15年での1000倍以上のリターン!?VIX先物インバースETFで爆益を生み出すストラテジー (Pythonコード付き)
VIX先物は、強いコンタンゴのため、基本的にはショートをすると利益がでる、という話を前回しました。しかも、VIX先物のコンタンゴの性質は、数学的なものです。これはSP500が将来上げ続けるという、ただのアノマリとは全く違うものです。このような美しい手法が、なぜ使われないのでしょうか?これは、VIX先物のボラがあまりにも大きいので、たまにあるVIXの暴騰ですべてが帳消しになってしまうからです。考えてみれば当然であり、相場は「単にVIXをショートすれば儲かる」ということはできないようになっているのです。
ここでは、SVIXやSVXYといったVIX先物インバースETFのみを使用し、2007年末からのバックテストでは約600倍のリターン(同期間の配当を再投資したSP500のリターンは5.3倍)、最大ドローダウン58%(同期間のSP500の最大ドローダウンは55.2%)、という驚異の数字を叩き出した、非常に単純明快で納得のできるストラテジーを紹介します。さらに、VIXショートをしない指標のときには、逆にVIX中期先物ETFであるVIXMをロングすることにより、バックテストのリターンが約1000倍になる事がわかりました。特にリーマンショック前後の付近での上げが顕著なので、今後株価が回復するなら大きな期待がも出てると思われます。また、戦略を作った2022年よりもあとに起こった2024年8月5日のVIX大暴騰も回避することに成功し、戦略が過去の過学習ではないことを示したと思います。
まず、VIX先物の解説に関しては、こちらを参考にしてください。無料部分で充分だと思います。
VIX先物ショートでの問題は、基本的にほとんどの期間でVIX先物は下げるのですが、ごくたまにある株の暴落で、先物が何倍にも暴騰してしまうことです。VIX先物ショートをしてくれるETFであるSVXYは、例えば一夜にして財産の95%を失うことがあったのです。この後SVXYのレバレッジは―1倍から―0.5倍に変更されました。この暴落までは、VIX先物は打ち出の小槌と考えられていて、大きな人気がありました。実はVIX先物は、レバレッジETFの人気が出すぎたために相場が壊れてしまったのです(そのうち記事を書きます)。おそらくこのような暴落はしばらくないと考えられるのは、もうVIX先物ショートは人気がなく、ほそぼそと運営しているだけだからです。ただ一夜で賭け金が全部なくなる可能性もある危険な手法であることは十分理解してVIXショートを楽しんでいただければとおもいます。
しかし、このような打ち出の小槌をみすみすと逃す手はありません。なにかいい手があるのではないでしょうか。ここではボラを定量する方法を使った非常に単純な戦略を紹介します。簡単なバックテストでは、2008年からのリターンが600倍くらいはいくようです。面白そうですね!
もちろんバックテストで良かったからと言って大きな金額をかけるのはやめたほうがいいと思います。この方法で、次の暴落が本当に避けられるかは全く分かりませんからね。
2024年9月1日、Pythonコードを公開しました。ツイッターによるシグナルの自動配信も、できる限りつづけていきます。自動配信が落ちた日には、Pythonを走らせて確認してください。
戦略の詳細を説明する前に結果をまず見てみましょう。SVIXのたまにある大暴落による悲惨なチャートと、戦略を使ったときを比べてみてください!
2007年12月26日ー2024年9月10日
ETF設定前のデータは市場データからのシミュレーションです。
戦略を使った場合
SVIXリターン 612倍 ドローダウン(DD) = 51.9%
SVXYリターン 43.5倍 DD = 26.5%
VIXM+SVIXリターン 1341倍 DD =61.0%
Buy&Holdの場合
SVIXリターン 0.12倍 DD = 99.2%
SVXYリターン 3.37倍 DD = 71.6%
SPYリターン 5.34倍 DD = 55.2%
SPXLリターン 15.4倍 DD = 97.5%
インディケータの概要とバックテスト
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