あなたたちの「ルール」は大丈夫?~オンライン・セーフティ・フォア・シスターズについて~

ゆっくりしていってね!!!!

今日のテーマは、Online Safety for Sistersよ!!

Online Safety for Sisters、始動!

女性たちが安心してオンラインで声を上げられる社会に変えていこう――。そんな願いを込めた社会運動が「国際ガールズデー」の11日、旗揚げした。オンライン上での女性を狙ったバッシングやヘイト表現の深刻化を受け、法整備や被害者の孤立防止と支援を求め、今後署名活動を展開していくという。
運動の名称は「オンライン・セーフティー・フォー・シスターズ」。呼びかけ人は、ライターの石川優実さん(34)、市民運動家の菱山南帆子さん(32)、コラムニストの伊是名夏子さん(39)。同日、記者会見を開いた。
朝日新聞「モノ言う女性がたたかれない社会に 安全なオンライン空間を求めて」(visited 2021/10/12)

かつてネット上の誹謗中傷・デマを問題視したリベラルさんたちの「#この指止めよう」を彷彿とさせる企画ね! 今回はフェミニストさんたちが主催みたい。

先に言っておくと、 #この指止めよう がそうであったように、Online Safety for Sisters(以下、OSFS)も方針そのものは悪くないと思うわよ。誹謗中傷やデマが良くないってのは、恐喝や窃盗が良くないのと同様、全くその通り。ぜんぜん異論ない。救済対象が女性メインなのも、「フェミニスト」が主導する企画なんだから別にいいと思うわ。
石川優実さんもTwitterで仰っていたけれど、男性用のが欲しければ男性がやればいいのよ。これも私は異論なし。「猫のための基金を立ち上げます!」という慈善活動に対して、「犬はどうするんだ!」となじる意味はないしね。

ただ、#この指止めようは、ご存じの通り完全にポシャッたわ。言っていることが悪くなくても、言っている人に問題があったからよ。
特に代表理事の小竹海広氏は、過去のツイートで子役有名芸能人の死を願ったり、童貞を冷笑したりしていて、その結果、周りから「お前の指だけ止めてろ。」と猛烈な批判を浴び、しめやかに爆発四散したわ。

まあ、リベラルが生み出したキャンセル・カルチャーでリベラルがキャンセルされちゃったのね……。インガオホー……。

聖書にも、

「あなたがたが裁くとおりに、あなたがたも裁かれ、あなたがたが量るとおりに、あなたがたも量られる。」(マタイ 7:2)

という言葉があるけれど、まさにそれが発動した形ね。

翻って、OSFSはどうかしら?

注目すべきは、上の新聞記事で紹介されている石川優実さん、伊是名夏子さん、菱山南帆子さんの3名ね。

今回の記事では、3名の過去の言動をチェックして、OSFSが考えている誹謗中傷やデマへの対応法や、「やらかした」場合に何をすれば許されるのかを検討するわ。言うなれば、現時点では明示されていないルールを、過去の言動の蓄積から逆算して求める試みよ。

これはちょっと分かりにくいだろうから、次で具体例とともにしっかり説明するわ。今は「ふーん」くらいでいいわよ。

ちなみに、新聞記事だと大まかな主旨の説明だけになってるけど、公式アカウント(ONLINE SAFETY FOR SISTERS-Twitter)ではリプライツリーでもう少し細かい話が述べられているから、気が向いたら参照してみるといいわよ。(※そのツイートのスタートはこちら。


石川優実さん、それアンタも流したデマでしょ?

良い機会なので、私も石川優実さんのブログをざっと読んでみたわ。Twitterは今までもたまに目に入ったものは確認してるわ。
で、OSFSでは誹謗中傷とデマが中心的な批判対象みたいだから、特にそれ関係のブログ記事を優先して読むようにしたわ。これね。

#デマを許さない社会に_Twitterデモをしましょう!(石川優実ブログ

この記事では、Rapid氏が作成したYouTube動画『【ゆっくり解説】石川優実の裁判の結果』で、デマが拡散されていると指摘しているわ。

※裁判:石川優実氏が出版したKuToo本『靴から考える本気のフェミニズム』で行われたツイート引用の是非についての裁判を指す。原告がはるかちゃん氏、被告は石川氏。一審は石川氏の勝ちで、現在は控訴中。

