【仮想通貨】オンチェーン分析 Cryptoquant & @ki_young_ju【onChain Analysis】
仮想通貨市場オンチェーンデータを閲覧できるCryptoquantのCEO キ ヨンジュ(Ki Young Ju)さん のtweetからCryptoquantの使い方を読み解いていきます。
はじめに
記事は全て無料で閲覧可能です。2022年5月現在も編集途中です。
また記事内では「仮想通貨」という言葉を使います。「暗号資産」や「暗号通貨」などよりも大衆的な言い回しだと思っているからです。
ここで紹介させていただく指標に限らず、全ての指標は「可能性」を示すものであって、常に機能するものではありません。複数の指標・ご自身の相場観・テクニカル分析と併せて考察するのが望ましいと思います。
キ ヨンジュさんとCryptoquant
CryptoQuantは、仮想通貨市場の取引に役立つ数々の指標を閲覧できます。無料でも閲覧できますが、会員登録していない場合は閲覧できないものも多いので気になる方は会員登録をお勧めします。
会員登録は無料会員ですが、有料版もあります。私は無料版でがんばっています。追記:有料版登録しました。余裕のある方は有料版を試してみるといいと思います。
キ ヨンジュさんはCryptoquantのCEOであり、既にご存知の方も多いと思いますが、私は以下のtweetを見て注目させていただくようになりました。
このtweetの数時間後?くらいにビットコインは 50,000ドルくらいから30,000ドルくらいまで暴落しました。
この経験から自分でもオンチェーン分析したいなと思い、この記事にまとめながら勉強しようと考え今に至ります。
オンチェーン分析とは
株や為替とは異なり、仮想通貨の取引は全てブロックチェーン上で公開されます。それを集めて分析する手法をオンチェーン分析と呼びます。
基本的には大口機関投資家の動向を読み取るのに使うものだと私は認識していて、株や為替同様(為替は実需もあるので違う場面も多いかもしれないけど)に仮想通貨でも価格を大きく動かすのは大口機関投資家(仮想通貨の世界ではクジラと呼ばれます)です。なのでオンチェーンデータから大口機関投資家が買いそうだと思ったら強気にトレードして、大口機関投資家が売りそうな場合はリスクを抑えるようにポジションを調整するなど、先回りした行動をできるようになると考えます。
早速キさん(ヨンジュ?さん)のtweetからオンチェーン分析をどのようにするのかまとめていきたいと思います。最初は基本編と自分で思うものを中心に取り上げていきます。応用編はブログにでも書くかもしれません
All Exchanges Reserve
The amount held in all exchanges' wallets.
取引所にあるBTCの総額を示す指標
https://cryptoquant.com/overview/full/247?window=day
このtweetからは All Exchanges Reserve が上昇すると価格は停滞もしくは下落すると読み取ることができます。
誰かがBTCを購入して、それを長く保有するときは自分のwalletに入れるのではないか。逆にBTCを手放そうとするときは自分のwalletからBTCを取引所に送るのではないか。このように考えてみると、取引所の保有するBTCが増えると売り圧力が高くなる可能性があり、価格の停滞や下落が発生するということだと思います。
「All Exchanges Reserveは減り続けている」
このtweetだけだと何を言いたいか分からないと思います。このtweetの前の発言は↓です。
BTCは依然として買い圧力がある。今年の初めと比べて取引所は多くのstablecoinsを保有している。BTC強気トレンドはまだまだ続くと思います。 (注: BTC以外の購入のためのstablecoinsかもしれません)
この後に「All Exchanges Reserveも減り続けているからね」という内容なので、やはり以下のことが言えると思います。
All Exchanges Reserveが上昇 = 価格の停滞 or 下落
All Exchanges Reserveが下降 = 価格の上昇
ただチャートをみると必ずしもそうではないので、複合的にみる必要はありそうです。
All Exchanges Netflow
The difference between BTC flowing into and out of all exchanges' wallets.
取引所に流入(Inflow)するBTC・取引所から流出(Outflow)するBTCの差額
Netflow = Inflow - Outflow なので
Netflow がプラスの時は Inflow > Outflow で、取引所に流入するBTCの方が多い。つまりBTCが売られやすく下落しやすい。
Netflow がマイナスの時は Inflow < Outflow で、取引所から流出するBTCの方が多い。つまりBTCはHOLDされる傾向にあり、価格上昇が見込まれる。
という解釈になると思います。
https://cryptoquant.com/overview/full/474?window=day
tweetではNetflowの30日移動平均が使われていますが、有料会員じゃないと使えないかもしれません。
「BTCのAll Exchanges Netflow(MA30)は今年の最低水準に達しました。多くの場合ブルラン開始時には、取引所のネットフローはマイナスを維持する傾向にあります。 2017年のブルランも同じだったと思います。」
つまりAll Exchanges Netflowの値が低ければ低いほど価格上昇が見込まれるということでしょう。もう一つのtweetも見てみます
「私はExchanges Netflowがマイナスのままである限りBTCは止まらないと思います」
Exchanges Netflow < 0 で強気相場と判断
Exchanges Netflow > 0 で弱気相場と判断
と解釈できます。絶対値が大きければ大きいほどその傾向が強い感じかな?
