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【メイレビュー】1/13(Mon)「11年ぶりのJ2復帰を下支えした戦略と信念」左伴繁雄(カターレ富山代表取締役社長) #ハフコミ 隔週報 vol.91

 みなさん、こんにちは! 毎月ハフコミウェビナーのレビューを担当している、ライターの五十嵐メイです。

 月に1回、Zoomを利用して開催されるハフコミウェビナー、今回のテーマは「11年ぶりのJ2復帰を下支えした戦略と信念」。特別講師には、5回目の登場となるカターレ富山代表取締役社長、左伴繁雄さんをお迎えしました。

 ご存じの方も多いかと思いますが、カターレ富山は左伴体制になって4年目で悲願のJ2昇格を果たしました! おめでとうございます!
 
 では、2025年の開幕に向けて、左伴社長はどんなことを考えているのでしょうか? それでは今月のメイレビュー、スタートです!
 
■綺麗事ではすまされない、昇格劇のリアル
 
 まず第1部では、今季のカターレ富山の戦いについて、振り返っていただきました。左伴さんは、横浜F・マリノス、湘南ベルマーレ、清水エスパルスでの経験から、プレーオフで昇格を掴み取る自信があったそうです。
 
 私が特に気になっていたのは、昇格を決めてから新シーズンの始動まで、およそ1カ月しかないということでした。昇格が決まったとして、J2の戦いに向けての補強が間に合うのか? クラブ社長には、どういう動きが求められるのか? そのあたりが、非常に気になっていました。
 
 ハフコミは、会員限定のクローズドな空間。それゆえ、これまでの特別講師の方も、ご自身のお仕事について赤裸々に語っていただいています。今回のウェビナーでも左伴さんは、昇格プレー直前のスポンサーさんへの働きかけや来シーズンに向けた補強の状況など、かなり詳細にお話してくださいました。
 
 そういったクラブの内情は、もちろん誰もが気軽に聞ける内容ではありません。左伴さんの口から直接語られる、経営者としての苦悩などを伺っているうちに、自分までも胃が痛くなってしまうような気分になりました。
 
 常に先を考えて動かなければいけないけれど、試合の結果によってはカテゴリーが変わってしまう。どんな業界でも経営者という仕事は大変ですが、スポーツの世界ほどシビアで不確定要素が多い世界はないと思います。

 だからこそ、左伴さんのリアルなお話を伺って、よりいっそう富山の昇格を嬉しく思いました。

 11年ぶりにJ2復帰を果たした富山のフロントは、一体どんな動きをしていたのか。気になる方は、ぜひ会員登録をしてアーカイブをご覧くださいね。サッカークラブの経営に興味がある方にとっては、非常に参考になるお話が溢れかえった2時間となりました。
 
■強化だけではなく、「地域とともに」の姿勢
 
 左伴さんがハフコミの特別講師として、最初に登場したのは4年前の2021年の2月。そこから毎年、富山が現在どういう状況なのかについて、このウェビナーで伺っていました。
 
 左伴さんが社長に就任してから、クラブの入場者やグッズの売上は右肩上がりが続いています。決して人口が多いとはいえない土地で、常に結果を出すクラブの取り組みについては、かねてより気になっていました。
 
 経営面以外でも、非常に驚きだったのが「昇格」という目標を掲げた強化の面だけではなく、地域への貢献活動も同時並行でしっかり行っているということでした(こんなことを言っては失礼かもしれませんが)。

 人的リソースでも、金銭的な面でも、決して潤沢ではないでクラブにおいて、強化と地域貢献活動の同時並行は、非常に負担が大きいのではないかと想像します。
 
 そのどちらも欠けることなく、昇格という大きな目標を達成したカターレ富山。そんなクラブの姿勢から伝わるのは、常に覚悟を持って取り組んできた、ということでした。
 
 「北陸を元気に」という目標を掲げた富山が、2024年は地域に向けて具体的にどういったことを行ってきたか。今回のウェビナーから、その全貌の一端をうかがい知ることができました。

 2024年に発生した、能登半島地震。発災が元日だったこともあり、新年早々から暗いニュースが日本中を駆け巡りました。その中で左伴さんは「サッカークラブは被災した地域に、どういう貢献ができるのか」ということをいち早く考え、形にしてきました。

 クラブのスタッフが被災地に足を運び、復興支援を続けてきたことは、私も耳にしています。けれども、昇格プレーオフという劇的な試合を終えた翌日も復興支援の活動を行ったことは、今回のウェビナーで初めて知りました。
 
 「この地域にカターレがあってよかった」と、地元の人に実感してもらうこと──。それを第一に大切にしているクラブの姿勢が、富山の風景をどんどん変えようとしています。

 左伴さんは「まだまだ認知が足りない」と話されています。が、これから富山にどんなフットボール文化を根付かせていくのか、いちサッカーファンとしてとても楽しみです。

■次回のハフコミウェビナーは「開幕前」にマッチしたテーマ!

 以上、2025年最初のウェビナーのレビューでした。左伴さん、お忙しい中、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

 ハフコミでは、こうしたウェビナーを月イチで開催。毎回、サッカーに関わるさまざまなテーマについて、素敵な特別講師をお招きしています。これまでのウェビナーについては、こちらをご参照ください。

 次回のハフコミウェビナーは、2月10日。まもなくJリーグ開幕ということで、この時期に必要なメンタル面に関するトレーニングがテーマとなります。詳細につきましては、noteXで告知させていただきますので、ぜひハフコミのアカウントをフォローしてくださいね。

 それでは来月の「メイレビュー」も、お楽しみに!

<この稿、了>


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宇都宮徹壱
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