がんをめぐる冒険(65)脱毛からの発毛②発毛マシンとの出会い
髪が伸びるのを耐え忍び、ひたすら待ち続けて4月カ月ぐらいになると、残った毛が生え変わるのか、ますます薄くなってきました。オデコの前髪もチョロっとしかなくなり、そろそろ前髪ウィッグをつけるしかないか、と思っていた矢先、衝撃の出会いがありました。
近赤外線を操るたまちゃん先生を紹介されたのです。銀座のクリニックを開業するにあたり、引き抜かれてきたゴッドハンドで、三重で自分のサロンを2軒経営している方でした。
「髪も生えますよ。いちのお客さんのおじいちゃんでも毛が生えてますから、よろしかったら一度どうぞ」
と言われて、翌週に体験に伺いました。
銀座のクリニックの中にある先生のサロンは新しく、応接室からは銀座の街が見下ろせて素敵。エステサロンらしく上品な空間。紙パン&紙ブラに着替えて寝台に上り、仰向けになります。
近赤外線マシンは以前流行ったドクターエア的なガン型の振動ぶるぶるマシン。
まず手足など末端部分をほぐします。肩もあちこち凝っていて、手術から3カ月以上経っているのにいろんなところにこわばりがありました。
特にこめかみ、アゴの噛みしめなど気が付かない緊張があり、振動マシンをあてると緊張がすごい。そして、ハゲている頭頂部や生え際をグイグイグイーと押され、
「アザになるかもしれないけど大丈夫ですか?」
と言われましたが、どうせ帽子かぶっているしかないので、中で色が変わっていようがどうでもいい。その程度で髪が生えるならなんでもいいです、の気持ちで、「大丈夫です!」と答えました。
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