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唐での空海の躍進
苦難の旅を経て、空海は長安にやってきました。
インドからやってきた密教が栄えていました。
翌年になって恵果阿闍梨を訪ねます。
阿闍梨は喜んで空海を迎えました。
阿闍梨は未来を知ることができたのでしょう。
空海が訪れることを既に知っており、余命が少ないために、自らの力を継承させるつもりだったのです。
1000人も弟子がいたにもかかわらず、突然訪れた異国の天才を後継者に選んだわけです。
しかも、阿闍梨は空海に教えることは何もないと答え、いきなり奥義の習得に入りました。
空海は日本で厳しい修行を積んできたわけですが、それが密教の理にかなっていたためです。
そして、わずか3ヶ月で大日経と金剛頂経を伝えられ、遍照金剛の位を授かりました。
恵果の指導のもとに密教の用具を揃えました。
20年分の留学資金をここで惜しげもなく用具に注ぎ込み、曼荼羅も仏具も最高のものを揃えました。
恵果を今まで師から弟子へ引き継がれていたインド伝来の8種の仏具を空海に送ります。
密教の正当な後継者の証となるものです。
インドや中国の密教の高僧たちの力は空海に引き継がれました。
その結果、密教の正統はインドでもなく中国でもなく、日本に伝わることになったのです。
修行で苦労をしたもののそれが中国で実ったのが喜ばしいですね。
見えない力を身につけていくというのはとても大変なことです。
長い道のりではありますが、人生をよくしてみたいと思う方はぜひ一緒に頑張りましょう。
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