9w4d つわりに対する矛盾
気づけば妊娠3ヶ月目、一般的に壁と呼ばれる9週目に突入したようだ。前回のnote更新からは1ヶ月近くが経過している。この間何をしていたかというと、私はひたすらつわりと戦っていた。文字を読むだけでも嘔吐感が押し寄せ、文章を綴るなどとんでもない状態であった。
吐き気とともに起床し、吐き気とともに就寝する。あまりの辛さに泣きながら、もう嫌だ誰か助けてくれ気が狂ってしまうと夫に泣きついた日も多々あった。お腹の赤に悪いと思いながらも、こんなに苦しくては耐えられないと弱音を吐きまくるその間さえ、体調は最悪で希望の光すら見えなかった。自ら望んで妊娠したくせに、全く勝手なものだと自分でも思う。
極論を言うと私は、妊娠も出産も親のエゴでしかないと思っている。命を作り出し、世に放つという行為がどれだけ自己中心的なものなのかという点をよく考え、それでも「子供なんて絶対にいらない」とはならなかったからこそ私たち夫婦は妊娠のための努力をした。結果、自然妊娠という有難い現実をようやく得たにも関わらず、つわりでめそめそ泣いているなど我ながら心底情けないとも思う。しかしそれでも辛いもんは辛い。許してほしい。私は少なくともこの経験を経て、世の中にいるすべての妊婦に心から優しくしたいと思えるようになった。ウクライナ関連のニュースを見ても、現地の妊婦さんはどれだけ辛かろうと泣きそうな思いを抱えた。
さて、今日はこうしてPCに向かうことができるくらいには調子が良い。起きた時から吐き気がなく、とても穏やかな体調であることを実感していた。久々に自らの手で洗濯機を回し、トイレ掃除をし、職場の方々とLINEをした。
とはいえ、つわりの軽減は意外にも良い事ばかりではない。
つわりが軽くなるのは嬉しい。完全になくなってくれたらもっともっと嬉しい。しかしあまりにも突然につわりが軽減されると、おそらく妊婦なら誰でも不安に思うであろう、「お腹の赤は生きているのか…?」という新たな悩みが生まれてしまうのだ!
あれだけ辛かったつわりが、一般的には12〜14週ほどで終わることが多いと言われるあのつわりが、9週の自分に対して突然軽くなる…これがどれだけありがたく、かつあまりにも不安すぎる現象であるかをきっとわかってくれる妊婦さんは多いだろう。「…胎児生きてる??」「胎児に何かあった?」「妊娠が継続できていないからつわりが軽くなったのでは?」「次回の検診まであと1週間はあるけどメンタル耐えられる??」などなど、考えても仕方のないことばかりが頭の中を駆け巡る。少なくとも安定期に入るまでは、つわりはあってもなくても地獄ということになりそうだ。
これも暇な妊婦あるあるだと思うが、不安なことはすぐに検索してしまう。「つわり 9週 軽くなる」「つわり なくなる 流産」「つわり 流産 確率」なんと恐ろしいサジェストか。
検索で出てきた病院のHPによれば、9週で心拍確認後にそういった事態が起こる確率は0.5%とあった。しかし相当に楽天家な妊婦でなければ、「な〜んだ、0.5%なら安心だね!」とはならないだろう。数値上は0.5%であろうと、実際にそのような悲しい出来事を経験した妊婦がこの世の中にはたくさんいるのだ。自分がその中の一人にならない自信も根拠も、当然ながらどこにもない。
さらに、ここで新たな悩みが発生する。「ママがストレスや不安を抱えていると、赤ちゃんにもあまり良い影響がないよ」と言い出す人物・文献・風潮らである!あまりにも後ろ向きな想像やリスクにばかりとらわれると、赤ちゃん以前に母体にもストレスになって当然だろう。そしてストレスは胎児に良い影響がない。そりゃそうだろう。そうだろうよ。そうなんだろうけども、
うるせ〜〜〜〜〜〜!!!!!!そんなことわかってんだよボケが〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!それでも不安を抱えたり弱音を吐いたり時にはマイナス思考にも陥りながらも頑張って頑張って前向いて進んでいくんだよこっちは〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!
と、自分を鼓舞しながら頑張ろうとしてもきっと、今度は新たに「お腹の赤ちゃんはママの声を聞いているよ!口が悪いと良くないよ!」とか言い出す人物・文献・風潮らもきっと発生するのだろう。
うるせえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!
キラキラマタニティライフなんてどこにもねえ!毎日流産と死産と障がいの可能性に怯えながら眠れないほどのつわりでロクに風呂すら入れず、くっさい体とギシギシの髪でよだれを吐きまくり口呼吸のしすぎで唇が切れてる汚ねえ妊婦が前向きで綺麗な言葉ばっかり吐けるわけないだろがい!!!
と、心底思った。
こんなのに根気強く付き合って励ましてくれている夫に、心から感謝している。お腹の中の赤が生きていると信じ、引き続き頑張りたい。そして叶うならばこのまま明日以降もつわりがおさまり、お腹の赤も元気に過ごしてくれていることを願う。
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