39歳の富士登山体験記-マインドフルネス登山-
この記事は、四季の旅ツアーによる富士登山体験を詳細に描写しています。新宿からの出発、五合目での準備、登山の過程、山小屋での宿泊、ご来光と山頂でのお鉢巡り、下山、そして温泉でのリフレッシュまでの一連の流れを紹介しています。高山病や環境保護への配慮、登山中の困難や感動的な瞬間など、富士登山の多様な側面を生き生きと伝えています。
富士登山:四季の旅ツアーでの体験記
出発と五合目までの道のり
富士登山の冒険は、新宿都庁前バス停から始まります。朝7時30分に集合し、7時45分に出発するこのツアーには、登山ガイド1人と添乗員1人が同行します。これにより、初心者でも安心して参加できる環境が整っています。バスは五合目に到着し、ここで各自昼食を取り、登山の準備を整えます。五合目には興味深い見どころがあります。天狗とイワナガヒメノミコトが祀られている神社があり、参拝して御朱印をいただくことができます。この神社は富士山の歴史と文化を感じられる貴重なスポットです。正午前には20分程度の横殴りのスコールがありました。富士山の天候は変わりやすく、このような突然の天候変化は珍しくありません。しかし、正午には再集合して登山を開始することができました。
登山開始:六合目から八合目へ
登山は六合目を目指して進みます。六合目では1000円の寄付をすると木製のキーホルダーがもらえるという興味深い取り組みがあり、多くの登山者が寄付をしていました。これは環境保護や登山道の整備に役立てられる重要な取り組みです。七合目までは高山病の心配はなく、比較的順調に進みます。しかし、七合目から八合目の間の道のりは厳しくなります。この区間には7箇所ほどの山小屋があり、ここで休憩や宿泊が可能です。八合目までの道のりは約6時間かけてゆっくりと進みますが、足場はあまり良くなく、慎重に歩く必要があります。
八合目での宿泊と高山病
八合目の標高3200mにある山小屋「白雲荘」に到着し、ここで夕食と仮眠を取ります。しかし、この高度では高山病が発生しやすく、夕食後の仮眠中に鈍い頭痛がしました。これは高山病の典型的な症状の一つです。ガイドから教わった呼吸法を実践し、息を長く吐きながら呼吸を整えることで症状の緩和を試みました。このような対処法は高山病対策として重要です。山小屋での生活には独特の注意点があります。歯磨き粉の使用は環境保護のため禁止されており、歯磨き粉なしで歯を磨く必要があります。また、山小屋のトイレは最初の200円だけ支払い、その後は自由に利用できますが、水がないため手は洗えません。これらの制約は、富士山の環境を守るための重要な取り組みの一部です。宿泊は二段ベッドで、女性の隣は女性になるように配慮されていました。一人ずつ布団と寝袋、枕が用意されており、快適に過ごせるよう工夫されています。八合目ではすっかり寒くなっていたので、防寒対策を最高レベルにしておくことが重要です。
山頂を目指して
夜中1:15分に再集合し、登頂を目指して登山を再開します。ここからは岩場が続き、混雑もあるためゆっくり進みます。歩いていると頭痛が和らぐという経験をしました。これは軽い運動が高山病の症状を緩和する効果があることを示しています。4時過ぎに山頂の山小屋に到着し、ご来光を待ちながら休憩します。ここでは一人1品オーダーする必要があり、約3分の1の人が豚汁を注文し、残りはココア、味噌汁、カップラーメンなどを頼む人が多かったです。温かい食べ物や飲み物は、寒さと疲労を和らげる重要な役割を果たします。
お鉢巡りとご来光
ご来光後、オプションのお鉢巡りに参加することができます。23人中16人が参加し、リュックとストックは置いて、ビニール袋に水、ご朱印帳、財布、スマホだけを入れて出発しました。お鉢巡りは強風と寒さの中で進みます。ご来光を見ながら進むと虹が現れ、霧雨や雲がかかるなど、刻々と変化する富士山の表情を楽しむことができます。30分程度歩いた後、浅間神社奥宮に到着し、御朱印をいただきました。ここは浅間神社1300社の総本山であり、静岡県の所有とのことです。さらに山頂3776mの地点を目指しますが、頂上の石碑には多くの人が並んでおり、30分待ちの列になっています。寒さのため、山頂石碑と違うポイントで撮影してお鉢巡りを続行しました。約1時間半歩いて山小屋へ戻り、甘酒をいただいて下山の準備をします。
下山の苦労と達成感
朝8時ごろから下山を開始し、9時30分には七合目のトイレスポットまで降りることができました。しかし、登山時より足先にかなりの負担がかかり、痛みを感じます。同行者の中には、くるぶしが擦れてあざができたり、膝を悪くしたりする人もいました。七合目からは馬での下山も可能ですが、4万円程度の費用がかかります。この時点で、動けなくなる人の気持ちが理解できるほどの疲労を感じます。11時前には五合目まで戻ることができましたが、到着すると急に疲労が押し寄せ、これ以上足が上がらないほどの疲れを感じました。休憩所「見晴らし」2階で登山前と同じ富士山そばをいただき、無事に戻ってこられたことに感謝しながら、アクエリアスを大量に飲みました。ここでようやく、トイレを気にせずに水分補給ができる喜びを感じます。
温泉でのリフレッシュと帰路
五合目からバスで40分移動し、ふじやま温泉に向かいます。サウナもあり、ここで約30時間ぶりに手を洗い、温泉で疲れを癒すことができました。豊富なお湯に浸かりながら、登山の苦労と達成感を振り返る時間は格別です。予定より早く17時過ぎには新宿西口に戻り、無事に富士登山を終えることができました。右足、左足と交互に足を出せば、どうやって登ったのかわからないほど大きな山も登頂できるという実感を得ました。
最後に
この富士登山体験は、39歳の私にとって、生まれ変わるような素晴らしい思い出となりました。瞑想のような登山経験を通じて、心身ともにリフレッシュし、自然の偉大さと自身の可能性を再確認する機会となりました。富士登山は確かに体力と準備が必要ですが、その達成感と美しい景色は一生の思い出になります。高山病や天候の変化、環境保護への配慮など、様々な課題に直面しながらも、仲間と協力して頂上を目指す過程は、人生の縮図のようでもあります。この体験を通じて、参加者たちは自然の美しさと厳しさ、人間の限界と可能性、そして仲間との絆の大切さを学びました。富士登山は単なる山登りではなく、日本の文化と自然を体感し、自己を見つめ直す貴重な機会となったのです。四季の旅ツアーによる富士登山は、安全性と充実した体験を両立させ、参加者に忘れられない思い出を提供しています。この記事を読んだ多くの人々が、富士登山に挑戦する勇気と意欲を持つきっかけになることでしょう。