方違え概論
良くない方角を避けるための方忌みというものがありました。
しかしながら、たとえ悪い方角であったとしても、その場所に行かなければならないことは沢山あるでしょう。
そのような時に、一旦よその場所へ移動し、滞在した後で目的地がその方角にならないようにすることを方違えと言います。
方違えは短い期間続く悪い方角に関しては1日から数日の滞在で良いのですが、大将軍のような数年間続く悪い方角の場合は45日間当てられます。
元々、方違えは引っ越しや旅行のために行われるものでした。
そこから、兵法として活用されていきました。
保元物語には、源義家が敵である源為朝の陣を攻めるにあたり、為朝の陣は東にあるから方違えをしなくてはいけないと言ったことが書かれています。
そこで敵陣を北に見るために兵を南に移動させました。
これは太白神を避けるための方違えだったのです。
ここから方位の呪術は武家社会になるとともに、戦のために予期せぬ時に予期する方向に行かなければならなることが増えたため、より複雑で高度な兵法になっていったのです。
戦は命がけでした。
決して負けることは許されません。
見えない世界の力を使い戦いを有利にしていったのです。
見えない世界というのはこのように大きな変化をもたらしますから、興味のある人は是非一緒に学んでいきましょう。
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