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コーヒーミルクってナンダ?
喫茶店でコーヒーを注文すると、「ミルク」として付いてくる「コーヒーミルク」。
「これって“牛乳”じゃないよね?」「体に悪そう……」そんなイメージを持っている人もいるのでは?
そもそも、中身は何なの? いつから使われるようになったの?
日常的に目にする「コーヒーミルク」のナンダ、調べてみました。
そもそも:どこでも手軽にコーヒーにミルクを入れたい! から誕生
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(photo by AC部)
「コーヒーミルク」以外にも、「ポーションミルク」「コーヒーフレッシュ」「コーヒークリーム」などと呼ばれる、この小さなカップ入りの「ミルク」。関東では「コーヒーミルク」など「ミルク」で呼ぶのが一般的なのに対し、関西では「フレッシュ」という呼び方が広まっているようです。
日本でこのコーヒーミルクが最初に登場したのは、1970年代のこと。1960〜70年代にかけて喫茶店ブームが巻き起こり、全国に多くの喫茶店が開店。お店でコーヒーを飲むことが圧倒的に増えたことで、コーヒーミルクが広く使われるようになっていきます。
コーヒーに加えるミルクといえば牛乳や生クリームが一般的ですが、このコーヒーミルク、発売当初から主原料は「植物性油脂」です。現在、多くのコーヒーミルクはひまわり油や菜種油といった植物性油脂や乳たんぱくなどを「乳化剤」と呼ばれるものでミルク状にし、ミルク風味の香料やPH調整剤などを加えて作っています。こういった製品は、正確には「植物油脂クリーミング食品」と呼ばれます。安価に生産できる、保存性に優れているという理由に加え、「乳脂肪成分を主原料にしたのものは熱い液体に溶けづらい」という発売当時の技術的な理由もあったようです。
現在は技術の進歩により、全てのコーヒーミルクが植物性油脂で作られているわけではありません。メーカーによっては植物性油脂に乳脂肪を加えていたり、植物性油脂を使わず、乳脂肪のみで作られているコーヒーミルクも存在します。
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ただし、乳脂肪のみで作られているコーヒーミルクの場合、基本的には「要冷蔵」で賞味期限も短く設定されているものが多いようです。購入する際には保存方法と賞味期限を確認して、適切に保存したいものですね。
つまり:「牛乳」ではないけれど、逆にメリットもある!
コーヒーに牛乳や生クリームなどを加える理由はいくつかありますが、「味をまろやかにする」というのが主な目的です。ミルク無しではコーヒーを飲めない! という人も多いのではないでしょうか?
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しかし、牛乳や生クリームなどの乳製品は腐敗しやすいため、保存性がネック。一方、植物性油脂を主原料としたコーヒーミルクは腐敗しにくく、多くの商品が常温保存可能です。コーヒーに入れるためだけに買った牛乳や生クリームを使い切れず腐らせてしまう……ということがなくなる、これは嬉しいですよね。
コーヒーミルクには、植物性油脂だからこその利点が保存性以外にもあります。1つは「コーヒー自体の風味をあまり損なわずに、味をまろやかにすることができる」という点。また、「牛乳を飲むとお腹がゆるくなってしまう」という「乳糖不耐症」の人もいると思いますが、植物性油脂を使ったコーヒーミルクの多くには、乳糖が含まれていません。そのため、安心してミルク入りのコーヒーを飲むことができる。これは大きなメリットではないでしょうか?
ちなみに:「体に悪い」というイメージだけれど、少量なら問題なし!?
冒頭でもお話ししたように、「コーヒーミルク=体に悪い」という印象を持っている人もいるかもしれません。
これは、1990年代の後半から雑誌や書籍などで「食品添加物の害」を訴える記事が広まったため。市販の食品の成分表を見ると必ず表記されている食品添加物ですが、コーヒーミルクにも乳化剤、増粘多糖類、pH調整剤などが使われています。
この中で、「悪玉」としてよく名前が挙がるのが乳化剤。確かに一部の乳化剤では発がん性などが指摘されたようですが、実際のところ、コーヒーミルクに含まれている程度の量では問題ないようです。
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植物性油脂由来のコーヒーミルクに含まれる「トランス脂肪酸」もよく問題にされるものの1つ。トランス脂肪酸は植物油を加工する段階で発生するもので、過剰摂取により心筋梗塞などの冠動脈疾患が増加する可能性が高いといわれています。そのため、アメリカやカナダでは2018年より食品への使用が規制されました。
しかし、アメリカなど欧米ではトランス脂肪酸を多く含む食品が圧倒的に多い食生活であるという事情があり、日本人の食生活では特に規制は不要という結論に。少量しか使わないコーヒーミルクの場合、心配するほどの影響はないでしょう。健康志向のユーザーのために「トランス脂肪酸0」をうたうコーヒーミルクも販売されているようですよ。
とても身近な存在でありながら、意外と知らないことが多い「コーヒーミルク」。見かけたら、パッケージをよく読んでみると面白いかもしれませんよ。コーヒータイムのおともに、ぜひ。
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