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競技リミテッドの手法
20250206追記)いくつかの単語を直し、画像を追加しました。
皆さんはこのような用紙を見たことがあるでしょうか。
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これは、デッキ・チェックリストと呼ばれるものです。マジックにおけるフォーマットのうち、競技的なリミテッド(シールド、ドラフト)戦で使用されます。
今週末(2025年2月8-9)に行われる、プレイヤーズコンベンション千葉において、久しぶりに大規模な競技リミテッドが行われます。この記事では、競技的なリミテッド戦で行われることと、進行について紹介をいたします。
(((注意)))
実際のイベントでは、進行に多少の差異が含まれることがあります。現地ではイベントスタッフやジャッジのアナウンスをよく聞き、それに従っていただくよう、お願いいたします。
以下、個人シールド戦を想定して、話を進めます。
準備編
リミテッド戦--個人シールド戦--では、ゲームに必要な物品(マテリアル)が一部配布されます。まず、必ずイベント主催から配布されるものは以下の通りです。
(配布物)
・使用するパック(例:『霊気走破』 プレイ・ブースターx6)
・基本土地
・デッキチェックリスト(競技的なイベントの場合)
使用されるパックは新品のパックです。全員が同じエキスパンションのパックを同数使用します。
基本土地に関してはイベントエリアの一角に集められて(ランド・ステーションとも呼ばれます)いて、そこから自由に入手することになります。自分で使うように基本土地を持ち込んでも構いませんが、通常は配布された基本土地を使用します。
また、チェックリストに何かを書き込まないといけないので、プレイヤーが持ち込むべきものは以下の通りです。
(プレイヤーが持ち込むもの)
・筆記用具(黒のボールペン)
・カードスリーブ(余裕を持って準備しましょう。40枚ギリギリではなく少し多めにあるとなお良いです。新品であっても半透明なものは避けましょう)
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筆記用具は必須です。黒のボールペンが一番良いです。鉛筆やシャープペンは紙がスレて記載内容が薄れる可能性があるため推奨しません。
また、基本土地が主催から供与される関係上、カードの状態がばらばらになる可能性があります。そのため、カードスリーブを使用してください。
進行編
では、競技リミテッドの進行を見ていきましょう。すでにあなたはプレイヤーとして受付を終わらせている、という設定で話を進めます。
・シートオール(座席表)の発表
リミテッド戦では、通常の構築戦とは異なり、これからゲームで使用するデッキを組み上げる必要があります。そのため、組み上げるための専用の座席表(シートオール)が発表されます。この座席表に従って、テーブルに着席してください。出席確認も兼ねているため、開始時間までに着席をします。座席についたら、筆記用具とスリーブだけ準備して、スタッフ/ジャッジの指示を待ちましょう。開始されたあとは、電子機器(スマホなど)は、提出後まで使用不可能になります。カバンの中にしまっておきましょう。また、始まってしまうと離席が困難です。生理現象が近い場合は早めに済ませておきましょう。
・開始アナウンス、配布物の配布
開始のアナウンスが主催よりなされます。よく聞いておきましょう。またアナウンス中には他のスタッフ/ジャッジから、大会で使用するマテリアルが配布されます。パック数と言語を確認しましょう。通常、個人シールド戦の場合はプレイ・ブースター6パックを使用し、母国語版を原則使用します。つまりあなたが日本人なら、日本語版を使うことになります。同時に配布されるチェックリストとパックの言語があっていることも確認しましょう。
配布物の内容が誤っている場合、即座にジャッジを呼んで対応してもらいましょう。
・チェックリストへの最初の記入
主催アナウンスに従い、あなたが今座っているテーブル番号をチェックリストの右上に記入しましょう。そして、上にある右側の欄の「プレイヤー」にあなたの名前(Meleeを使用しているイベントならMeleeに登録されている名前)を書きましょう。これを正しく行うことで、スタッフ/ジャッジのほうでチェックリストを正確に処理できるようになります。
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・パック開封と確認
さあ、いよいよパックの開封です。
ですが、ちょっとだけ工夫がされます。あなたの使用するカードがきちんと開封されたパックから出た、ということを、今座っているテーブルの対面のプレイヤーに確認をしてもらいながら開けることになります。開封するのを見届けてもらいましょう。また、この時点で色別に並べ直す必要はありません。色別の仕分けはこのあと、他のプレイヤーが行ってくれます。まずは全部のパックを開けましょう。
そして内容に異常(物理的な破損など)があった場合、ジャッジを呼んで対応してもらいましょう。
・スワップ(プール交換)
すべてのパックを開封し終わったら、出たすべてのカードを1つの山にします。そしてそれらのカード(カードプール)を、あなた以外のプレイヤーに登録を行ってもらいます。主催のアナウンスがあったら、指示に従ってあなたのカードプールとチェックリストを他のプレイヤーと交換します。通常、交換するのは対面に座っているプレイヤーになるでしょう。
