熊本県阿蘇市の筑波大受験生と電通本社のビルを見学したはなし
「最近忙しい?」
LINEが来た。送ってきたのは、前職のDNP時代に同期だった内山君ことうっちーだ。彼はどういう男かというと、ググったら出てきた。
千葉県出身。 明治大学農学部を卒業後大日本印刷に入社。 リクルート、コロボックル(フロンティアベース)を経て熊本に。 熊本地震の際にこちらにいたこともあり、熊本県で学習塾を立ち上げ、現在は2教室を経営しております。 課題先進地域からの課題解決を目指しています。
とのことだ。DNP時代は違う事業部だったので、彼が何をしていたかはよくわからない。確か、プリクラ作ったりしてたはずだ。(超ざっくり)
色々あって、今は熊本県阿蘇市で学習塾を開いている。経緯はよくわからないが、(多分聞いたけど憶えていない)、つまり、ど田舎で独身男が1人塾を始めたのだ。僕はこのまま彼が仙人になるのではないかと心配している。
数年前その阿蘇の塾、阿蘇塾に遊びにいったことがある。阿蘇に遊びに行く。ダジャレを狙ったわけではない。
早朝、お別れの写真。右の少し身体の大きい彼がうっちーだ。
うっちーが気になる人は彼のブログを読んで下さい。
「最近忙しい」
の後に、「教え子が筑波大受験しに行くんだけど、日程勘違いしてて、一日空いちゃったから、東京案内してくれない?という図々しいお願い!」が来た。
「なんかめんどくさいなー、知らない子にわざわざ時間作る程、暇じゃねえし」と思い、「んー普通に仕事やな、すまん!」と返信。「了解!突然ごめん!」と返ってきて、互いの近況を確認することもなく終わった。
翌日
「昨日のなんか申し訳なかったな」草彅剛ではないが、僕は自分が基本いい人だと思っている。(ドラマは見たことない)「せっかく元同期の教え子が熊本の阿蘇から上京して、母校の筑波大を受けるのに、何もしないのは、もったいない気がする。これも何かの縁だから大事にするか!」と思い、うっちーに「昨日の話どうなったのか」とLINEを送った。
結果的に、うっちーの教え子を少しだけ東京案内することになった。「DNPとか案内出来ない?」と聞かれ、「いやいや、俺もうDNP社員じゃねえし、うっちーはボケてしまったのか?」と思いながらも、うっちーと共通の友人で一番時間を作れそうな同期に「○○日、会社いる?」と聞いたら、「終日外出!」との回答。
「おい、いつも暇みたいな感じで仕事してたじゃねえか!タイミングわりいな!」と、てるいでなく、わるいになりかけ、他のDNP社員に聞いてみようかと思ったのだが、「全く知らない子に対して、そこまで労力かける必要ないしな。」と思い、うっちーに「ダメだった」と返信。
ちなみに、ここまで、教え子が男なのか女なのか聞いていない。これが可愛い女の子だったら、やる気も出るのだが、「恐らく、ど田舎の阿蘇から筑波大○○学群受験する子で、可愛い子の確率は物凄く低い。いや、絶対にいない。これは絶対ど田舎のいもボーイだ。」と勝手に思っていたので、恐ろしくて聞かなかったのだ。
その後、うっちーに聞くと、少年とのこと。予想通りだったので、全く落胆しなかった。何事も準備というのは大事なのだ。
その間、筑波大卓球部の同期に、「○○学群受験する子を東京案内することになった。○○学群って誰がいる?」と聞くと、そのLINEグループにはいなかっただが、同期、先輩後輩にも○○学群出身の人がいた。
ここで可愛い女の子だったら、○○学群の人に連絡し、一緒に東京案内してアドバイスくれるようお願いをするのだが、相手は阿蘇のいもボーイだ。そこまですることはなかった。
筑波大卓球部の同期LINEの中で、「筑波大の前期入試で初々しい高校生が来てるね」という返信があった。僕の同期には大学を飛び級で卒業するという、どんだけ賢いのかよくわからない同期がいるのだ。数年おきに、住んでいる国が違うのだが、今は筑波大の助教で、つくばに住んでいる。
