外国人の寸借詐欺に遭遇して自分が弱者として見られたことがボディーブローのように響いてきた話し

羽田空港に向かう京急の電車の中で、外国人の寸借詐欺に声を掛けられた。
英語で「ブラインドか?」と尋ねられ、「弱視だ」と答えた。
外国の人と英語でコミュニケーションするのは好きなので、
話しかけられたことにちょっと浮かれた。
しかしその彼は、財布を盗まれたとかお金を貸してほしいとかどうとかと、話しかけてきた。
このとき、以前に耳にしたことのある詐欺の事例が頭にうっすら思い浮かんだが、
助けた方がいいのだろうかという気持ちもあった。
「どう信用したらいいのか?」と尋ねた。
ネットバンキングで後から振り込むとかどうとか言ってたような気がする。
早口の英語をちゃんと理解できるほどの英語のリスニング力は僕にはないが、
話しぶりと雰囲気からしてやっぱり詐欺だなと感じた。
「駅のスタッフに頼めばいい」と伝えて、
その後は適当に断った。
あきらめたみたいで「蒲田にはこの電車でいいのか?」と言ってきて、
車両を移動して行った。
たぶん、断れたときの対応も計画済みなのだろうと後から感じた。
寸借詐欺という言葉は、帰宅して調べて初めて知った。
電車の中で女性ばかりに声を掛けるらしい。
「ブラインドか?」と尋ねられたときのことが思い出される。
僕は弱者として見定められた上で悪意を浴びたのか。
話しかけられたときの浮かれた気持ちの自分を愚かに思う。
いろいろな感情が渦巻いてくる。
社会的弱者という言葉への嫌悪感、
弱者として見られたくないという気持ちの脇にある寂しさ、
健常者への密かな憧れ。
それにしても、僕が体験したようなことを女性はもっと体験しているのだと思うと、
どうにもやるせない。

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