M&Aで売却を考えたら企業価値を検討しよう
こんにちは。ユニコンの照井です。
昨今、中小企業のM&Aというのがあたりまえになってきている。
今まで、経営者の事業承継というと親族に継ぐか、もしくはIPOくらいしか実質的には難しかった。もちろん従業員に継ぐということも出来たが、そこが企業の所有と分離の問題もありなかなかハードルが高いのも事実である。
例えば、100%株主のまま、従業員に社長を譲って経営を任せたとする。
うまくいっているうちは、良いが、少しでも、思っている業績より下がってしまうとどうしても、口をだしたくなるものだ。
そうすると経営者として継いだ人も面白くない。こうして、いったん引退したが再登板などということも多くある。
このような問題もあり、最近ではM&Aによる事業承継も増えてきた。
周りにもM&Aで売却した経営者も増えてきたこともしれない。
そこで自社もM&Aで売却することで事業承継していくことを考えた経営者も多くいると思う。
そこで、企業価値を思った形にするためにはどうしたら良いかという話しをしていきたいと思う。
まず、私がアドバイスしているのは、企業価値向上のための5か条ということを伝えている。
❶ 財務(BS)を整えよ
❷ 収益性(PL)を意識せよ
❸ 社長依存の体制からの脱却(組織構築)
❹ コアコンピタンスを明確にせよ(強い業態力)
➎ ❸、❹から派生する勝ちパターンを明確にせよ(事業計画と再現性)
❶の財務を整えよというのは、BSを整えるべきであるという意味である。
よくあるのは、節税などをしており、会社にお金を残していないケースがかなりある。そうすると自ずと、企業価値は下がってしまう。
私がアドバイスするのは、1から2年かけて財務を整えていくということをお勧めしている。例えば、いらない遊休地があった場合は、現金にしておいた方が買い手としては買いやすいし、その分の価値を見出しやすい。
また、売却前に設備投資をして現預金を減らすのであればしないほうが良い場合もある。
このように企業によって戦略は変わってくるがいかに売却しやすい、価値をつけやすいBSに仕上げていくかということは非常に重要である。
M&A業者は、早く売って自社の手数料にしたいので今すぐ売りましょうと提案してくるかもしれない。ただここでいったん考えて、本当に今売って良いのか、もう少し整えればもう少し高く売れるのではないかということを考えてほしいと思う。