さて、あなたは他のプレイヤーのカードプールを受け取りました。これをチェックリストに登録していくことになります。主催のアナウンスに従って、登録作業を開始しましょう。
ここで、登録を効率よく行うために推奨される手順を以下に示します。
「カードプール確認者」にあなたの名前を書く。
受け取ったカードプールを色別(白/青/黒/赤/緑/多色/アーティファクト/基本でない土地/SPG/基本土地)に分ける。
それぞれの色の山を、コレクター番号をもとに並べ替える。同じカードが複数枚ある場合もあるので注意する。
(下記注意参照)特殊仕様のカードをノーマル版と同じところに加える。
(下記注意参照)スペシャルゲストのカードを基本でない土地の後ろに置く。
白から始めて順番に、カード枚数をチェックリストの「総枚数」の欄に記入する。記入は算用数字(1, 2, 3…)で行う。
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間違えた場合は、ジャッジを呼んで訂正をうけましょう。
最後に、枚数が誤っていないかどうかチェックする。
並べ替えたままの状態で1つの山にまとめておく。(シャッフルしないようにしましょう)
注意事項として、「総枚数」の欄は複数名により保証されるべきものです。したがって、訂正を行う際には、必ずジャッジを呼び訂正を受けてください。
また、『霊気走破』では、以下の点にも注意してください。
特殊仕様(絵違い、拡張アードなど)のカードがあります。これらのコレクター番号は通常のものと異なっていますのでご注意ください。(PC千葉では特別仕様のチェックリストが使用されます。)
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スペシャルゲスト(SPG、アイコンが霊気走破のものではない)のコレクター番号が黒の番号範囲と重なっています。記入場所にご注意ください。
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パックから出た基本土地も登録します。ノーマル/フォイル/フルアート の区別はつけず、まとめて基本土地の欄に記入してください。
カードプールの登録時間は20分が推奨とされています。(イベントにより時間が延長される場合があります。アナウンスをお聞きください。)
デッキ構築
さて、他のプレイヤーに登録してもらった、あなたのカードプールが戻ってきました。早く構築を開始したい気持ちはわかりますが、開始アナウンスがあるまでお待ち下さい。
開始アナウンスがあったら、まずやることはプールの確認です。書いてもらったカードプールの登録数と、実際のカードが合っているかどうかを確認しましょう。合っていない場合は、即座にジャッジをお呼びください。
確認が済んだら、いよいよデッキを組み上げます。リミテッドのメインデッキの総枚数は「40枚以上」である必要があります。メインデッキに登録しなかったカードは全てサイドボードになります。
組み上げたら、メインデッキに使用するカードを「使用枚数」に記入しましょう。この時点では、枚数の記載を誤ったとしても、自分で直して構いません。訂正する際には、二重線を引くなどして、誰が見てもその値ではない、というようにしましょう。
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上の例だと、プールに2枚ある《大地鳴らし》のうち1枚だけをメインで使用しています。
そして、使用する基本土地の枚数を記載しましょう。基本土地の追加は何枚でもできます。また、サイドボード用の基本土地の枚数は記入する必要はありません。あくまでメインデッキに使用する基本土地の枚数を記載しましょう。
全て記入も終わって確認も終わったら、デッキ・チェックリストを提出しましょう。提出してしまうと、もう訂正はできません。提出する前は特に慎重に確認しましょう! 以下の点を押さえておくとなお良いです。
テーブル番号の記入はしていますか?
あなたの名前が「デッキ使用者」に書かれていますか?
メインデッキは基本土地を含めて40枚以上の記入をしていますか?
基本土地の枚数は間違いないですか?
全てOKであれば、提出しましょう! 第1回戦の開始をお待ち下さい。Good luck!
また、デッキリストの提出後は、電子機器を使用できるようになります。この間に、あなたのメインデッキのカードを写真に撮っておきましょう。これで細部を忘れても復元できます。
デッキの構築時間は 30分が推奨されます。(今回のPC千葉ではプレリリースと同等なので、さらに15分延長されるでしょう)
ラウンド中
ラウンドが始まってしまえば、あとは構築戦と同じように大会は進行します。マッチが終了したあと、次のラウンドが開始される前に、あなたのメインデッキを登録した状態に戻しておきましょう。何を何枚使ったかは覚えておきましょう。(先ほど紹介したように、あなたのデッキのカードを写真に撮っておくとよいですね)
サイドボード中に、どうしても基本土地が必要になった場合、ジャッジを呼んで基本土地を受け取ることができます。基本土地の種類や枚数まで告げる必要はありません。(相手にバレちゃいますからね) 心得のあるジャッジなら、きっと基本土地の束を渡してくれるでしょう。そこから必要な枚数を抜き取って、ジャッジにお返しください。
終了後
イベントから退出する際には、配布された基本土地はなるべく会場にお返しください。ご協力をお願いいたします。
今回は以上になります。