がんをめぐる冒険(20)更年期障害発動??

入院してから、みんなが心配してLINEをくれます。
 中でも的確な意見をくれるのは、剣道部の後輩・ウチの大門未知子。
 手術の翌日、
「寝てると痛くて、椅子に座ってるほうが落ち着くんだけど
どうも腹部のほうが押すと痛いんだぁ。
熱も上がってきたんだけど、感染症の可能性あるかな?」
 と質問したら、
「そんなにすぐに感染ってことは、可能性は低いのではないかと。
 術後の構成代点滴もしていますよね。
 体を伸ばすといじったところがつれるんじゃないですか?」
「なるほど!」
「横向きで丸まっても痛いですか?」
「椅子で頬杖ついているのが楽」
「切っているので痛くて当たり前と言えば当たり前ですね。ロキソニンとか飲めるだけ飲んだらどうでしょう?」
「じゃ痛み止めもらうかなぁ」
「熱は侵襲に対する反応性でも出るので、解熱鎮痛剤を使ってもいいと思います」
 手術で体内がバランスとっているのね。薬のんでもいいのかー。
 入院すると、教授のアシスタント業務をしている若手の担当医が回診してくれますが、ほぼ看護師さんが面倒見てくれます。とはいえ、看護師さんは医師ではないので断言できないし、何かあれば医師の指示を仰がないとリーチできません。そんな時に、キャリアのある後輩に確認できるのは非常に助かりました。
 
「ふだん長時間寝てないからか、頭がのぼせた感じしたり、痛かったり、未経験です」
「卵巣取ったからですかね」
「なるほどー。ホルモンの問題だったんだね」
 つまりは、卵巣取ったから、強制終了で更年期障害に突入したんですね。トホホ。理由がわかると心配は解消されます。私の場合は今までが健康すぎて薬の耐性も病院の耐性もないだけに小さな変化も無駄に不安。
 術前説明はありますが、こういう細かな変化については教えてくれません。かといって、忙しい看護師さんにいちいち聞くのも申し訳ない。気になって検索するとおどろおどろしいことばかり上位に出てきて、ネガティブ情報に振り回される。
 医療の現場からすると、いちいち気にしている必要はない範囲なんだと思います。でも、医療、とくにがんに関してはカネになるから、うがった情報が検索上位になってしまう。そんなネットの状況もあるので、小さな心配を消してくれる冊子作ってくれたらいいのにと思いました。

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