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【短編怖い話】夜になると動く

【短編怖い話】夜になると動く

昔ね、友達と一緒に町外れの古びた公園に行ったんだ。
滑り台やブランコ、ちょっと錆びてるけどまだ使えるものもいくつかあって、子供心には楽しかったわけ。
でもね、その公園には「夜になると人形が動く」という都市伝説があったんだ。
信じてなかったし、日が暮れる前に帰るつもりだったから、特に気にしてなかったんだけどね。

夜が近づいてきて、公園の中はだんだん暗くなってきた時、一つの木の下に置かれている人形が目を光らせているのに気付いたんだ。
「冗談だろ?」って思いながら近づいてみると、人形は動かない。でもその目は光っていた。
ちょっとドキッとして、友達に「早く帰ろう」と言いながら公園を出ようとした。

でもね、公園の出口に向かって歩いていると、背後から「タタタ」と小さな足音が聞こえてきたの。
振り返ると、さっきの人形が後ろから追ってくる姿が!
「走れ!」と友達が叫び、二人とも全力で公園の出口に向かった。

公園の外に出ると、足音は止んだ。息を切らして、友達と二人で公園の中を見たけど、何も見えない。
しばらくして、安堵の笑顔を交わし、家に帰ることにした。

でもさ、後日その友達から電話がきて、
「昨日の公園、また行こうよ」と声を震わせながら言ってきたんだ。
正直、もう行く気はないけど、友達の気持ちもわからなくもないし。
どうしようかな、行くべきか迷ってるんだけど。

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