合併と流出。2つの地殻変動を経てもJクラブ数は全国最多!〜フットボールの白地図 by OWL Magazine【第29回】神奈川県
<神奈川県>
・総面積 約2416平方km
・総人口 約921万人
・都道府県庁所在地 横浜市
・隣接する都道府県 東京都、山梨県、静岡県
・主なサッカークラブ 横浜F・マリノス、湘南ベルマーレ、川崎フロンターレ、横浜FC、SC相模原、横浜スポーツ&カルチャークラブ、日体大FIELDS横浜、ニッパツ横浜FCシーガルズ、ノジマステラ神奈川相模原、大和シルフィード、エスペランサSC、横浜猛蹴フットボールクラブ、東邦チタニウム
・主な出身サッカー選手 植木繁晴、李国秀、早野宏史、福田正博、岩本輝雄、岡野雅行、森岡隆三、戸田和幸、中村俊輔、石川直宏、茂庭照幸、栗原勇蔵、大野忍、川澄奈穂美、永里優季、森本貴幸、齋藤学、水沼宏太、遠藤航、伊東純也、板倉滉、三好康児、斉藤光毅、久保建英
「47都道府県のフットボールのある風景」の写真集(タイトル未定)のエスキース版として始まった当プロジェクト。前回は、41年ぶりに全国リーグを戦うクラブを排出した、山口県を取り上げた。今回は、最も多くのJクラブを擁する神奈川県にフォーカスする。47都道府県の中で、人口では東京都に次いで2番目ながら、総面積は下から5番目。にもかかわらず、神奈川にはJクラブが6つもある。
もともと1993年にJリーグがスタートした時点で、オリジナル10のうち神奈川県のクラブは3つ存在した。このうちヴェルディ川崎は、東京の国立競技場をホームとすることを強く望んだもののJリーグからは認められず、しぶしぶ等々力陸上競技場を本拠地とした。彼らが宿願の東京移転を果たすのは、東京(現・味の素)スタジアムがオープンした2001年のことである。
その2年前の1999年、横浜マリノスと横浜フリューゲルスが合併して「横浜F・マリノス」となっている。Jクラブの合併と流出という、2つの地殻変動を経験した神奈川県だが、むしろJクラブの数は増加を続けている。しかも直近の4シーズンは、いずれも県内のクラブがJ1優勝。J1最多優勝クラブは鹿島アントラーズ(8回)だが、最多優勝県は実は神奈川県(9回)なのである。
まずは神戸市と並んで「日本サッカー発祥の地」とされる、横浜市から訪れてみることにしたい。スタジアムに行く前に立ち寄りたいのが「シネマ・ジャック&ベティ」。2011年、この映画館で産声を挙げたのが、国内外のフットボールの映画を上映する「ヨコハマ・フットボール映画祭」である。この映画祭は現在も継続して開催され、そのコンセプトは県外各地にも輸出された。「日本サッカー発祥の地」は諸説あるが、フットボール映画祭発祥の地は間違いなく横浜である。
横浜には国内最大、7万2327人収容の日産スタジアムがある。横浜F・マリノスのホームスタジアムであり、2002年のFIFAワールドカップ、そして2019年のラグビー・ワールドカップのファイナルの舞台にもなった。オープンした当初は「トラックが邪魔」「スタンドの傾斜が緩すぎる」「Jリーグ開催には大きすぎる」などなど、決して芳しくない評価だった。それでも歴史を刻むうちに、すっかり親しみのあるスタジアムへと定着したように感じる。
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