見出し画像

深夜だし164さん初期の名曲を振り返る(その2)

まとめると「ジーニーは良いぞ」という記事です。
綾間テルヨシです。

前回↓の続きです。今日は健康的な時間に書きます。
振り返るとか言ったのに3曲紹介した所で力尽きたので今日は頑張る。


・sleeping beauty/164 feat.初音ミク

http://www.nicovideo.jp/watch/sm5449467

164さん3作目です。歴史を感じる音圧の低さなので聴く時は音量のツマミを普段よりブチ上げて下さい。すんごい静かに始まります。しかし1作目のshiningrayで「この静けさの裏には何かある……」と訓練された僕達は来るその時に備えてヘッドホンにしがみつきます。後は流れるように叫ぶミクに任せるだけです。


・heavenly blue/164 feat.初音ミク

http://www.nicovideo.jp/watch/sm7037889

164さん6作目です。この曲の1作前から音圧が上がるので音量のツマミを戻しておいて下さい。エモいギターサウンドとかメチャクチャ音質上がってるし、Bメロのリフとかシンプルで耳に残るのに、サラッとサビがキャッチーに超えていきます。でもこの曲で、いやこの曲に限らないんだけど一番聴いてほしいのはミクの声です。

すっごく「苦しそう」じゃないですか?

164さん、今までの曲もこういう調教はされてたんです。特にunused impulseのサビとかでかなり高音域まで使うので、自然と辛そうな印象は受けていたのですが、この曲のサビは初期曲の中では低めです。なのにこんなに辛そう。そしてその歌い方が僕の心を掴んで離してくれない。一緒にどこか遠くへ逃げよう。あの夕日に向かって走るんだ。


・1st music/164 feat.初音ミク

http://www.nicovideo.jp/watch/sm8359346

僕の中で「この曲をもっと皆に知ってほしいランキング in 164」第1位の曲です。そしてEXIT TUNESから出た最初のアルバム、「THE COMPLETE BEST OF 164」のリードトラックでもあります。本記事のヘッダーはこの曲からキャプチャしました。

この曲で164さんは「再出発」してくれたのだと僕は解釈しています。shiningrayで注目を集めた164さんでしたが、それを超えるヒット作がなかなか出ずに、当時は一発屋だと揶揄するような輩まで居ました。それでもコンスタントにミクの曲を出し続け、ついにこの1st musicで「ハジメマシテ」と言ってくれたのです。やったぜヒロシ!!!俺達のヒロシがカマしてくれた!!
(*当時の記憶を頼りに書いているので事実の誤認があるかもしれません、ボカロベテランの方はコッソリ僕を叱って下さい)

曲タイトルの通り、自分が初投稿の時の心情を曲にしたものです。
(初音ミクwiki 1st music より)

1st musicの歌詞は、164さんとミクが向き合う様子を描いています。

「まっ逆さま僕の一歩は ひとりぼっちさ」

1番のBメロの歌詞です。一人で曲を作り、動画として投稿する孤独感。誰にも評価されないかもしれない。見向きもされないかもしれない。それでも胸に刺さった色を表現し続けたい。眩しい場所に生きたい。そのために、たとえひとりぼっちだとしても、一歩進むんだ。

そして、164さんは実のところひとりではありませんでした。白黒を纏った少女、初音ミクがいたのです。164さんの「203 soundworks」は164と言う数字にミクの「39」を足したものです。今でこそ他のVOCALOIDも使いこなす164さんですが、始まりはミクと共にあったことをこの曲と一緒に知ってもらいたいです。

なんか感極まってぐちゃぐちゃ書いたけど要するに聴けってことだよ!!今のボカロから聴き始めた人でも絶対気にいると思うよ。たぶん。


・lost/164 feat.初音ミク

http://www.nicovideo.jp/watch/sm8555358

わがままを撒き散らす子供みたいな歌詞が好き。僕とにかくキャッチーでメロディラインのわかりやすいサビが好きなんですよね。多分今のニコニコ動画とかで話題になる音楽って「普通じゃない」とか「意外性のある」みたいな修飾ができる作品が多い気がするんですけど、こういうごく自然なメロディからありったけのパワーで殴るみたいな曲、最高です。勿論意外性のある曲も好きです。