Exchange Whale Ratio (72h MA)
取引所への合計流入額に対する上位保有10件の流入取引の割合を示しています。EWRと略して言及されている場面もありました。
Exchange Whale Ratioは強気相場か、弱気相場かを判断するのに役立つ場合があるとのことです。
85%を下回っている時は強気相場である可能性があり、85-90%の範囲である場合は弱気相場、もしくは偽の強気相場である可能性が高いとのこと。
なぜこのような解釈になるのかを考えてみると、取引所におけるクジラの割合が低ければそのクジラはwalletなどで保有しているBTCなどを眠らせており、価格に大きな影響を与える売りが入る可能性が低くなるので、比較的安心してロングを保有できる。逆に取引所におけるクジラの割合が高いということは、クジラがいつでも売る準備ができており、暴落の危険性があるということだと思います。
こちらのtweetでは「偽の強気相場」である可能性に言及されています。
tweetの画像をみると価格は上昇しているけれども、EWRは8ヶ月ぶりの高値を記録していて、90%近い数値になっています。本当の強気相場であれば、85%未満になるはずですが、そうならない場合はブルトラップとなる可能性があるとのことです。まとめると
EWRが85%未満は強気相場
EWRが85%以上である場合は弱気相場、もしくは偽の強気相場
このように言えると思います。
All Exchanges Inflow Mean(144-block MA)
全ての取引所に預け入れられた量の平均値を示します。All Exchanges Inflow Mean(24h MA) も同じようです。
tweetでは「All Exchanges Inflow Mean (すべての取引所への流入平均)が危険ゾーンに入り始めました。 この値が2BTCを超えるとクジラが取引所にしてBTCを送っていることを示します。いつBTCが売られるか注目することをお勧めします。」と記載があります。
言葉通りですが、All Exchanges Inflow Meanの値が2以上になるとクジラが売る準備をしている可能性があり、急落の危険性があるということです。
「もし価格が上昇しAll Exchanges Inflow Mean(144-block MA)の値が2以上になった場合は、価格は停滞するか下落する可能性があります」
とのこと。このtweetの付け加えて、この指標が効かないパターンについても説明がありました。
「この指標はオンチェーン上でのクジラ動きを確認しているだけなので、機関投資家によるinflowがある場合はうまく機能しません。機関投資家の購入はクジラによるdumpingを無効化にします。」
とのことです。機関投資家によるinflowが分かる指標があれば併せて見ておきたいところです(そのような指標が後日追記します)
2021年6月20日以降のチャートでも確認してみました。
All Exchanges Inflow Meanの山の頂点を過ぎたあたりから下落が始まっている箇所があることが分かります。
All Exchanges Inflow Mean(144-block MA)が2以上になると急落の危険性が高まる
ということが言えると思います。
All Miners to All Exchanges Transaction Count
マイナーから取引所へのトランザクション数を示す値です。
「BTCが34kとなったところからマイナーが売っているようです。All Miners to All Exchanges Transaction Countが今年の最高値に達しました。」
マイナーは「 OG whales(古き良きクジラ)」と呼ばれていて、定期的に一定量のコインを取引所に送りますが、送る量が増えた時には売り圧になる可能性があるようです。
All Miners' Outflows
マイニングウォレットからのその他のウォレットへの転送量を示します。All Miners' Outflowsの数値が異常に高い場合、マイナーが取引所やOTC市場を通して売却を検討している可能性が高く、価格の下落につながりやすいようです。
ある方のAll Miners' Outflowsの分析tweetに対して「正確な分析です。All Miners' Outflowsを見てショートできた皆さんおめでとうございます」とのこと。
All Miners' Outflowsの数値が高くなった場合は下落に備えておくのが良さそうです。
このtweetでは「オンチェーン指標を見ると"買い"です。」という強気の理由の一つに「マイナーが売っていないこと(All Miners' OutflowsとMPIに基づく)」が挙げられています。(MPIについては次の項目で解説しています)
これらのことから
All Miners' Outflowsの数値が高い場合は弱気
All Miners' Outflowsの数値が低い場合は強気
と言えると思います。個人的には上で紹介した「All Miners to All Exchanges Transaction Count」よりも精度が高いと感じたのでよく観察している指標の一つで、数値が低い場合でも「強気」とは捉えずに、高い場合のみ警戒するようにしています。
MPI (30-day MA)
Miners' Position Indexの略で、マイナーのoutflowを1年間移動平均で割った値です。この値は昨年と比較してマイナーがどの程度コインを引き出したかを示していて、値が大きい = 昨年と比較してより多くを引き出していると判断でき、売り圧になる可能性があるといえます。
「マイナーが売っていますがそれほどの数ではありません。MPIは上昇していますが、2よりも低い数値を保っています。長期的には"買い"です」とのこと。公式サイトでは「MPIが2.5を超えるとローカルトップ、もしくはグローバルトップになる可能性が高い」という記載がありました。これらからMPIが上昇中で、かつ2未満の場合は強気なトレードが可能であると言えると思います。
2019年以降のチャートを確認してみました。黄色がMPIが2を超えた箇所。赤が2.5を超えた箇所になります。
以下のtweetではMPIがよく機能する状況、機能しない状況についての説明がありました。
「マイナーが価格を動かしている場合、次のブルランはすぐに始まるはずです。MPIは株式市場などのマクロ要因が重要でない場合に、強気相場/弱気相場を予測する際のヒット率が非常に高くなります。」
世界経済全体に影響を与えるような重要なファンダメンタルズで市場で動いている場合は、MPIが上手く機能しない可能性が高いようです。今現在(2021年7月)のコロナ相場もかつてない金融緩和が原因だと思うので、上手く機能しないことが多いかもしれません。
このtweetでは、MPIが上手く機能しないような要因がある場合は「プランB」のようにMPIが上昇に転じても、値が2に到達することなく折れてしまい、上昇にはつながらない可能性があると指摘されています。
MPIが2を超えると下落につながる可能性が高いので注意が必要
MPIが上昇中で、かつ2未満の場合は強気なトレードが可能だが、株式市場など主導で動いている場合は機能しない可能性がある
ということが言えると思います。
今後もさらに追記予定です。よろしくお願いします!
NVT Golden cross
追記予定
MVRV
追記予定
Puell Multiple
追記予定
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