【短編怖い話】アーティファクトって何なのさ

【短編怖い話】アーティファクトって何なのさ
昔ね、知り合いの女性が古代のアーティファクトを手に入れた話なんだけど。
彼女は、海外の古物市で見つけた古びた小さな彫像を購入してきたんだよ。
最初はただの古い彫像と思っていたんだけど、家に持ち帰ってから変なことが起こり始めたんだ。

彼女の周りで電気がちょくちょく消えたり、夜中に突然寒気がするようになったりして、
彼女自身も、アーティファクトの周りで不思議な声や囁きを感じるようになったんだよね。
それは、亡くなった人々の声のようで、彼女をある場所や行動に導こうとしているみたいだった。

彼女は、その声に導かれて、毎晩夢の中で異次元の世界を彷徨っていた。
その世界には、亡くなった人々が住んでいて、彼女をその中に取り込もうとしていたんだ。
毎日、異常な感覚と霊的な影響に苛まれて、彼女は徐々に日常生活に支障をきたし始めた。

彼女の友人たちは、彼女の変わりようを心配して、その彫像のことを調べてみたんだ。
すると、その彫像は古代の宗教儀式で使用されていたもので、亡くなった人々の魂が宿ると言われていたことが判明した。
彼女の友人たちは、彫像を元の場所に返すことで、彼女を救おうとしたんだけど、
すでに彼女は彫像の霊に操られていて、彼女の心と体は彫像の中に取り込まれてしまった。

彼女の友人たちは、彼女の様子がおかしいと感じて、彼女の部屋に駆けつけた時、彼女は窓の外をじっと見つめていたんだ。
彼女の目は、絶望と恐怖で満たされていて、彼女自身はもうこの世にはいないようだった。
友人たちは、彼女を救おうと彫像を壊そうとしたが、すでに遅かった。

彼女は、窓から飛び出して、彼女の魂は彫像の中に取り込まれてしまった。
彫像は、彼女の友人たちの手をすり抜けて、消えてしまった。
彼女の友人たちは、彼女を失った悲しみと、彫像の恐ろしさを胸に、彼女を偲びながら生きていくこととなった。