がんをめぐる冒険(55)ウィッグ問題③ウィッグのメリットデメリット

 ウィッグの利点は、脱毛がバレないこと。「外出した時に人目を気にしないで済む」「病気を知られないで済む」「仕事場で気を遣われないで済む」「家族に心配されたくないから」といった対外的配慮と、自分の気持ちが凹まないようにする内面的配慮の2方向の需要がありますが、主なところは人目でしょう。そういう意味で、ウィッグをかぶればかなり解消されます。
 ところがウィッグを試着してみると、頭を締め付けて痛いし、暑い。ウィッグをかぶる前にネットや帽子をかぶり、ウィッグが動かないようにするのですが、とにかく頭が痛いし、暑い。私は頭の形が、先がとんがっていて後頭部が絶壁、という壊滅的な悪さで、ネットもずれやすいので余計に締め付けなければ固定できません。ネットをかぶるとオデコにぴっちり跡がつくし、ストレスが大きい。
 確かに自然なウィッグですが、やっぱり髪の質感だったり、多少の違和感は否めません。ダンスの先生(自称オカマ)にウィッグ試着写真を送ると
「初めての女装www」
とビンゴなコメントが返ってきました。
 そうなんです、なんていうか、女子以上に女子っぽい、トゥーマッチ感が「女装」というワードがピッタリ!
 私の場合は、病気で脱毛する前から周囲に「尼になります!(笑)」と宣言し、髪がなくなることは周囲も承知していたので、そこまで隠す必要もありません。初対面の人に驚かれない程度でいい、という気持ちでした。
 脱毛が始まると、抜け毛対策で黒のベレー帽をかぶり、前髪を少量出していたので、これで充分。
 仕事もベレー帽でOKだったので、ウィッグも揃えたものの、結局ベレー帽で通しました。

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