この動画では、私について色々と話していて、その中で先日の裁判の判決についても語られています。
しかし、このスクショに映っている部分の「ちなみに、この裁判の争点となる、リプライしているように見せる編集については触れられておりませんでした」というのは嘘です。
当然判決文にも書かれています。25頁です。
石川優実「#デマを許さない社会に Twitterデモをしましょう」(visited 2021/10/12)

なお、動画のほうは既に修正対応済みで、判決文もしっかり引用した石川さんの指摘が正しかったという形で決着しているわ。

石川さんによるデマの指摘は正しく、それを受けて修正もされた――文句なしに見えるけど、ただちょっと微妙な話もあって。

石川さんは「KuToo本裁判において、リプライしているように見せる編集については触れられていなかったというのは嘘だ!!」と強く出ていて、内容的には正しいんだけど、ブログ記事を公開する1ヵ月前の5月14日、石川さんはこんなツイートをしていたのよ。

「リプしたかのようにデザインされた」とあなた方が仰る箇所が裁判では全く争点にならなかったのですが何でですかねぇ😀触れられてもなかったですよ。
何かに対してへんてこりんと思ってもへんてこりんと言ってはいけない世の中になったら恐ろしいですね。
石川優実(@ishikawa_yumi)午後4:53 · 2021年5月14日(魚拓)


いや、石川さんも全く同じ部分で、全く同じミスしとるんかい!!!

上のツイートに関しては、「間違ってますよ」と裁判相手のはるかちゃん氏から指摘を受けて、石川さんも取り下げてはいるんだけど……。

うん。いいんだけど、いいんだけど……あの、だったらRapidさんの動画についても、「勘違いしてたんだな」くらいで許してあげたら? 
動画の該当部分は削除したんだし、それに訂正前でも、Rapid氏は弁護士の人が言っていたツイートに基づいて「触れられていなかった」と意図せぬ誤認によって書いてしまったのであって、悪意でデマを拡散しようとしたってんじゃないわよね。

それに、はるかちゃん氏に指摘された直後も、石川さんもこの程度には開き直ってるでしょ。

じゃあ、ますますRapidさんも、更に1ヵ月追加で時間経ってるし、大きな争点ではなかったので忘れてたんじゃないかしら……。Rapidさんがこんな言い訳をするかは別として、仮にそう言われたとしたら、自分も使った言い訳だし必然的に受け容れることになるわよね。

ちなみに、私としては、忘れてたとかじゃなくて、そもそも記憶に頼らず、訴状の内容をゆっくり確認してから書けとRapidさんと石川さんの両方に対して思うけど。

そして、ここで一つ明らかになったのは、デマという指摘を受けても、石川さん的には、一応の謝罪と削除のうえ、「忘れてました」とでも言っておけばセーフになるということね。

そう、「過去の言動の蓄積から、逆算してルールを求める」とはこういうことよ。

まあ、自分か他人かで処罰の度合いを分けたりせず、あくまで公平に適用するなら一応「あり」なルールでしょう。いいんじゃない?

これをとりあえず「デマに対する『忘れてました』メソッド」と名付けておくわ。忘れてたのならしょうがないわね!

ちなみに、指摘したのに石川さんからは「ちょっとしたミス」めいた扱いをされたはるかちゃん氏は、ごく自然な反応として怒ってるわね。

まあ、社会人的にはフツー「謝罪した」にはカウントできなくなるタイプの返事よね。本当に「デマの訂正と謝罪」ってこのくらいでいいのかしら? 当事者が許してないけど。

ただし当然だけど、間違いだと分かった後に拡散するのはダメよ? それは本当に悪意あるデマの拡散だからね。「デマを拡散すべきでない」という点について、私は心から同意するものよ。

伊是名夏子さんの「冗談だった」メソッド

伊是名さんも誹謗中傷やデマに苦しんでいらっしゃって、明らかに社会制裁が過剰な点については同情すべき部分も大いにあるのだけど、「そら自業自得でしょ。」という側面が目立つのも事実よ。

例えば、弁護士ドットコムニュースのインタビューでは次のようにお話されているわ。

また、右も左もわからない大学生だった2004年からブログを始めたときは、友だち向けの発信がメインで冗談のような内容や、写真をたくさん載せていました。それらが今回すべて裏目に出て、揚げ足をとられることになっています。
言及されていることのほとんどがデマや私の人格を非難するための印象操作です。デマの事例としては、たとえば、「ヘルパー制度利用による不正受給」を指摘されましたが、していません。一部だけを切り取って「不正受給である」と言うデマが拡散されています。
伊是名夏子さん語る「乗車拒否問題」後の中傷の嵐、それでも目指す「誰もが生きやすい世界」(visited 2021/10/12)

確かにヘルパー制度で不正受給と言えることをしていたかどうかは、はっきり確定していない話だし、「不正受給をした」という論調で書かれた非難については、私もデマだと思うわ。

推定無罪の原則は大事よね!

