Revitのアドインコマンド
Revitのアドインコマンドの作成方法について
はじめに
こんにちは。本記事では、Autodesk Revitのアドインコマンドの作成方法について、プログラミング初心者の方でもわかるように丁寧に解説いたします。Revitのアドインは、Revitの機能を拡張し、設計プロセスをより効率的にするためのプログラムです。この記事では、C#を使用して基本的なアドインを作成する手順をご紹介します。
必要なツール
まず、アドインを作成するために必要なツールを準備します。
Visual Studio:
Microsoftが提供する統合開発環境(IDE)です。無料版のVisual Studio Communityで十分です。
Visual Studioのダウンロードページからダウンロードしてインストールしてください。
Revit API:
Revitのアドインを作成するためのライブラリです。Revitをインストールすると、Revit APIも含まれています。
.NET Framework:
Revitアドインは.NET Frameworkを使用して開発します。通常、Visual Studioと一緒にインストールされます。
プロジェクトの作成
Visual Studioを起動します。
**「新しいプロジェクトの作成」**を選択します。
**「C#クラスライブラリ」**のテンプレートを選びます。
プロジェクト名を入力します(例:RevitAddin)。
作成ボタンを押してプロジェクトを作成します。
Revit APIの参照を追加
プロジェクトが作成されたら、ソリューションエクスプローラーでプロジェクト名を右クリックし、**「参照の追加」**を選択します。
**「参照マネージャー」が開くので、「参照」**をクリックし、Revitのインストールディレクトリから以下のDLLを追加します。
`RevitAPI.dll`
`RevitAPIUI.dll`
これらのファイルは通常、Revitのインストールフォルダ内の`C:\Program Files\Autodesk\Revit 202X`にあります(202Xはバージョン番号)。
アドインコマンドの作成
次に、実際のコマンドを作成します。
プロジェクトに新しいクラスを追加します。ソリューションエクスプローラーでプロジェクト名を右クリックし、**「追加」 -> 「クラス」**を選択します。クラス名を「Command.cs」とします。
以下のコードを「Command.cs」に追加します。
using System;
using Autodesk.Revit.UI;
using Autodesk.Revit.DB;
namespace RevitAddin
{
[Autodesk.Revit.Attributes.Transaction(Autodesk.Revit.Attributes.TransactionMode.Manual)]
public class Command : IExternalCommand
{
public Result Execute(
ExternalCommandData commandData,
ref string message,
ElementSet elements)
{
// メインの処理をここに書きます
TaskDialog.Show("Revit Add-in", "Hello, Revit!");
return Result.Succeeded;
}
}
}
このコードでは、Revitの標準ダイアログを表示する簡単なコマンドを作成しています。
アドインマニフェストファイルの作成
Revitにアドインを認識させるために、アドインマニフェストファイル(.addinファイル)を作成します。
プロジェクトのルートフォルダに「MyRevitAddin.addin」という名前のXMLファイルを作成します。
以下の内容をファイルに追加します。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8" standalone="no"?>
<RevitAddIns>
<AddIn Type="Command">
<Name>MyRevitAddin</Name>
<Assembly>$(targetpath)</Assembly>
<AddInId>12345678-1234-1234-1234-123456789012</AddInId>
<VendorId>Company</VendorId>
<VendorDescription>Your Company</VendorDescription>
</AddIn>
</RevitAddIns>
ここで、`$(targetpath)`はビルド後のDLLのパスに置き換わります。通常、Visual Studioが自動的に正しいパスに置き換えます。
ビルドとデプロイ
プロジェクトをビルドします。メニューの「ビルド」から「ソリューションのビルド」を選択します。
ビルドが成功したら、ビルドされたDLLファイルと「MyRevitAddin.addin」ファイルをRevitのアドインフォルダにコピーします。
例:`C:\Users<ユーザー名>\AppData\Roaming\Autodesk\Revit\Addins\202X`
アドインのテスト
Revitを起動し、新しいプロジェクトを開きます。
「アドイン」タブに「MyRevitAddin」が表示されるはずです。
アドインをクリックすると、「Hello, Revit!」というメッセージが表示されます。
まとめ
この記事では、Revitのアドインコマンドを作成する基本的な手順を紹介しました。初めての方でも、この手順に従って進めれば、簡単なアドインを作成し、Revitの機能を拡張することができます。