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売却は売るのがもったいないときに決断すべきか
こんにちは。
ユニコンの照井です。
売却相談をうけ、数年分の決算書をみて、非常に残念に思う
ことがあります。
それは、数年前であれば今の数倍の企業価値だったのになということです。
では、数年で何故そこまで企業価値が落ちてしまっているのでしょうか。
M&Aにおける企業価値の算定でよく使うEV/EBITDA倍率を例に考えていきたいと思います。
数年前
売上10億円
ネットキャッシュ 1億円
EBITDA 1億円
の飲食企業があったとしましょう。
非常に財務内容もよく、また収益性も高い企業であると考えられます。
そこから数年、経営者としてアクセルを踏むことを決断し、数店舗
の出店とセントラルキッチンを作りました。しかしながら出店した店舗
がうまくいかず、収益はむしろ悪くなりました。その結果現在の状況が、、、
売上15億円
ネットデット 3億円
EBITDA 5千万円
出店やセントラルキッチンによって、借入金が増えデットが増えてしまっています。
さてこのとき、数年前の株式価値と現在の株式価値を比較していきたいと思います。
ここでは簡略化するためにEV/EBITDA倍率を5倍として計算します。
数年前
株式価値 EBITDA1億円×5年+ネットキャッシュ1億円=6億円
現在
株式価値 EBITDA5千万円×5年+ネットデット3億円=ー5千万円(価値がつかない)
となってしまいます。この数年で6.5億円の株式価値が下がったことになってしまいます。
そして売却を決断する際はあまりうまくいっていない時に決断することがあるので、そうすると、もともと6億円の価値があったものが、価値を出せずに売却せざるえないということになってしまいます。
このような場合は、どうすれば良いか。
簡単なことではないかもしれませんが、再度事業を成長させるべく、数年かけて収益力の回復をさせるのか、もしくは、ほぼ備忘価格でもよいから売却するのか。ということになります。
再度事業成長させるという決断をした場合は、一部店舗の売却やセントラルキッチンの売却などを検討し、財務の強化をしながら店舗収益の改善にあたるということも一つの手ではあると思います。
そして数年かけて、借入金の返済と収益性の改善を同時に行い、以前の収益性までもどしていくということも一つの手ではあるとおもいます 。
ここでの教訓は、
売却は売るのがもったいないときに決断すべき
ということと、
もし、業績が悪化したとしても、財務リストラなどをしながら再起をはかってみるべき
ということなのかと思います。
いずれにしても財務を強くするということは非常に重要であります。