僕が初めて結婚式に行ったのは、その彼の結婚式だ。「結婚式ってなんて素晴らしいんだ!」と感動したのが懐かしい。
そして当日、新橋駅の烏森口で集合だ。知らない人と駅で待ち合わせするって、古いけど「出会い系で出会うみたいだな」と。今だと、マッチングアプリが当たり前となっているが、出会い系となると一気に怪しくなる。ネーミングというのは大事なのだ。
LINEで連絡を取り、すぐに会うことが出来た。阿蘇のいもボーイをイメージしていたのだが、全然いもさが無かった。マッシュ系の髪型で、大きな白いシャツにコートを着ていた、僕の高校時代、いや今と比べても、彼の方がお洒落に気を使っているように感じた。
お互い挨拶をして、電通本社に向かった。これから彼のことを阿蘇君と呼ぶことにする。阿蘇君も僕も初めての電通だ。新橋には慣れていないので、グーグルマップを見ながら向かう。グーグルマップを見ても新橋は分かりづらく感じる。
スマホとビルを見ながら、「デカいビルばっかりだなー、東京ってやっぱすごいなー」と思い、阿蘇君ともその話をする。もちろん電通もデカい。
数分歩き電通本社に着いた。といっても、コロナウイルスの影響により、全従業員リモートワーク実施なので、受付にも誰もおらず、得意先もいない、警備員は何人もいた。
ロビーを阿蘇君とまわって、電通本社見学は終わりだ。全くもって僕がいる意味はない。阿蘇君になぜ電通を見たかったのか聞くと、「日本の有名な会社って電通かなと、それだけです。」僕が高校時代、いや就職活動するまで、電通なんて知らなかった。「あの過労死事件で一般的になったのかな」と思ったが、特に聞かなかった。
その後、新橋で唯一知っている富士通本社に行き、受付ロビーを見学してから、ランチを食べに行った。
ランチを食べながら、小一時間色々な話をした。
なぜ筑波大を受験するのか?なぜ阿蘇塾に通ってるのか?高校の事。筑波大の事。僕の事。阿蘇君のこと。テレビを見るか?(この質問は学生と会うと必ず聞いている。彼はほとんど見ないらしい。)などなど。
阿蘇から、九州の大学や東京の大学ではなく、筑波大を受験した理由も知れた。僕はスポーツ推薦で筑波を受験しているので、筑波に一般で入る子たちがどのような生活をしていたかは分からない。滝川第二高校では、スポーツクラスでなく、普通クラスで、しかも自宅生だ。なので、寮に住むスポーツエリートたちの生活もわからない。
阿蘇君の話を聞いて、「やはり、勉強できる子の方が、視野が広いというか、可能性があるよな」と思った。勉強が出来るから、大学進学出来るし、地方からでも、東京行くとか、筑波行くとかを考えるわけだ。勉強出来ないと、地元から出ることを考えることすらない。電通なんてもちろん知らない。
阿蘇君にも聞かれ、「学歴は無いより、あったほうがいいね、あくまでまだまだ日本だから。」と答えつつも、「やる気があったら学歴関係ないよ。やりたいことあれば、やればいいだけだからさ。」とカッコいいことも言った。最後に、「失敗してもやり直しは聞くから。今後辛かったら逃げていんだよ。そこからやり直しなんていくらでも効くからさ。やればなんとかなる。ここは日本だし。」と付け加えた。社会に出るとストレスや無理をして病んでしまう人がたくさんいる。
以上、僕が思う生き方をフランクに教え、「コロナウイルスに気を付けて帰ってね」阿蘇君とお別れをした。
それにしても今時の子なのか、彼がたくましいのか。出会い系のように知らないおじさんと新橋で待ち合わせをして、ランチを食べた。最初の挨拶の時だけ、緊張感が見えたが、その後は全く緊張せずに話していた。僕が高校生の時は、なかなか緊張してうまく話せなかったと思う。
て、書いておきながら、思い起こすと、僕は出来たかもしれない。笑。
最後に、色々考えたけど、阿蘇でひとり、阿蘇塾を作り勉強を教えている「うっちーってすげーな」と思った。うっちー、君はすごいよ!!!