのアカウントをフォローしてくださいね。

 それでは来月の「メイレビュー」も、お楽しみに!

<この稿、了>


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宇都宮徹壱
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