CO2の削減目標は2013年度比

先日、気候変動サミットにおいて日本政府は温暖化ガスの排出量を2030年度までに2013年度比で46%減らす『削減目標』を発表しました。
マスコミ各社は46%という数字が、達成の難しいかなり挑戦的な数字だとか「できるはずのない数字を発表した」とか「環境省に一歩譲った」などなど、さまざまな意見が飛び交いはしていたのですが、残念ながら「2013年度比」の事を説明している事がなかったので、少し調べてみました。
というのも、2013年というのは東日本大震災の後、原発が止まりほぼほぼ火力発電の電気を使っていたのでCO2の排出は多いはずです。

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やはり、予想通り2013年はCO2の排出量が一番多い年でした。
ということは。。。。昨年、2019年をみてみるとすでに14%の削減となっています。そもそも日本は2020年3月、2030年までにGHG排出量26%削減(2013年比)」との内容を国別削減目標へ提出していましたので、確かに20%上乗せという前向きな数字ではありますが、すでに7年で14%削減を達成していますので、あと9年で32%の削減という数字がそれほど大きなものなのかは疑問符をつけざるをいません。

そもそも何故、2030年までに温暖化効果ガスを46%削減しなくてはならなのか?
その先には2050年までに排出実質ゼロを目指さなくてはいけません。
というのは、現在、科学者の予測をはるかに上回る勢いで温暖化は進んでおり、
身近なところでもかつてなかったような大型の台風や山火事などが起こっています。すでに気候危機と言わざる状況が目の前にあり、人類にとって一刻の猶予もない課題になっています。
このまま世界的に温室効果ガスの排出が続けば、地球の平均気温は3℃~4℃上昇し、人類の生存が脅かされる危機的な状況となるため、その危機を回避するために気温上昇を産業革命前から2℃を十分下回り、1.5℃に抑制することに努力するとしたのがパリ協定です。

しかしながら、温暖化に対して疑問を投げかける意見もよく聞かれ、恐怖感を煽って経済発展にブレーキをかけているとか、陰謀説などなどさまざまな情報が飛び交ってはいますが、元々は気候変動に関する政府間パネル(IPCC)から出されており、一国の一部の科学者が出したものではありません。
信用するかしないかは個人の判断にまかせるとして、現在、一番信用のおける科学的根拠に基づくレポートであることは間違いがありません。

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夏の暑い時期にエアコンの設定温度を4度上げてみてください。
エアコンをつけているとはいえ、普通に部屋で過ごすことは難しいと思います。
このまま何もしない(温暖化に対する対策)ままだと2100年には最悪のシナリオでは4.8°上昇すると予想されています。

削減目標が多いか少ないかとは別に、私たちはすでに「待ったなし」の状況であるという事を知っておかなくてはなりません。


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