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名古屋が有名なれど、実は尾張と三河の「連邦」県〜フットボールの白地図 by OWL Magazine【第33回】愛知県

<愛知県>
・総面積
 約5173平方km
・総人口 約754万人
・都道府県庁所在地 名古屋市
・隣接する都道府県 長野県、岐阜県、静岡県、三重県
・主なサッカークラブ 名古屋グランパス、FCマルヤス岡﨑、FC刈谷、NGUラブリッジ名古屋
・主な出身サッカー選手 竹本一彦、秋田豊、中西哲生、盛田剛平、鄭大世、瀬戸貴幸、伊藤翔、宮市亮、三浦弦太、杉森考起

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「47都道府県のフットボールのある風景」の写真集(タイトル未定)のエスキース版として始まった当プロジェクト。前回は、県内そこかしこで「真っ黒なあいつ」と出会える熊本県を紹介した。今回フォーカスするのは、やはり黒くて大きなマスコットがいる愛知県。愛知県といえば、まず思い浮かぶのが県庁所在地であり、全国的に見れば「愛知」よりも有名な「名古屋」であろう。

 そして名古屋といえば、Jリーグ開幕のオリジナル10に名を連ね、J1優勝経験もある名古屋グランパスの本拠地としても知られている。ただし、現在メインで使用しているスタジアムは豊田市。ここで留意すべきは、名古屋は「尾張」に、豊田は「三河」に属していることだ。県外の人間が意識することは少ないが、異なる文化圏が「連邦」状態となっている県、それが愛知なのである。

 尾張と三河では、まず言葉の語尾が異なる。前者が「みゃー」「だがね」なのに対し、後者は「じゃん」「だらぁ」。また愛知の食についても、エビフライやきしめんは尾張産だが、八丁味噌は三河産である。サッカーに関していえば、現時点では名古屋(=尾張)ばかりが目立っているものの、最近は少しずつ三河の存在感が増している。後述するように、三河からJを目指すクラブもあるくらいだ。

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 名古屋を擁する尾張に対して、三河の人々が対抗できるキラーコンテンツは何か? それは徳川家康。戦国の世を終わらせて、江戸幕府を開いた家康公が生まれた岡崎城は、まさに三河の地にある。城に隣接する岡崎公園では、家康の像や史跡が見られるのだが、ここを訪れるなら桜の季節がお勧め。800本ものソメイヨシノの桜吹雪が、視界いっぱいに広がる風景は圧巻である。

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 一方、尾張の地が全国に誇るのが名古屋城。天守閣に飾られた金の鯱があまりにも有名で「金鯱(きんこ)城」と呼ばれるほどである。今年の3月、コロナ禍で疲弊した地元観光業の活性化を目指し、2005年の「愛・地球博」以来16年ぶりに地上に下ろされていた。オリジナルは1945年の名古屋大空襲により焼失したが、1959年に大阪造幣局職員の手によって復元。一対に使用された金の重量は88キログラムにも及ぶ。

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