外食M&Aまとめ(前編)
こんにちは。ユニコンの照井です。約10回ほど記載した、外食M&Aについて、まとめて記載していきたいと思います。
外食M&Aの歴史について
①外食M&A 平成~令和の歴史
平成10年くらいから、ライブドアのM&Aなどを通じてお茶の間にもM&Aという言葉が広がった時代であります。それに伴い外食のM&Aも増えました。このときのM&Aのプレイヤーは、ゼンショーやコロワイド。また大手のファンドがすかいらーく、牛角などを展開していたレックスホールディングスなどをMBOする形でM&Aなどを行ったのがこの時代であります。
平成20年~31年は、M&Aセンターなどの台頭もあり、中小企業へのM&Aが広がった時代であります。外食企業でも多くの中小企業のM&Aが行われた。また中堅・中小ファンドの外食企業のM&A(越後屋やガブリチキンを展開するブルームダイニングなど)も多くありました。まさに外食M&Aの全盛時代であります。
直近3年の外食M&Aについて
次に、この直近3、4年の外食M&Aについて記載していきたいと
思います。
それでは、早速2019年から各年の主な外食M&Aをみていきましょう。
2019年の外食業界自体が、次年に迫った東京オリンピックに向けて
非常に盛況な時期でありました。それに伴い、M&Aも非常に活発に行わ
れ、多くの上場企業の成長戦略の一つとして、M&A戦略を重要な戦略の
一つとしてあげておりました。
私自身もここであげているSFP様のM&A2件に携わらせていただきました。
まさに外食M&Aの全盛時代です。
私のところにも多くのM&Aのご相談をいただいていたそんな時代であり
ました。
そこから悪夢のような「コロナ禍」に見まわれる2020年についてみていきたいと思います。
2020年になり、2月、3月とだんだんと「新型コロナ」がマスコミ
で取り扱われ、それに伴い外食業界自体がM&Aなどといっている場合
ではなくなってまいりました。
一気に外食M&Aというものが鈍化した時期であります。進んでいたもの
などもペンディングとなりました。実際に私も2、3の企業のM&Aを
進めてましたが、ペンディングとなりました。先行きが見えない非常につらい時期であったと思います。ただコロナがあったからこそうまれたM&Aと
いうものもあったと思います。私がご支援させていただいた年末に行ったイートアンドホールディングス様と一品香様のM&Aもその一つではありました。
直近2年2021年、2022年のM&Aについて記載していきたいと思います。
2021年初頭は、コロナ禍真っ只中にあり、先の見えない状態が続いていました。また2020年のコロナ禍の影響により財務を毀損してしまい、上場企業なども財務内容が非常に悪化しました。上場維持ができるのかというほどの財務内容になる可能性もあり、資本提携などが増加しました。
ロイヤルホールディングスやエーピーホールディングスの資本提携などがまさにそのようなことを目的に行われたものであると思います。
一方で、2021年の途中からは店舗の協力金が増額され、多くの企業が
財務内容が回復した年でもありました。
ワクチンの普及などもあり、7月ごろからだいぶコロナ禍が明けていく道筋がみえてきてM&Aの再開などもありました。私がお手伝いをさせていただいたホットランドさんなどもその一つでありました。ただし、まだまだ様子見の企業も多くM&Aはほとんど行われない状況でありました。そして、今年は今のところどうでしょうか。
やはり、2021年同様に様子見という企業が多いです。ただし、コロナ禍の影響はだいぶ薄まってきており、店舗の業績なども戻ってきている企業が多く出てきております。こうなると、少し様子見していた企業がこの1年くらいの実績をもとに売却に動くという可能性もありますし、また買収側もまた成長戦略の一つとしてM&Aを取り入れていくところも増えてくると思います。
コロナ禍によっての外食M&Aの変化
コロナ禍によって、外食のM&Aがどのように変化があったかを記載していきたいと思います。
前回みてきたように、コロナ前は、外食M&A全盛時代でありました。
まさに売り手市場であり、売却を希望する企業は、良い条件で売却が
できました。ファンドなども多く外食企業に投資しておりました。また上場企業の多くは成長戦略の一つとしてM&A戦略をあげておりました。
例えば、クリエイトレストランツホールディングスやDDホールディングスなど多くの企業がM&Aにより成長しておりました。
それが、コロナ禍になり、非常に混乱しました。ほとんどのM&Aがペンディングになり、今までのM&Aプレイヤーのほとんどが、それどころではなくなり、一気にM&Aがなくなりました。
そして2022年コロナ禍にやっとあけてくる兆しが出てきており、またM&Aが少しずつ増えてきていると感じております。
一方で、このコロナ禍によって、店舗の業績などが異常値になっており、本来の収益力がなかなかわかりづらく、企業の価値の算定などが非常に難しくなってきているのも事実です。また、売却企業はコロナ前の状態で良い条件で売却したいという思いがあり、また買収企業はコロナ禍によってうけた影響などを鑑み以前より条件を落として買収したいと思いがあります。このミスマッチによってなかなかM&Aが成立しづらくなってきてます。
このような状況がこれから約1年くらいは続き、だんだんと正常化していき、またM&Aがある程度活況になってくると私は感じております。
アフターコロナ時代に人気のある業態とは
コロナによって、外食M&Aは大きく変貌しました。
外食企業のM&Aが激減し、多くが混乱の中でM&Aどころではなくなって
しまいました。
やっと、今年の夏くらいからコロナ禍のトンネルの先がみえるようになってきました。この11月などは、コロナ前の売上を超えて、過去最高売上を更新したなどと外食オーナーから嬉しい話しをいただくことも増えてきました。
では、アフターコロナの時代において、人気のある外食M&Aの業態は何かについて記載していきたいと思います。
ここでは簡単に4つにわけてます。
日常食業態・・・安定的に収益が見込めるということで人気の業態となってます。特にコロナ禍によって、酒業態が痛い目を受けたので業態の幅をもっておくという意味でも、今まで酒業態を中心に行ってきた企業などが日常食業態をノウハウなどを含めてM&Aで取得したいというニーズなどがあり人気となってます。
専門業態(酒場系)・・・何かしらに特徴のある酒場というものも、M&Aの対象としては、人気のある業態であります。ノウハウ、ブランドなどを取得し、買収企業はそれをもとに出店を加速化させることなどによってより成長することができるということでも買収企業に人気のある業態であります。
総合居酒屋系・・・専門業態で記載したように何かに特徴があれば良いのですが、そうでもないと、まだ宴会需要なども戻ってきていない中でいくとなかなか買い手を探すのが難しい業態ではあります。ただし、このような業態は減ってきてもいるので、この数年を乗り越えていけばまた違う世界があるかもしれません。
インバウンド系・・・これもコロナ禍によって一時は撤退などが増えた業態ではありますが、今後インバウンドが戻ってくることは確実であると考えている買い手企業は多いのですごく人気のある業態になると思います。
今インバウンドに強い業態をもっているところ、またはそのような物件をもっているところは来年以降に非常に人気のあるM&Aの対象になると考えております。
コロナ禍によって一度縮小した外食業界ではありますが、2023年以降は、また成長に向けて加速していくと思います。その際にM&Aというのは最も有効な戦略の一つであるため、来年は外食のM&A市場も徐々に活況になると考えてます。
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