「14歳の栞」を観たが、14歳の記憶が全く思い出せなかったはなし
とある日、Twitterで、中学生あるあるを見つけ、「いきなりはじまる たけのこニョッキ」と思わずリツイートした。
3月はじめ、シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| を観た。
「映画館で観る予告はどれも面白そうに見える」これは、僕の渾身の映画館あるあるだ。
エヴァを観に行った時の予告で覚えているのは、ノマドランドと、35人の中学生に密着した映画、この2つ。
この時点では、14歳の栞 という映画について認識をしていなかった。その後、Twitter上でなんとなく、14歳の栞を認識することになる。
これは、カラーバス効果なのか。それともネットをしていると、自分が興味あると思われる情報を優先的に表示されている、今のシステムからなのか。
とにかく、僕はこの2つの行動により、14歳の栞を認識し、興味を持つことになる。
さらに、ハライチのターンのラジオクラウドで、ハライチ岩井が、「14歳の栞が面白かった」と話していた。
ハライチ岩井好きの僕としては、自分が気になっていた映画を岩井が面白いと言っていたのが、とても嬉しく、「これは観に行きたいな」と思ったのだ。思考回路としては、アイドル好き、ジャニオタと全く変わらない。
そして、岩井が大好きな、パンサー向井も、絶賛しているとのこと。
そして、先週。前からに観に行きたかった、国宝 鳥獣戯画のすべて を観に行こうと思っていたら、コロナのせいで、再度休館延長となった。
「で、あれば、14歳の栞観に行くか」ということで、観てきました。
この映画、「映画を観にららぽーとでも行くか」みたいな感じで観られる映画ではない。東京でも上映しているのは、渋谷、池袋、立川しかない。しかも調べないと上映しているか分からない。という、かなりディープな映画なのだ。
ちょっと前に池袋を思い出した僕は、池袋シネマ・ロサ で観ることにした。
池袋シネマ・ロサでは、土曜の13時半から上映だった。チケットはネットで購入することが出来ず、映画館で、しかも現金でしか購入できないとのこと。
せっかく観に行くのに、変な席だと嫌なので、余裕を見て12時に池袋着。そこから、昼間の池袋西口を通り、池袋シネマ・ロサに到着。かなり渋い。
チケット売り場には、おばさんがいるかと思いきや、白いTシャツ姿のお兄さん。「13時半からの、14歳の栞、お願いします。」と言いチケットを購入。1800円だった。通常より100円安い。
時間を潰してから、13時過ぎに池袋シネマ・ロサへ。ポスターの写真を撮り、地下に下る。
シアターは1つしかない。前の映画がやっており、ガンガン音漏れしていた。ロビーや廊下には、過去の映画のポスターが貼ってあったり、映画のチラシがたくさんある。
「これは渋いな。ライブハウス、小劇場みたいな感じだ。行ったことないけど」
スタッフも若い人しかおらず、先程チケット売り場にいた、白Tのお兄さんは、ほうきとちりとりを持って、ロビーでスタンバっている。前の映画が終わり次第、即、清掃を行う為だ。
「ここは、映画好きや、演劇好きの大学生しかバイトしていないんだろうなぁ」と思い、なんだか異文化に触れているようで、感度がビンビンに高まっていった。
映画館に入ると、「おぉ渋いな」と思うような、作りだった。
コロナ対策で、1席必ず空けるようになっていた。エヴァを観た時はそうではなかった。
僕の斜め前には、年配の夫婦が座り、お父さんの頭が絶妙にスクリーン中央の最下部と被った。この映画、テロップが常に出るので、正直お父さんの頭が少し気になった。
13時半になると、明るいまま他の映画の予告が始まる。「明るいままで、直前に暗くなるのかな」と思っていると、「NO MORE映画泥棒」が始まる前に暗くなった。
僕はこの NO MORE映画泥棒 を映画館で観るのが大好きだ。
映画が始まると、ハライチ岩井が言っていたように、冒頭は馬の映像が流れる。馬が結構な時間流れる。岩井曰く、この馬の意味が気になって、映画冒頭の話が全然入って来なかったとのこと。
僕は、途中まで意味を理解しようとしたが、岩井と同じ状況にならない為にも、途中から馬の意味を考えるのは辞めた。その為、1人目の生徒から、集中して話を聞くことが出来た。
ここで、この、14歳の栞がどのような映画かと言うと、
あの頃、一度も話さなかったあの人は、
何を考えていたんだろう。
とある中学校の3学期、「2年6組」35人全員に密着し、ひとりひとりの物語を紐解いていく。
そこには、劇的な主人公もいなければ、大きなどんでん返しもありません。
それなのになぜか目が離せないのは、
きっとそれが「誰もが通ってきたのに、まだ誰も見たことのなかった景色」だから。
そしてその35人全員が、どこか自分と重なってしまうからかもしれません。
まだ子供か大人かも曖昧なその瞬間、私たちは、何に傷ついて、何に悩んで、
何を後悔して、何を夢見て、何を決意して、そして、何に心がときめいていたのか。
これは、私たちが一度立ち止まり、
いつでもあの頃の気持ちに立ち返るための「栞」をはさむ映画です。
簡単に書くと、とある中学2年生のクラスの3学期に密着し、35人にインタビューするという、ドキュメンタリー映画である。
映画は、評判通り良かった。
恐らく、観ている全員が自分の14歳。中学2年生の時を考えたと思う。もちろん、僕も神戸市立西落合中学2年生、14歳の時を思い出そうとし、今スクリーンに映っている現代の14歳の子と、重ね合わそうとした。しかし、ここで予想外のことが起きたのだ。
「あれ、全く思い出せない、、、」
僕は今まで、記憶力が良いと思っていたし、学校が嫌いなわけでもなく、ごく普通の学校生活を送っていた。
それなのに、中学2年の記憶が思い出せない。
「あれ?担任の先生誰だったかな?誰と同じクラスだったかな?」
こんなレベルなので、体育祭、文化祭、合唱コンクール、そんなものは全く記憶にない。
ちなみに、帰宅してから色々調べた結果、予想していた担任の先生は間違っていた。クラスメイトは資料が無いので、いまだに思い出せないままだ。
僕は少しショックだった。
「あれ、14歳の俺は学校楽しくなかったのかな?」「そう思うと、中学から大学まで先生の名前も思い出せないし、友達の名前も思い出せないな。」
「学生時代の友達なんて、一生というわけじゃないんだから、今いる友達が大事でしょ!」とか言うが、今の僕にそんな友達はいるのか、、、
最終的に、なんだか寂しい気持ちになってしまった。
この 14歳の栞 興味がある人は是非観てもらいたい。
そして、「あなたは14歳の記憶ありますか?」と聞いてみたい、、、