ただ、その「揚げ足をとられた」記事はこれよね。
確かに後半まで読むと、これは「嘘をついた」というほどのことなのか、とは思うわ。

私、ヘルパー申請をする時、かなり嘘をついたのです。
お風呂は一人では入れない。
ご飯も一人で食べられない。
トイレも介助が必要・・・などなど。
でもね、よく考えるとそうなのです。
お風呂の電気をつけるときは台が必要だし、
ご飯も重い鍋はもてないから工夫したり、キッチンに立つときは車椅子に立つから、いささか不安定だし。
どうにかすれば一人でできるけど、がんばらなきゃ一人ではできないのです。
そして、今みたいに怪我をしていると、大変なわけで。
腕だけで移動している私が、片手を怪我しちゃうと、ほとんど動けなくなります。
お風呂もご飯もトイレも、移動だけでかなりの時間がかかります。
怪我をして、すぐにヘルパー申請ができるなら、嘘をつかなくてもいいけど、書類もろもろで申請して最低一ヶ月はかかります。
怪我が多い私にとっては、怪我も想定して、常に動かないといけないわけで。
ヘルパーも使いにくくて、不都合で、非人間的な制度です。
伊是名夏子「ヘルパー活用」2008年2月20日(魚拓)

要は「一人でお風呂に入る等のことは可能といえば可能だけど、非常に時間かかるし、(骨折しやすいという障害もあり)怪我をした場合には本当に一人ではできなくなる。ゆえに、あらかじめやや過剰な申請内容にせざるを得なかった」という主旨よね。

であれば、これは「不正受給」ということなのか、むしろ伊是名さんの言うように、申請書類に現実的な柔軟性がなく使いにくくて、それこそが問題ではないのか――とは思うわ。なるほどなるほど。

とはいえ、「ヘルパー申請をする時、かなり嘘をついた」と真っ先に言われたら、不正受給の話が出るのはやむを得ないようにも思うわ。これを「揚げ足取り」というのは、人によっては若干の違和感が拭えないところね。
もう私と、この記事を読んでいる皆さんは詳細を理解したから、不正受給の話は「無し」で統一していいと思うんだけど、だからといって本件につて伊是名さんが一方的な被害者とまで言えるかは悩ましいわね。

さらに本当に言い訳不能な、テーマパークに子供料金で入場する話とかもあって、これはさすがに世間一般から怪訝な視線を向けられても受け止めざるを得ないでしょう。

行ってきました!!
8ヶ月ぶりのみっきーらんど!
暑すぎたぁ。
レストランで二時間くらいおしゃべりしちゃいました。
で、よく考えてみると、大好きな同じメンバーで二年前の8月4日もディズニーに行っていたのです。
上が二年前のチケット。
下が今回。
うぉぉぉぉ。
伊是名夏子「Disneyland Anniversary」2005年8月4日(魚拓)

これブログ記事のほうを読んでもらえば、画像が貼ってあるんだけど、チケットに思い切り「小人/CHILD」って書いてあるわね。ちなみに2005年時点では、伊是名さんにお子さんはいらっしゃらないわ。まだ生まれてないから。

コメント欄を見ると、お友達らしき人とふざけている様子が見えるわ。これがインタビュー記事でいうところの「友だち向けの発信がメインで冗談のような内容」に該当するんでしょうけど、これ指摘されて炎上したとして、「冗談だったのに!」で通れるのかしらね? 

