本当にいいと思うものが商品にできるとは限らないジレンマについて

前回の投稿から、あーっという間に10日ほど。あぶないあぶない、ここでちょっとでも書かないと続かないのは、過去の経験からわかっているので、今回は内面というより、今、私がかかわっている、カンボジアの旅行事業について、ちょっと考えてみた。

何でもアリな立ち位置ならではの難しさ

まずは、自分のことについて。今の部署は、カンボジアの現地旅行代理店のメディア事業部を独立させた関連会社、ということになっている。
自分たちの受注した仕事がメインだが、まぁ、旅行事業部スタッフが不得意な資料作成やパンフレット制作も請け負えるし、なんならツアーの企画もしちゃってOK。自社に関連する事なら何でもアリである。

もちろん、収益がないとただ遊んでいるようなものなので、そこはシビアだけど。ただ、何でもアリということは、何かが専門というわけではないということでもある。やれちゃうけど、そこは旅行事業部がウンと言わないと、どんなツアー企画も通らないし、売ってもらえない…ジレンマ~ということになる。

在住者に聞くカンボジアのおススメには、アンコールワットが入らない!?

前述の自分が商品企画する際のジレンマは、日本サイドと現地サイドの、カンボジアのコンテンツの捉え方にもある。

雑誌の企画でよく出てくるのが、在住者のおススメ。ネットで探してもどんな国でも、この情報は必ず出てくるだろう。

対して、旅行会社が提供する商品にここが含まれるかは国によって違うだろう。カンボジアで言うと、旅行のパッケージ商品に必ず入るのは、もちろん世界遺産アンコールワット。トリップアドバイザーでも行くべき観光スポットに必ず上位にランクインする、カンボジアを代表する場所だ。

ただ、在住者のおススメには、このアンコールワットはほとんど入らない。みんな知っているのもそうだが、リピートしずらい場所でもあるからだと、私は思っている。
遺跡マニアの人にとっては、この広大な遺跡群は発見の宝庫かもしれないが、ちょっと見てみようぐらいだと、暑さと広大さと似たような風景に疲弊してしまうのだ。

かくして、在住者のおススメは、居心地のいい田舎の風景だったり、植民地時代の建物を使ったお洒落なレストランだったり、マイナーな地方だったりするのだが、こういった場所に行けるパッケージツアーは皆無だ。

この場所に行くには、全て自分で手配するか、現地の親しい友人にお願いするか…、方法は狭まる。

本当にいいものって何だろう

もちろん、雑誌で紹介するのは、こういった情報の少ない、個性的で楽しい場所だ。是非とも、商品化したいと四苦八苦するのだが、そこは、日本のおもてなしを基準にしたハイレベルのサービス要求と必要施設に阻まれて、うまくいくことは少ない。

だが、絶対楽しいのに~!ニッチでもいいから、こういうのが好きな人に、ほんのりと届けばいいのに~!と、次号にも、ニッチなホテルを載せまくっている(笑)

本当にいいものは、恐らく、ない。

ただ、これがいいと言ってくれる人がいる限り、もがいて、図太く、カンボジアという国のリピーターを生み出してみたいと思っている。

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次号は、こちらからPDFで閲覧できますよ~。

(30分)

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