がんをめぐる冒険(11)手術は3週間後

 検査手術をすることが確定し、3週間後に決まりました。でも、他にキャンセルなど空きがあれば前倒しで手術してくれることになりました。
 手術が決まると「一緒に手術を担当する先生の診察も受けてください」と言われ、教授のY先生の下にいる助教のS先生の診察を受けました。助教なので、アラフォーぐらいでしょうか、さすが女性の患者さん何百人も診ているだけあって説明は丁寧、話し方もフラットで質問しやすい先生です。1日に何人診察するのかと思うと本当に頭が下がります。
 直属の上司には逐一報告していましたが、手術も確定したので、関係各所に一斉にメールし、レギュラーで任されていた仕事は続けられない旨伝え、手放すことにしました。手放すことにした仕事は、実は「パワハラ案件」。役員からなぜか私にトップダウンで仕事を振られ、リモートでは対応できない仕事だったので、手放したのですが、後になってこのストレスががんの原因ではと皆に指摘されました。
 そして年末年始に向けた大きなインタビューなど入院前に全てブッキングし、入院中にまとめて原稿を打てるよう段取りました。
 職場の上長はとても理解があり、仕事はできるときでいい、と言ってくれましたが、編集の中でも実は一番人手不足の部署。4人しかいないけれど、1人はコロナ以前から会社に来ず、自分が好きな原稿しか書かない不思議さん。好調なときはすごいスピードで原稿を仕上げてくれるけど、テンション落ちると全く書かないという50代。もう一人はサブデスククラス。それに一兵卒の私。私は主に現場担当。他の部署は同じページ数でも倍の人員がいることもあるなかで、うちの上長は明らかにサイテーの戦力で戦っています。それだけに上長やサブデスクには本当に申し訳なく思いました。
 家庭がない私にとって、仕事を失うことは自分のb存在意義がすべてなくなるという不安もありました。とはいえ、もう仕方ないので、入院したら宿題を終わらせるつもりで、あまり考えないようにしました。

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