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あーーーーなんて素敵な日だ!!

川崎を出た日から

これがずっとやりたかった

川崎時代、ジュニがあの形でボールを持った時

常に左足で縦を突破したり、かわしきる前にGK DFの間に入れるパス

常に狙ってた。

思い返してみると、現役の時、清水でも新潟でも町田でもずっと

今年山形でストライカーコーチをやってる時も選手たちにこの間へのパスを強調し続けた

見てる人はただ当たって入ったぐらいに見えてるだろうけど、

違う。

ジュニは歳をとって体は動かなかったけど、あの形とフォームはあの時のままだった

中村憲剛さんのおかげでホットラインとか呼ばれて多くのゴールを決めたけど、

それ以上にジュニーニョからの左足クロスでかなり多く決めた。

今回も明らかに僕だけがそこを狙ってるぐらいのスピードで飛び出してるのが見てもらえばわかる

そんなジュニに感謝もせず、川崎でのゴール全て俺が決めたい。

と思ってたエゴイスト

挫折を味わった時、ジュニと憲剛さんの顔が常に浮かんだ


引退

そして引退をして、現役の時の精神的な負担から解放され

多くの仕事をいただきながら充実した時間を過ごしてる。

解説に文句を言ってくる人に心を殺されながらも、

自己肯定感が低い自分はもっと勉強してアップデートしなきゃと強迫観念に襲われながらやってる。

常に自信がない。

今のままじゃ次々と引退してくる選手たちにそっこーでこの座を奪われる。
そんな不安を抱きながら解説前に3試合4試合をみる、

試合前にいただく100ページ以上の資料をメモして

林陵平のようにマルチなコメントができるようにならなきゃ明日はないと思いながらやってる。


「未練はない」「精神的に疲弊した」「やめてよかった」
自分の心を押し殺すようにみんなにそう言ってた。

でもやっぱり現役の時の気持ちの起伏

全てをかけて取り組んでうまくいかない時の苦しさ

うまく行った時の安堵と高揚

心の中でずっと憧れてたんだと思う

引退して普段生活をすると自分が選手だったことすらも忘れてしまう。

久しぶりにスタジアムに訪れたら、こんなにも素晴らしい場所で活躍してたのか。。と自ら誇らしくなる。


ずっと後悔してることは、ドイツから韓国に行く時に、川崎に戻らなかったこと。

引退して等々力で挨拶をした時に感じた後悔。

ここでもう一度ゴールを決めてサポーターに飛び込んでいきたい

チャントを聞きたい。



引退した今では叶えることのできない、
満員の前でプレイすること。ゴールすること


常に心の中に、あの時の後悔が巡っていた

(川崎以外での時間もかけがえのないというのはここで強調しておきたい)

そんな後ろ髪を引かれる思いで日々を過ごしながら、訪れた憲剛さんの引退試合

手術したアキレス腱はまだまだ痛いし、やっとジョグできるぐらいになのに

執刀してもらった先生もドクターとして入ってた。

「切れたらまた手術しよう」って冗談で話してた。

手術前は毎日追い込んでたから体の状態は相当良く、
その時にやりたかったけど2ヶ月下半身は全くトレーニングしてない中で

冒頭で述べたようにゴールを決めた瞬間

あの日の記憶が蘇った

あー。なんて素敵な日だ。。。

終わってバイエルン戦の解説をしに高揚感と共に駅からスタジオに向かってる時

神戸の武藤のようにMrs.GreenAppleの「僕のこと」を聴いたら、

そこまで溜まっていた不安やフラストレーション、ゴールの喜びやジュニからのパス、等々力のチャントを聴けた喜び

ネガティブもポジティブも全て混在してた心の中の感情が溢れ出し

まぁ泣きに泣いた

スカパーの敷地内で、人がいないことを確認して

声をあげて泣いた。何度も何度も何分間もずっと大声上げて泣いた。

これほど大声で子供のように泣くのは遡っても記憶がない。

涙腺崩壊とかのレベルじゃない。全ての感情が体の外へと雪崩のように溢れ出していった

これがやりたかった。

ずっとこれがやりたかった。


ハイライトを見たらあの時よりも体がかなりパンプアップしてたけど

決めた後に、耳と目に飛び込んできたあの歓声は

あの頃の青春時代と何も変わらない僕の心を震わせた。

なんて素晴らしい光景だ。

解説をして他人のゴールにあーだこーだ言ってても

心の中ではずっと「俺が出て決めたい」と思ってる。

その願いを叶えられた最高の経験となった。

終わって韓国にいる娘が「テーセーゲットゴールー🎵」ってヴォイスメモを送ってくれた。

なんだか現役の時みたいだった。

憲剛さん。ジュニーニョ。関わってくれたみんな

本当にありがとう。


さらに夜にもご褒美をもらえた。

とにかく自信がない。解説をやっててもこんなんじゃダメだといつもできるベストを尽くしてる。

現象に対して解説するのではなく、もっと俯瞰した戦術的なことが喋れなきゃ未来はないと思いながら、A級ライセンスで学んだサッカーの見方なんかをかなり意識しながら今年はしゃべってる。

徹夜で朝5時からマドリーの試合を桑原学さんと解説して、終わって

「大世くん最近解説すごく良くなったよね」
と褒めてもらえた、戦術的なことも話せるようになったし、どこに穴がやズレが生まれるかを指摘できるようになったことを褒めてもらえた。

解説の辛いところは勝ち負けがなく、批判がやたら目に入ってくること
「チョンテセだったからそっこ他局に逃げた」「解説やめろ」とか
ネガティブで自信がない状態の自分にはかなりそういう言葉が心に染み込んでくる。

そんなことは俺が1番わかってる。
だからアップデートするために努力してる。
って自分に言い聞かせながらやってる。

涙腺が緩んでる状態だったからまた涙出そうなぐらい嬉しかったけど流石にここでは堪えた。

このタイミングで褒めてくれた桑原さん本当にありがとうございます。


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