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倒産と復活

会社を倒産させるということは経営者としては恥ずかしいことです。
精神的にはとても苦しいでしょうし、最悪のシチュエーションと言えるでしょう。
このような心理状態に陥ると人間は良識というものを失ってしまいます。
まさに本能の赴くままに行動してしまうのでしょう。
だからこそ、わずかに残ったものを持ち逃げしようということを考え始めます。
たとえ外国に高飛びしたとしても、現代のような情報機能が発達していれば、捕まってしまいます。
逃げ切ったところで、再び社会的な仕事をすることは絶望的でしょう。
個人の信用がなくなっては社会活動はできないからです。

しかし、会社を倒産させて信用をつけたという人も少なくありません。
それは逃げなかったからです。
会社を倒産させた経営者にとって、最大の関門は債権者会議に出席することです。
債権者だって、この倒産のあおりを受けて、連鎖倒産の危機に瀕していることも多いわけですから、その心理状態は異常です。
感情に任せて罵詈雑言を浴びせてくることも少なくありません。
本能的な感情をコントロールできなくなってる多数の人間の前に出て、吊るし上げを受けるわけですから、たまったものではありませんね。
実際に多くの経営者は債権者会議に出席することを嫌がり、担当の役員を出して直接的な風当たりを避けようとしてきます。
当然ですがこのポストになりたいと思う人は多くありません。

しかしながら、まれにそういった役を買って出てくるタイプがいます。
当然のことながら針のむしろに座り続け、誠意を示し続けるのです。
その後、債権者の会社から役員として迎えたいというヘッドハンティングのオファーが来ることも少なくありません。
そんな厳しい状態の中で対応ができる人材というのは貴重ですからね。

厳しい状態に置かれるからこそ、その人の本質が見えるというものです。
相手の本質が見えるということはそれだけ重要なことです。
見えない世界について学ぶとこういうレアなケースではなかったとしても、相手を見る目が養われます。
そのような学びに興味のある方は是非一緒に頑張りましょう。


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てる子先生の八咫烏魔法学校
これからも良い記事を書いていきます。