朱子学の悲劇
朱子学は中国思想の基本であり、科挙などの試験で重要なものでした。
確かに思想自体は良かったのですが、時代が変わることによって、その背景が忘れられてしまうという皮肉はいつの世にもあるものです。
19世紀の後半になると欧米列強によってアジアは危機に陥りました。
日本は明治維新によって近代化を進めます。
しかし、中国は植民地に転落していきました。
清は元々、北の満州族が中国を征服して建てた王朝ですが、漢民族の思想である朱子学を取り入れていました。
朱子学は宋の時代に重視されました。
この時代はモンゴルの侵略を受けており朱子学の思想の根底には異民族に対する嫌悪が渦巻いています。
今でも中華思想がありますが、朱子学は世界を中華と夷狄に分けました。
中華が夷狄を支配するというのが正しい秩序だと説いています。
当然のことながら欧米列強も夷狄だったのです。
そのため欧米から技術を学ぶことはしませんでした。
幕末の日本は黒船を見て驚き、明治維新に踏み切ったのとは真逆の路線でした。
技術力で劣勢となった清王朝は列強に切り刻まれ転んでいきました。
思想そのものは長い歴史があり、とても重要なものでしたが、表面的なことだけやっていくと時代が変わった時にあっけなく終わってしまいます。
背景を踏まえた上で学ぶことが大切です。
そこはスピリチュアルも同じですね。
これからも良い記事を書いていきます。