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歴史を動かした天狗
天狗の力というものから、信仰の対象になっていきます。
元々は不吉な現象の前兆として災いの化身のようにも考えられてきましたが、やはり力はあるということです。
恨みを残して天狗となったものもいましたし、霊験のある僧侶も同様に天狗になったケースがありました。
並々ならぬ力は外法だったとしても、やがて信仰されるようになるのです。
密教の強力な神々や仏教系、神道系の信仰は体制側が独占していました。
天狗は反体制派が信仰する対象となったのです。
保元の乱で、藤原頼長は敗れましたが、そこにも天狗の呪いというものが関わってきます。
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彼の日記には自分の死の原因が天狗の呪いによるものだと記されています。
呪いの方法というのは、愛宕山の天狗像の目に釘が打たれたことです。
これは巫女がやったのですが、この巫女には近衛天皇が乗り移っていました。
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体制派にとって天狗は外法としていましたから、反体制派からすれば、天狗というのは敵の敵ですから味方ということでしょう。
こういう戦の勝利に関わった天狗は戦国時代にはさらに信仰を集めることとなりました。
妖怪の中でも力があり荒っぽいところが、戦いの神として適任だったのでしょう。
左大臣にまで上り詰めた頼長の日記にも呪いというものは書かれているのです。
呪いというのは歴史の転換にも大きく影響するほどの力がありました。
現代では軽んじられておりますが、それだけのポテンシャルです。
見えない世界というのは単なる御伽話ではありません。
そういうスキルを磨いていきたいと思う人は一緒に頑張りましょう。
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