義母の生霊と闘う話⑨
書きたいことはたくさんあったのになかなか筆が進まず…!何ヶ月ぶりだろう。
まずは近況をば。生霊本体である義母はとりあえずのところ大人しくしている。
おそらく…まあ…色々あったので…。今のところ恨みの矛先が別の人になっているのだろう。
今生霊被害を受けている人には申し訳ないが、我が家の平和は保たれている。
今回は長らく書けていなかった安井金比羅宮参拝について綴っていこうと思う。
そうだ 京都に行こう
3月を予定していた安井金比羅宮参拝だったが、セラピストの仕事の退職日を会社の都合で4月初旬にしたことで3月がぼちぼち忙しくなってしまった。
それなら早いほうが良かろうと2月に京都に向かうこととなった。
2月の京都。きっとさぞかし寒いだろう。
それでも、なるべく早く終わらせたかったのだ。この闘いを。
しかしながらあまりにも周りに心配されるので、実は一度ビビって愛さんに相談させてもらった。
「本当に金毘羅さんでないと無理なんでしょうか?半端な気持ちで行ってはいけないといろんな人に言われて…」
愛さんの答えはシンプルかつストレートだった。
『金毘羅さんでなくてもいいですけど…普通ではない生霊を祓うんですから、強力なところのほうがいいとは思います。…祓いたいんですよね?』
愚問だった。
その通り。愛さんの言う通りだ。
ほぼ悪霊だとか動物霊だとか妖怪だとか言われるような、黒いヘドロ状になってしまった義母の生霊を、前前世からの怨念を、今やっと祓おうとしているのだ。
優しいところで祓ってもらっても、結局祓いきれず同じことの繰り返しになるのなんてわかりきっていたことじゃないか。
もう、金毘羅さんを頼る他ないのだ。
ひとりでいくこと
『お参りするときにはひとりで行ってくださいね。旦那さんと行くと不仲になっちゃうので』
安井金比羅宮は悪縁を切り良縁を結ぶ神社である。
誰かと一緒に訪れると疎遠になる、という話はよく聞いていた。
今回は特に義母(の生霊)と縁を切りたいので、神が見ても人が見ても、明らかに『旦那と離婚したら一番早いんちゃうん?』という状況であるため、同時にお参りすると夫との縁が切れる可能性バリ高だろう、とのこと。
『本当はまるっきり別の日程のほうがいいんですけど、日さえ変えれば行けますよ!』
と助言していただいたので、まさかの京都2泊旅が確定。
さて。渦中の夫は理解してくれるだろうか。
昔からこういう人だった
『子どもら連れて京都2泊かー…。それって寒川さんじゃだめなの?』
このあたりで一番大きな神社である寒川さんは八方除の神社だ。
私も結婚してからは毎年の初詣やお宮参り、七五三と日頃からお世話になっているので、ここでお願いできたら何よりとは思っていたのだが、ここは完全に祓いきっておきたかったので愛さんの助言をそのまま伝えた。
母親の念の深さは誰よりも熟知している夫。
『どうしてもそこだって言うなら…』とは言うもののやはり納得はいっていない様子。
そこで安井金比羅宮の“縁切り縁結び碑”の写真を見せることにした。
一回見れば『ここでしかできないことがある』と一発で伝わる。あの碑にはそれだけのインパクトがあると思ったから。
見た瞬間、夫は『すっげぇ…!アニメの世界だ…!』と目を輝かせた。
あの碑の写真はオタク気質な夫には思いのほか刺さったらしい。
そこからは本当に一瞬。
即座に具体的な日程を決め、私があらかじめフォロワーさんに募っていた京都の子連れに優しい宿情報を元に宿泊予約を取ってくれた。
あっけないくらいあっという間に「あとは行くだけ」という状態になった。
そう。昔からこの人はノリさえハマればとんでもない勢いで全てを丸め込んでいいところに収めていくような男なのだ。
動機こそ『縁切り縁結び碑を生で拝みたい』という不純ともいえるようなものだったが、多分これでいい。
よくわからんけど今回もきっといいところに収まる。そんな気がした。
いざ、安井金比羅宮へ
神奈川から京都までは車で向かった。
5歳と1歳を新幹線に3時間大人しく座らせておくのが絶望視されたためだが、かかる時間は倍。
夫も疲労困憊になるのは目に見えていたので、まずは私が金毘羅さんの側に降ろしてもらいお参り、二日目に夫がお参りするというザックリとした予定を立てた。
道中のことはあえて書かないが、とにかく子連れ長距離旅は過酷だった。
万が一同じような状況の人がいれば、できれば3泊することをおすすめしたい。過酷なので。
あとは洗濯乾燥機付きの宿を確保するのも大切。家に帰ってからの洗濯大会がないだけでかなり楽だった。
あと!レンタルポケットWiFiには本当に助けられた!!
