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【閑人閑話】タトゥー問題について
昨年末に行われたボクシングの試合をきっかけにタトゥー論議がネット上を中心に話題になっています。
今まで15ヶ国の国を旅して、アメリカとフランス、スペインはタトゥーをされている人の比率がかなり高かった印象があります。
フランスのカンヌでは警官が男女関係無く腕等に大きめのタトゥーをしていて少々驚きましたが、それだけ生活に定着しているのだと再認識しました。
翻って日本ではそれほど定着しておらず、批判的な意見が多いのが現状です。
昭和の時代よりは寛容になってきているとは思いますが、日本には『タトゥー=反社・悪い人』という悪いイメージが依然として根強く残っています。
何故、悪いイメージが未だに払拭できていないのかと言えば、彫ったことで虚勢を張ったり、高圧的な態度を取ったり、悪ぶって行動してしまう層が一定数いるからだと思います。
タトゥーを彫った事で性格が変わってしまう人もいるという事もよく聞きます。
車に例えると高級車に乗り換えた人が自分が偉くなったと勘違いして、他の車を下に見て、割り込み運転や煽り運転をするようになるというのと同じ様な心理かと思います。
海外の場合、もちろん若気の至りによるヤンチャでタトゥーを彫る人は少なからずいますが、それ以外の理由で彫る人が圧倒的に多いので日本の様な論争はほとんど起きていません。
現代の欧米でのタトゥーのルーツは人々が太平洋を航海するようになった18世紀から19世紀頃に寄港の記念や身元確認用で、それがヨーロッパ各地に広がっていったと言われています。
日本ではその様な時代背景はなく、江戸時代には遊女と客が永遠の愛を誓う意味で互いの名前を体に彫ったり、侠客の間での誓い合いの方法、身動きのしやすいふんどし一丁で仕事をする事が多かった鳶や飛脚が地肌を晒す事を恥ずかしいと考えた為、刺青を身に纏っていたと言われています。
人を見た目で判断してはいけないですが、日本では犯罪で逮捕された方がタトゥーを入れているとやっぱりな、見た目通りと思われる時代が暫く続くと思います。
タトゥーを彫った方はタトゥーに関するルールを守り、責任を持って品行方正な生活態度を示し続けるしか、悪いイメージを払拭し日本社会に定着していかないのではないでしょうか。