ライターなるには日記〜1990年代の経験を2020年代の若者に伝えることの是非について<裏>ゲスト:桝井かほさん
今月から始まった新連載。本題に入る前に、前回に続いて新著『蹴日本紀行 47都道府県フットボールのある風景』の話題からスタートすることにしたい。
おかげさまで発売以来、順調な売れ行きな様子で、久々の重版と相成った。お買い上げいただいた皆さまには、あらためて御礼を申し上げたい。前回の連載でもお伝えしたとおり、本書はOWL magazineのスタイルが色濃く影響反映されている。そのOWLが、このたび新たな出版社を立ち上げ、紙の書籍を世に送り出すためのクラウドファンディングをスタートさせた(とりあえず目標額は達成しているが、この機会にぜひ応援をお願いしたい)。
この書籍はシリーズ化を想定している。最初に取り上げるのは「埼玉県」だが、最終的には47都道府県をコンプリートすることを目指しているという。言うまでもなく、このコンセプトは拙著『蹴日本紀行』に極めて近い。OWL magazineでの「フットボールの白地図」を元に私の新著が生まれ、さらに新たな「旅とフットボール」の書籍がOWL magazineから生まれる。素晴らしい好循環ではないか。
ここに、新たな好循環を目指してスタートさせたのが、新連載の「ライターなるには日記」。OWL magazineは、新たなライターを発掘しては育成し、そしてデビューさせるメディアである。最近でも、こんな新たな才能を発掘。SNSでもちょっとした話題になった。
桝井かほさんは、1998年生まれで奈良県出身。大学を中退して22歳で起業し、そのままタイに移住するもコロナ禍のために帰国。昨年11月に株式会社No.18を立ち上げ、kushuleという実用的かつファッション性あふれる靴紐の開発と発売を展開している。その波乱万丈なキャリアと、彼女の行動力の源になった現役Jリーガーとの物語を綴ったのが、上掲したnoteである。
その現役Jリーガーこそ、現在アビスパ福岡でプレーする、山岸祐也選手(写真左)である。たまたま三ツ沢で取材した、横浜F・マリノスとのアウェー戦で、彼のプレーする姿をカメラにおさめていた。そして偶然にも、かほさんもまた、この試合をスタンドで観戦していたのである。
もっとも彼女は、単なる山岸選手の「追っかけ」というわけではなさそうだ。これまでの人生で、山岸選手には多くの影響を受けたことは間違いない。けれども「別に山岸選手が誰かと結婚しても、ぜんぜん問題なし。むしろ赤ちゃんを抱っこして選手入場してほしいくらいです(笑)」。その上で、こう続ける。
「山岸選手の何が素晴らしいのか、伝えたいことがたくさんあるんです。彼の存在を初めて認識したのが、尚志高校時代。その後もザスパクサツ群馬、FC岐阜、モンテディオ山形で、ずっとウォッチしてきました。昨シーズン途中にアビスパ福岡に移籍して、今季は初めてJ1でプレーしています。そんな彼の素晴らしさを、もっと多くの人に知ってほしいのですが、なかなか表現できない自分がもどかしくて」
かほさんは別段、ライターになりたいわけではない。けれども、文章による表現力は身に着けたいという。ならば、喜んでお手伝いしましょう! なぜなら山岸選手の魅力を伝えるだけでなく、彼女のビジネススキルを磨く上でも、非常に有意義なものとなるからだ。
当連載では、<表>の部分を私自身の経験に基づいた「ライター論」を語りつつ、<裏>では若い世代のライティングのお悩み相談について、私なりのアドバイスをさせていただく形式を採用している。当連載でのアドバイスは、第一義に相談者に向けられたもの。と同時に、読者の皆さんにも参考になるようにも意識している。最後までお読みいただければ幸いである。
【以下、OWL magazine読者のみに公開】OWL magazineでは、サッカー記事や旅記事が毎日、更新されています。Jリーグだけでなく、JFLや地域リーグ、海外のマイナーリーグまで幅広く扱っています。読んでいるだけで、旅に出たくなるような記事が盛りだくさん。すべての有料記事が読み放題になる、月額700円コースがおすすめです。なお、宇都宮の新著『蹴日本紀行』は、徹壱堂でお買い上げいただきますと、著者サイン入りでお届けいたします。
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