YouTubeでだいぶ間をもたせることができたので(それでも30分間隔で『まだつかないの?』と言われ続けたが)、これも本当にオススメ。
ずいぶん話が脱線したが。
そんなこんなで、とうとうたどり着いた安井金比羅宮。
まずびっくりしたのは立地。
細かい路地の建物ひしめく中になんの前触れもなく突然出てきた…というか生えてきた。
金毘羅さんからしたら『ずーいぶん前から居りましたけど?』という心持ち?だとは思うのだが、はじめましての人間からしたら驚きだ。
さらにはすぐ隣がホテル街。
とても自然な流れで縁と欲と煩悩について思いを巡らせてしまう、ある意味とても哲学的な場所だった。
神社自体は入ってしまえば特段変わったところは見られない。
人はたくさんいたが、神社らしい凛とした空気感が保たれていて、縁切り神社と聞いて想像したおどろおどろしい雰囲気も感じられなかった。
まずはお参りをするため列に並ぶ。
ところが、並んでいる間に一度参拝の列にストップがかかった。
神職さんがお賽銭箱側面につけられた鍵を開け、中に納めてある引き出しを取り出し、バケツの中にお賽銭をガッサー!!と流し込んで、引き出しを戻し、鍵をかけ、待っていた参拝者に声をかけ、また列が動き出した。
その間およそ1分半。
お賽銭箱って内側引き出しなんやとか、運び出すにしてもプラバケツて…!とか色々な思いが一瞬にして駆け巡った。煩悩だ。
ただ結構レアな体験だったと思うし、結果的にはとても面白かった。
気を取り直して。主祭神である崇徳天皇にご挨拶。
住所と名前、今日ここに来た理由も頭の中でお伝えさせてもらった。
お参りが終わったら今度は形代と呼ばれる札を書きに行く。
縁切り縁結び碑に貼るための札だ。
願い事を書くのだが、書き方に注意しなければならない。
あくまで“願い事”を書くのであり、“恨み言”を書かないこと。
基本的にはそれが守られていればいいらしい。
私は
『お義母さんが私たちのことを忘れて自分の幸せに集中してくれますように』
『私の仕事で私と関わる人全員を豊かにしたいので、必要な方と繋がれますように』
というような内容で札を書いた。
そしていよいよ縁切り縁結び碑へ。
この碑だけは異様な空気をまとっている。
人の念が集まっているせいか、周囲の空気も一気に重みを増した気がする。
そばに絵馬がかけてあるのだが、なるべく見ないほうがいいと思う。
弱い人はあれだけでもきっと引きずられる。
30分くらい並んでいると順番が回ってきた。
いよいよ、この碑をくぐるときが来てしまった。
緊張しつつも碑の前に歩を進めた、その瞬間…ーーー。
ダァーーーーーー!!!
まさかの豪雨。
碑に並んでいた人以外がみんな屋根下に退避するほど豪雨。
最後の生き霊大暴れなのか禊の雨的なものなのか分からないが、とにかく雨に打たれながら碑の中をほふく前進することになってしまった。
小さな穴の中で『お義母さん、私たちのことを忘れてください…忘れてください…』と唱え続け進む。
碑の向こう側に出た。すでに小雨になっている。
なんちゅうタイミングのゲリラ豪雨。
この碑は往路で縁切り、復路で縁結びをするので、復路では私の仕事で私と関わる人みんなが豊かになりますようにと唱えた。
豪雨のおかげもあって、なんだかとてもスッキリした気持ちで。
安井金比羅宮をあとにした。
縁切り縁結び、その後
とりあえず義母からはしばらく連絡が来なくなった(一度ヤバ電話がかかってきて、その内容が本当に恐ろしかったのでエピソード追加します)
そして、実は安井金比羅宮参拝から8ヶ月ほど経って活動の主軸にしているインスタグラムでフォロワー1万人を達成し、それに伴ってイベントや新しい講座も開催することができている。
縁切りも縁結びも確実に効いている実感があるので、生半可な気持ちでくるとヤバいとは聞いていたものの、今のところ本当にありがたい効果ばかり実感できている。
覚悟が決まった方にはぜひ。安井金比羅宮、オススメしたい。