・good bye monochrome/164 feat.初音ミク

http://www.nicovideo.jp/watch/sm8974129

グッバイモノクローム、
ハロー、ワールド。
(投稿者コメントより)

164さんの最初のアルバム、「THE COMPLETE BEST OF 164」は1st musicに始まり、このgood bye monochromeで幕を閉じます。最後の締めくくりに相応しい開放感のある曲です。でもこの曲は終わりの曲じゃなくて、164さんにとってはむしろ始まりの曲だったんじゃないかと思います。

この曲を境に、モノクロだったサムネイルは色をつけ始めます。


・madder sky/164 feat.鏡音リン

http://www.nicovideo.jp/watch/sm9341245

やっとこの曲まで来れた……!

164さんのリン曲。とにかくAメロからじっくり聴いてほしい。そして歌詞を知ってほしい。メロディの美しさだけに捕われていると足元を掬われます。

前の記事でも書いたんですけど、164さんの曲はメロディがキャッチーなのに腕を振り上げるとかそういう感じじゃなくて、例えるなら映画館で最高潮のシーン、観客が息を呑む音すら聞こえなくなるような「落下感」を覚えさせられます。この感覚は文章にすればするほど説明できなくなる気がするので一度落ちてみることをおすすめします。ボクちゃんヒロシは初めて?肩の力抜きなよ


・ボクソラウミキミ/164 feat.初音ミク

http://www.nicovideo.jp/watch/sm10438750

「MEMORY」時代の164さんは最初のアルバムの時と比べて爽やかなサウンドでありながら切なくなるような曲調が増えた気がします。僕的には既にこの頃には天ノ弱クラスの曲を出していると思うのですが再生数が寂しい……。

ちなみに一番好きなのはBメロのメロディです。164さんのBメロは長い階段を一段一段登らされているような感覚に陥ります。その結果突き落とされることの方が多い。


・ジーニー/164 feat.鏡音ルン(リン+レン)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm10922288

ジーニーだ……ついにジーニーまで来たぞ……!

文句なしに164さんで一番好きな曲です。文字がでかいのはそのためです。
この曲は鏡音リンと鏡音レンのいいとこ取りをした新しいボカロ「鏡音ルン」が使われた曲であるとか、BPMが164なんだとかいろいろあるのですが、それよりも曲の内容にドップリ浸かってください。この記事で唯一曲名以外で太字にしました。

いいですか。

もう一度言います。

浸かってください。

沼なんです。madder skyから始まる「MEMORY」時代の164さんは沼。再生ボタンを押したが最後、周りの酸素は薄れ、心臓を動かすのも忘れて沈む。そんな曲を本記事ではピックアップしました。

「MEMORY」時代の曲は聴くと良い意味で閉口してしまうものばかりで上手く説明しようとするとどれも言葉が違う気がする。ここに来て一番紹介したい曲だったのに困ったぞ。

だから

とにかく

浸かってください。


ジーニーは良いぞ。



・極悪人/164 feat.初音ミク

http://www.nicovideo.jp/watch/sm12524231

この記事の最後に紹介する曲となります。

これも「MEMORY」収録だよ?ヤバくない?インフレ大丈夫?と不安になるくらい凄まじい曲です。みんな買おうな。

タイトルは「極悪人」ですが、悪いことって何でしょう。正義って何?全部身勝手な他人が決めた基準。じゃあ自分は?自分は誰が決めてくれるの?そもそもどこにいるの?誰にも認められない自分は、本当に存在しているの?

164さんの楽曲のテーマになっていると僕が思うのは、劣等感、自己承認、孤独感など、言葉にするとチープでネガティブな感情が多いです。

でも前を向いてるんですよね、この方。だからこそ、聴いていて突き落とされるだけじゃなくて、映画館を出た後に「生きてみるか」って気持ちにさせられるんです。もしかしたら164さんは、ミクを含めたVOCALOID達に、前を向く力を貰ったのかもしれません。



以上、長々長々と164さんの初期曲に対する歪んだ愛をぶちまけてみました。


ジーニーは良いぞ。


いいなと思ったら応援しよう!