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【短編怖い話】双子
【短編怖い話】双子
昔ね、彼女の名前は紗織だったんだけど、紗織には双子の姉、紗希がいて、2人は本当に仲良くて、いつも一緒に遊んでいた。だけど、ある日の交通事故で、紗希は亡くなっちゃったのよ。
紗織はその後も、毎日紗希のことを思い出して悲しくなって、彼女がいなくなった現実を受け入れることができなかった。そんなある晩、彼女の部屋に、紗希の霊が現れたんだ。霊の紗希は「私のいるところ、見てみたい?」って言って、紗織の手を取って、死後の世界へと彼女を誘った。
死後の世界は、紗織が想像していたものとは違って、暗くて寒く、どこまでも続く空間だった。紗希は、この場所で自分がどれだけ寂しい思いをしているか、紗織に伝えようとしていたんだ。
紗織は、この恐ろしい世界での紗希の姿を見て、涙が止まらなかった。彼女は紗希に「戻りたい、元の世界に戻りたい」と繰り返し言ったんだけど、紗希は笑顔で彼女の手を強く握りしめて、ずっとこの場所に引き留めようとした。
時間が経つにつれ、紗織の恐怖と絶望感が増していった。彼女は紗希の霊に引きずり込まれ、その暗闇の中で絶望の淵に立たされた。彼女の心の中では、紗希の霊が持つ誘惑と、元の世界へ戻りたいという彼女自身の気持ちとが、せめぎ合っていた。
そして、最後の瞬間、紗希の霊は紗織の体を強く抱きしめて、2人は死後の世界の奥深くへと消えていった。紗織の絶望感と恐怖は、その場所で永遠に続くこととなった。
【短編怖い話】遭難
遭難した後、山中を彷徨っていた彼は、やがて目の前に洞窟を見つけました。嵐が迫っていたため、彼は洞窟に避難を決意しました。
彼が洞窟の入り口に近づくと、どこからともなく冷たい風が吹いてきました。暗闇の中へと足を進めると、彼の耳には微かなささやきや子供の泣き声のようなものが聞こえてきました。
「ここは…一体どういう場所だ?」
「誰か…いるのか?」と彼は声をかけましたが、返答はなく、ただそのささやきが徐々に大きくなってきました。
彼は洞窟の奥へと進む中で、壁に何やら古い文字が刻まれているのを発見しました。それは、過去にこの洞窟で多くの人々が命を落としたことを示すものでした。
急に頭が痛くなり、彼はその場にひざまずきました。目の前には、惨事の犠牲者と思われる幾多の霊が現れ、彼に向かって来ました。
彼の心は混乱し、やがて体には自ら傷をつけるような行動をとり始めました。彼の心の中では、これらの霊たちの絶望や怒り、悲しみが渦巻いていました。
最後の瞬間、彼は霊たちの過去の経験や痛みを深く理解し、絶望の淵に立たされました。
「なぜ…こんなことに…」
洞窟の中で、彼の声は静かに響き渡りました。その後、彼の姿は洞窟の暗闇に消えていきました。