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16w5d 安定期とは

先日、ようやく安定期と呼ばれる妊娠中期(16〜27w)に突入した。
一般的にこの時期になると、胎盤の完成とともに流産のリスクが大幅に減ると言われている(もちろんゼロではない)。
それに伴いつわりもなくなり、十月十日の妊娠期間の中でも最も過ごしやすいという3ヶ月が始まるのだとか。
不安でたまらなかった妊娠初期からようやくここまで辿り着いた…という意識も多少なりあるとはいえ、日常生活には特に大きな変化はない。

なぜなら私のつわりはまだ終わっていないからだ。
毎日吐き気があって辛い。空腹状態が続けば吐きそうになるし、かといって食事を取っても吐きそうになるし、許されるのならば24時間ベッドの上で寝ていたいがそれはそれで精神的に苦痛であり夫にも負担をかけているし、要するに吐き気があるうちは何をしてても辛いのだ。
特に最近はつわりで休職中だった会社に復職したため、在宅勤務とはいえ寝てばかりもいられなくなってしまったことが余計にしんどい。仕事は元々好きなのだが、吐き気があるとそちらに意識がとられてなかなか集中できないという悩みもある。裁量性の仕事をしているため、これは致命的だ。

にも関わらず妊婦用アプリでは日替わりの赤ちゃんのイラストが、「ママはそろそろつわりも楽になる頃だね!」「つわりが終わったからって食べ過ぎ注意だよ!」「ママ、今までつわりお疲れ様!」なんて言ってくる。辛くなるからやめろ。エコー写真で子宮内を見る限りは、かなり大きな胎盤がすでに備わっているように見えるのだが…いつ完成するんだ私の胎盤。

もちろん安定期に入った結果、いいことだってあった。
それは流産のリスクが減ってくれたため、友人や知人にも妊婦であると明かしやすくなったことだ。

これまでは家族や職場の方々、ごくごく近しい友人や話す機会のあった知人にしか妊娠のことは伝えられなかった。安定期に入るまでは何があっても公にできない、そう頑なに感じていた理由は一つ。もしも妊娠を公にした後に流産してしまったら、その悲しい報告までしなきゃいけないのはあまりにも辛すぎるからだ(もちろんこの懸念は今も別に消えてはいないが)。

実は私は、妊娠後初めての産科受診の際、エコー写真で胎嚢を確認することができなかった。元々の生理不順のせいで、正式な妊娠週数がわかりにくく計算がずれてしまっていたのだ。
基本的に産科での妊娠検査は、

0:自宅で妊娠検査薬の陽性を確認する(4w〜5w)
1:エコーで胎嚢を確認する(5〜6w)
2:赤ちゃんの心拍を確認する(5〜6w)
3:もう一度赤ちゃんの心拍を確認する(6~10w)
4:母子手帳をもらう(6~10w)


という流れで成立し、3まで至って初めてやっと「妊娠おめでとうございます」ということになるようだ(場所によるかも)。
私は妊娠素人だったので、0の段階(おそらく4w)で産科に即駆け込んでしまったのだが…少なくとも1が確認できる状態までは、行かない方が良かったかもしれない。

エコーで胎嚢が確認できない状態、というのは想像以上に恐怖である。
なぜならそれは、子宮外妊娠の可能性があるということだからだ。
一体自分の腹の中がどうなっているのかわからないまま、ひどいつわりの中で二度目の心拍確認まで過ごす時間は地獄であった。
結果的に私は翌週になって胎嚢を確認することができたが、あの不安な時期を思い出すだけで心がヒュッとする(尤も、hcgの値が500もなかったことは血液検査でわかっていたため、おそらくは時期がずれているだけだろうという診断結果ではあったが)。
妊娠のことを親にすら言えない段階で、子宮外妊娠の可能性に怯えながら吐き気に耐え、自分が妊婦なのかそうでないのかすらはっきりしないままの時間をただただやり過ごすのは苦痛である。

だから、あの頃を思えばという結果論ではあるものの、安定期を迎えられたことはとにかく嬉しい。この日を迎えられるかどうかずっとずっと不安だった。やっと友達に言えた、ということが心の枷を解放してくれたのもあって、少しだけ明るい気持ちにもなれた。
学生時代からの子持ちの友人たちは私以上に大盛り上がりで、早くも抱っこ紐などのプレゼントをお祝いとして頂くことになった。ありがたい。

妊娠発覚以降、なんだか不安で捨てられなかった陽性の線が記された妊娠検査薬をようやくゴミ箱に入れることもできた。
自分の汚い尿がついた棒を数ヶ月も保存するなんていう奇行、この先二度とないだろう。あばよ!

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