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灌頂概論

密教の修行者にとって最も重要な儀式というのは灌頂です。
まさに、最も密教的であり神秘的な要素を持つ儀式と言えるでしょう。
ちなみに灌頂のことをサンスクリット語ではアビシェーカと言います。
頂に水を注ぐという意味です。

灌頂は元々インドの国王の即位式の時に行われていました。
四大海から汲んできた水を王様の頭に注ぎ、世界に君臨する王者であることを示した儀式です。

密教ではそれを相承を表す儀式として取り入れました。
密教の場合は仏が備える五種類の知恵を表す五瓶の水を受者の頭頂に注ぎます。
灌頂を受けるということは仏の知恵を受け継ぐという意味があるわけです。

ちなみに、灌頂には在家の信者と仏をさらに深い縁で結ぶ結縁灌頂と、修行者が受ける伝法灌頂があります。

水を受ける儀式というのが灌頂です。
五瓶の水を用いるわけですが、五という数字が使われているのも自然哲学の観点で考えると興味深いですね。
あらゆる東洋の中で見えない世界を扱おうと思うと根底には五行論があります。
そのような考え方がベースとなって様々な哲学や宗教などの教えが生まれてきました。
見えない世界を学ぶことにおいて、このようにベースとなってくる自然哲学を一緒に学ぶことはロジックとしても整理できますし、何よりアウトプットもしやすくなるでしょう。
背景も含めた学びをしていきたいと思われる方は是非一緒に頑張りましょう。


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てる子先生の八咫烏魔法学校
これからも良い記事を書いていきます。