外食M&A⑧はじめてM&Aを行うときに意識することは?

こんにちは。ユニコンの照井です。
前回は、M&Aは怖いもの?としてリスクをいかに減らしてM&Aを行うかについて記載してきました。
今回は、もし初めて外食経営者がM&Aを検討するとした場合にどのようにすれば良いかについて記載していきます。

どのくらいの売上の企業をM&Aしたら良いか

この質問をM&Aを検討している企業の経営者から受けることがあります。特に、どのくらいという基準はもちろん無いのですが、経験則的に以下をアドバイスしております。

自社の売上の10分の1を上限に行う。

例えば売上20億円の企業がM&Aを検討した際には、売上2億円程度の企業。これは、統合をする際に10分の1くらいまでであればなんとかうまくいくという範囲であると思ってます。売上20億の企業だとすると、だいたい20~30店舗くらいを運営している企業となります。一方で売上2億円程度であれば、その10分の1になるので2~3店舗運営の企業となります。一気に3店舗を出店したと考えればなんとかなると思われる数字なのではないかと思います。その後の統合についても、この規模であればしっかりと時間をとり、キーマンとのコミュニケーションの量も多く取れるので、組織の融合がはかりやすくなると思います。一つの目安として売上の10分の1を上限ということを意識いただければと思います。

株式譲渡より事業譲渡から行う

これは前回説明した通り、事業譲渡のほうがリスクが少ないので、こちらを選択したほうが、良いということになります。どうしても株式譲渡を望まれた場合は、これも前回記載したようにDDをしっかりとおこなったり、場合によっては、会社分割という手法を活用するなどもできます。このあたりは信頼できるアドバイザーに色々とアドバイスをいただくと良いと思います。

適正な価格で買収を行う

これも当たり前の話しになってしまいますが、売り主は高く売りたい、買主は安く買いたいと利益が相反します。買主としては、フェアに買収するということを意識したら良いと思います。もちろん安く買えれば良いのだとは思いますが、あまりに金額を気にしすぎて他社との競争に負けて買収できなかったり、売り主の心象を損ねて買収できなかったりということが多々あります。企業価値(事業価値)をしっかり算定してお互いにフェアな価格で買収するということをするとよいと思います。このあたりもアドバイザーや仲介会社の腕の見せ所になりますので、彼らとよく相談して進めていくことがよいと思います。

譲渡後のフォローをノウハウ化する(特に人材)

初めてM&Aをすると、その後の統合のところで、色々な失敗なども経験すると思います。その失敗などを乗り越えて、それを会社のノウハウとすることが重要となります。特に外食企業の場合は、人材へのフォローが重要となります。良い事業を買収できたとしても行うのは人材となります。彼らがもし辞めてしまったりしたら元も子もありません。ですので、いかに人材をフォローしてよりよい体制にしていくのかということを実践し、それをノウハウ化してほしいと思います。

譲渡後は従業員とのコミュニケーションの量を意識する。

これは上記と繰り返しになってしまいますが、人材をフォローしていくうえでコミュニケーションの量を意識した活動をしたら良いと思います。売却された企業の従業員は少なからず不安です。不安を払拭するためにもコミュニケーションの量を意識してお互いを知るという活動をしていくと良いと思います。そして一気にものごとを変えるのではなく、徐々に変えていくということを意識したら良いと思います。

M&Aを成功ノウハウとする

M&Aは行うことがゴールではなくスタートとなります。これを成功ノウハウとしてノウハウ化が出来れば、M&Aを活用した成長戦略が描きやすくなります。案件選びなど買収までも非常に大事ではありますが、買収後いかに成功していくのかがもっと大事になります。
前回も記載したようにM&Aは色々なリスクがあるのは事実です。しかしうまくいけばこれほど良い戦略・戦術はないと思います。
アフターコロナにおいて一つの戦略・戦術として考えられてみたらいかがでしょうか。

適正な価格で買収すると今回記載しましたが、次回は適正な価格はどのような価格?ということをみていきたいと思います。特にコロナ禍において過去の実績が異常値が出ている状況において適正な価格とはどのような数値なのかということについて記載していきたいと思います。


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