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昔から続く見えない世界での病の予防
律令制のもとにおいて陰陽寮が請け負った役割というのは天皇や朝廷の政治における吉凶禁忌の判断でした。
この頃から鬼神に通じる十二神将を式神とする呪詛が行われていました。
このような呪術に加え、平安時代に入るとお墓における霊の鎮魂の祭祀が加わってきます。
平安京の遷都の時に行われた宮地鎮めの祭りなどがありました。
基本的に陰陽道の儀式は国家的なもので行われるとしても、ほとんどの場合は天皇の個人的な信仰の範疇でした。
この傾向は10世紀以降に強くなり、疫神祭である四角四堺祭の成立によって決定的となりました。
疫神祭というのは陰と陽の気が変わる季節の変わり目にやってくる疫病神を追い払い、疾病による災いを防ぐために行われる呪禁の儀式です。
律令時代には様々な防災のための祭りがありました。
これらのうち宮城四隅疫神祭に近いものとして発展したものが四角祭でした。
畿内十処堺疫神祭を縮小したのが四堺祭でした。
季節の変わり目というものは体調が悪くなりますから、これも陰陽などの知識のことを考えれば、昔の人は見えない世界から対策していたということがよく分かります。
まさに昔から続く知恵なのです。
怪しいものではなく、昔から続く大切なものを引き継いでいきたいと思われる方はぜひ一緒に頑張りましょう。
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