《有翼の叡智、ナドゥ》
今回はこのカードに関するルール的な記事です。
大暴れ、と言ってもよいくらいにはPTアムステルダムで活躍しました。今回はこのカードのルールに関して少し細かいところを見ていきます実際のゲームで問題になることはあまりないかもしれませんが、お付き合いいただければ幸いです。
能力を得ること
《有翼の叡智、ナドゥ》は自身だけでなく、他のクリーチャーにも同様の能力を得させます。今記事内では、《サバンナ・ライオン》を他のクリーチャーとして扱います。
(ところで今スタンダードで使用できるバニラクリーチャーって、厳密には1枚しかないんですよね。ちょっと意外でした)
能力を得るこは継続的効果第6種に分類されます。この種類別の考え方は後ほど出てきます。では、続けましょう。
「新しい」能力なのか
《有翼の叡智、ナドゥ》由来の能力は、「この能力は、毎ターン2回しか誘発しない。」という文があります。この回数制限があることによって、「今得ているナドゥ由来の能力を新しくすることによって、この回数をリセットできないか?」と考えるのはごく自然だと思われます。では、能力を新しく得させるためにはどうすれば良いのでしょうか?
1)《有翼の叡智、ナドゥ》を新しくする
真っ先に思いつくのはこれでしょう。能力を得させる能力を持つ《有翼の叡智、ナドゥ》を新しくしてしまえばよいのです。2枚目の《有翼の叡智、ナドゥ》を出して1枚目の《有翼の叡智、ナドゥ》をレジェンド・ルールで墓地に置くと、能力は「新しく」なります。《有翼の叡智、ナドゥ》自体を一度別の領域に置いたあとで戦場に戻しても、新しいオブジェクトの扱いになるので、同じように能力は「新しく」なります。(例:ブリンクさせる)
2)能力を得たクリーチャーを新しくする
1)と同様に、すでに能力を得ている《サバンナ・ライオン》を新しくしても、やはり能力を新しく得ることができます。1)の場合はあなたのコントロールするクリーチャー全てが影響を受けますが、2)の場合はこの《サバンナ・ライオン》のみが新しく能力を得ることになります。
ここまではまだ理解しやすいでしょう。では、今度はこの能力を失った場合を考えてみます。
能力を一時的に失う
別の効果(第6種)によって能力を失うことはよくある話です。
《有翼の叡智、ナドゥ》と《サバンナ・ライオン》をコントロールしていて、すでにナドゥ由来の能力を2回ずつ誘発済みである状況を考えましょう。
ここに《激しい叱責》を戦場に出して能力を失わせます。そして、同じターンでこの《激しい叱責》を破壊しました。2体のクリーチャーは再びナドゥ由来の能力を得ている状態になりますが、この能力は誘発するでしょうか?
この場合は誘発しません。なぜなら、これらの能力は「新しく」得た能力では無いからです。《激しい叱責》が出ている間は、継続的効果の適用順で失っている状態になっているだけです。タイムスタンプの順番が変わるわけではありません。
これとほぼ同じ考えが適用できるのが、コントロールを失った場合です。
先程の同様に《有翼の叡智、ナドゥ》と《サバンナ・ライオン》をコントロールしていて、すでにナドゥ由来の能力を2回ずつ誘発済みである状況を考えましょう。対戦相手がどちらかのコントロールを得たとします。
コントロールを失った時点で、ナドゥの能力の範囲から外れてしまうので、それ由来の能力を持たないようになります。その後、あなたがこのターン中にそのクリーチャーのコントロールを奪い返しても、やはり「すでに得ていた能力」を得るだけなので、やはり再度誘発することはありません。
能力が上書きされる
今度は少しややこしいです。第6種で能力を新しく得るのではなく、それより前の継続的効果で能力が新しくなる場合があります。それはコピー効果(第1種)です。
コピー効果によってオブジェクトの特性は上書きされます。つまり、《有翼の叡智、ナドゥ》が別の《有翼の叡智、ナドゥ》のコピーになると、見た目は変わりませんが、能力としては「新しく」なっています。つまり、再度誘発型能力が誘発することになります。
発生源はどこ
最後にこのカードを出しましょう。
《ティシャーナの潮縛り》で、ナドゥ由来の能力を打ち消した場合、その能力の発生源を参照することになります。先程の《有翼の叡智、ナドゥ》と《サバンナ・ライオン》の例で説明しますと、
1)《有翼の叡智、ナドゥ》の能力を打ち消した場合
この場合は《ティシャーナの潮縛り》によって《有翼の叡智、ナドゥ》自体の能力が失われます。つまり、横にいる《サバンナ・ライオン》ももうナドゥ由来の能力を持ちません。
2)《サバンナ・ライオン》の能力を打ち消した場合
この場合は《ティシャーナの潮縛り》によって《サバンナ・ライオン》の能力が失われます。つまりこれだけは能力を失いますが、《有翼の叡智、ナドゥ》は能力を失いません。これ以降にあなたがクリーチャーを出すと、そのクリーチャーはナドゥ由来の能力を得るでしょう。
今回はここまでです。
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