うーん……。一般社会的にはちょっと厳しい気がするわね。

もっとも、今知りたいのは、一般社会のルールではなく、OSFSルールだから、この点は論難しないことにするわ。

とりあえずこれは「やらかし(不祥事)に対する『冗談だった』メソッド」と名付けておきましょう。伊是名さん公認の中和剤よ。

菱山南帆子さん、さすがにそれをセーフにするのはまずい

最後は菱山さんね。ある意味、一番問題のある人よ。

というのも、この方は、どうも山口敬之氏から名誉棄損で告訴される予定があるのよ。(嫌な予定……。)
告訴される理由となっている、問題のツイートはこちら。

山口敬之氏は、伊藤詩織さんへの性暴力疑惑で刑事告訴されていたけれど、それは不起訴で既に確定しているのよね。2016年7月22日に不起訴処分、さらに2017年9月22日には、東京第六検察審査会により「慎重に審査したが、検察官がした不起訴処分の裁定を覆すに足る事由がなかった」とし、不起訴相当であることが説明されているわ。

だから、「性暴力を行った山口敬之氏」という表現は、完全なる誹謗中傷でありデマよ。

そもそも推定無罪の原則がある限り、有罪判決が出る前に犯罪者呼ばわりするのは、最も明白な名誉棄損の一つよ。マスメディアでも、逮捕者が出た時点では「容疑者」とは書いても、絶対に「犯罪者」とは書かないのはそういう理由ね。

もちろん、警察の捜査が不十分だったとか、それこそ「もみ消した」可能性も原理的には考えられるけれど、それでも不起訴処分の確定や、あるいは裁判の結果(本件は裁判までいかなかったけど)を区切りにして、言葉は選ばないと、収拾がつかなくなるわ。

だって、不起訴で確定していても、個人的に疑わしいと思えば犯罪者として扱って良いなら、石川さんのことを「著作権侵害(という犯罪)をした人」と呼んだり、伊是名さんのことを「業務妨害(という犯罪)をやった人」と呼んだりしても、全部セーフになってしまうでしょう。

警察・検察の捜査や裁判で「身の潔白」を示したのに、勝手に無効にして、あまつさえ犯罪者呼ばわりまでしていいとすれば、誹謗中傷もデマも今後コントロール不能になるわ。

また何より、菱山さんについても、今からでも名誉棄損をした犯罪者呼ばわりしても良いって話になるわよね。

……あの、それで本当にいいの? 誹謗中傷でありデマじゃないの?

私は、少なくともきちんと有罪判決が出るまでは、いかに個人的に疑わしく思えても、推定無罪の原則を遵守して、菱山さんの名誉を傷つけることはあってはならないと考えるわ。

ひょっとすると、中には「今後の捜査や民事のほうの裁判の結果で、性犯罪が確定する可能性はあるじゃないか。つまり、後々デマでなくなるかもしれない。」という人もいるかもしれないわね。

結論からいうと、それでもダメ。

常にある「いつか訪れるかもしれない未来の可能性」を根拠としていいなら、何らかの疑惑・容疑のある人を誰でも永遠に――それこそ裁判の結果が確定しても――「犯罪者」呼ばわりできてしまう。これは、誹謗中傷とデマを抑止する手段を失うこととイコールよ。

OSFSが誹謗中傷とデマと戦っていくというなら、さすがにこれだけは咎めないといけないと思うわ。それとも、OSFS的にはセーフにする?
セーフにするなら、「疑わしきは犯罪者」メソッドと名付けておくわ。

まとめ

代表者3名の過去の言動から、次のルールの存在が示唆されたわ。

1.デマの流布と訂正に関する石川ルール――「忘れてた」メソッド。
2.不祥事に関する伊是名ルール――「冗談だった」メソッド。
3.犯罪疑惑に対する菱山ルール――「疑わしきは犯罪者」メソッド。

私が言いたいのは、他人の意見はどうあれ、自分で使ったルールだけは、確実に自分に返ってくるということよ。

特にTwitterを見ていると、石川さんと菱山さんについては、けっこうキツめの罵詈雑言も多いから、それも「そのくらいはセーフなんだな。」という基準として使われることになるわ。

念のために言っておくと、別に自分ルールなんだから自分の好きに設定していいわよ。司法判断はまたそれとは別に出るでしょうけど。
ともあれ、「忘れてた。」とか「冗談だった。」とか、「お前は犯罪者だ。」と言われた時は、その人を気持ちよく許してあげてね。

もし許したくないなら、過去の言動を整理して、取り下げるべきは取り下げることね。このあたりで誠実性を外部にアピールできるかが、OSFSの今後の行く末をリアルに左右してくると思うわ。

それでは、本日はここまで!

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最後は投げ銭にお礼メッセージが出るだけよ。

今回は前回や前々回の記事よりちょっと手間がかかったら、投げ銭がいただけるとすごく嬉しいわね! 今後の調査費や執筆費にあてるわ。(あと私のおやつ代とか……)


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