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今週を振り返る(11月25日〜29日)インド経済視察
どうも、テルえもんです。
今週は、地元の北上工業クラブさんが企画したインドへの経済視察に行ってきました!
11月25日(月)移動
羽田空港から飛行機で約10時間かけて、インドのニューデリーに移動!長かった〜
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11月26日(火)視察
午前は、インドのジェトロさんを訪問。
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インドの政治経済の概要から最近の動向などについて、お話しを聞くことができました。
インドは、人口は14.5億人で世界1位、面積は日本の9倍。日本や中国の少子高齢化とは反対に、若い生産年齢人口の増加が期待されています。近い将来、日本とドイツを抜いて、米国、中国に次ぐ、GDP世界3位の経済規模になる見通しとなっています。
多民族国家で、ヒンディー教、イスラム教、仏教、キリスト教などの多数の宗教が混在しており、言語も公用語がヒンディー語、準公用語に英語、他21言語があるとのことでした。
インド政府は、スローガン「自立したインド」の下、他の国に頼らずに製造業振興を通じた雇用創出と貿易赤字の削減を目指しているとのことでした。また、中国からの輸入削減に注力をしているようです。
インド政府は、国内産業重視の電気自動車(EV)政策を行ったり、半導体産業の誘致に本腰とのことでした。日系企業は自動車関連の存在感が大きく、マルチスズキは乗用車販売台数シェア42%、進出日系企業数に占める中小企業の割合は15%程度でした。
コロナ禍でインド発ユニコーンが急増しており、小規模・零細事業者によるサービスもデジタル化が加速化しているようです。例えば、料理宅配サービス「Zomato」や電子決済サービス「Patym」はソフトバンクグループのPayPayに技術提供をしています。
技術は日本よりインドの方が進んでいて、インド人の働く意欲も変わってきているとのことでした。ITだけではなく、海外事業、マネジメントも含めた人材の宝庫で経営センスも無視できないものとのことでした。
説明をしていただいている間、停電が数回ありました。すぐに復帰しましたが、電力供給の不安定さから停電が頻発しており、エネルギー安全保障の観点から、現在は再生可能エネルギーに注目が集まっていてるとのことでした。
また、水不足も問題になることがあるようで、製造業で特に半導体関係などは、水と電気が必須ですから、かなり深刻な問題なんだろうと思います。
ビジネス環境上のリスクとしては、税制・税務手続きの煩雑さ、行政手続きの煩雑さがあり、人件費の高騰や従業員の離職率の高さなどもあるようです。
お昼は、インドのマクドナルド!マハラジャマック美味しかったです♪
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「マハラジャ」とは「王様」の意味。
インドでのビッグマック的な位置付けのようです。
牛肉ではなく、チキンのハンバーガーでした。
インドでは、人口の約8割をヒンドゥー教徒が占めていて、彼らの教えでは、牛は「神様の乗り物」として神聖視されているため、牛肉は禁忌のため、インドのマクドナルドには、牛肉を使ったハンバーガーがないんだそうです。
昼食後の午後は、ヤマハ発動機株式会社のインドにおける二輪車製造子会社「ヤマハモーターインディア(IYM)」さんを訪問。
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バイクを製造する生産ラインなどを見学させて頂きました。機械加工から溶接、メッキ、塗装など社内設備を保有し自社で多くの部品を製造し組立てまで行っていました。5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)が、しっかりされており、働いている人はインド人でしたが、設備や生産ラインなどの風景は、自分がよく見る日本の工場に似ていました。
人材育成については、なぜ取り組む必要があるのかをしっかりと説明をして、決めたことを守るように指導しているとのことでした。
インドは経済発展による所得向上や女性の社会進出を受け、年々二輪車需要が拡大し、累計生産台数が年間約1,400万台を超えているとのことです。インド市場において、150cc以上のスポーツタイプモデルや、125cc~150cc超のスクーターなど、高価格帯の製品に注力をしているとのことでした。
11月27日(水)視察
午前は、インドの国立職業訓練校「ITI(Industrial Training Institute)Pusa」さんを訪問。ものづくりの専門学校でインド国内に約18,000校ありました。
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1年~2年のコースがあり、毎日座学は1時間のみで、あとは実習をしながら技術を習得しているとのことでした。貧しい人でも学べるように授業料は、1人1ヵ月200ルピー(日本円で約400円)と安価で、場合によっては無料で通えるようでした。国からのお金や大手企業から寄付をもらいながら環境を整え、即戦力になる人材を育成していました。
インドのデリーの最低賃金は、月額18,000ルピー(約36,000円)とのことでしたが、大企業以外は守っていないところも多いみたいです。
就職率は、88.2%とのことでした。他は、もっと勉強したい、起業したい人もいるようです。前日のJETROさんでは、大卒の3割が就職できなくて困っている話しもされていました。日本などの海外で働きたい人も増えてきているようですし、インド人を欲しがっている海外企業も増えてきているみたいです。
説明を受けた後、実際の授業風景を見学させていただきました。
車の整備士を目指すための学べる環境があったり、溶接や旋盤・フライス加工を学べる環境があったり、寄付をされているダイキンさんやLGさんの製品をばらして学べる環境がありました。
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CADを勉強している人達もいました。とてもレベルの高いことを学んでいると感心いたしました。
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(追記)私が執筆していた3DCADの書籍「Fusion 360 マスターズガイド ベーシック編」を先生に寄贈させていただきました。日本語の本ですが、パラパラとめくって、分かりやすそうだと言っていただけました!インドの人に自分の本が渡せて、しかも良い評価をもらえて嬉しい限りです♪
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午後は、デリーのトップクラスの日本語学校「Furusawa Academy」さんを視察。日本語能力試験(JLPT)の各レベルに対応したコースを提供しており、日本人講師とインド人講師の組み合わせによる独自の教育方法を採用し、学生一人ひとりに丁寧な教育を重視していました。
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日本企業やインド国内の日系企業への就職支援や、日本への留学サポートも行っていて、言語トレーニングに加えて、日本の文化やビジネスマナーに関する教育も提供しており、学生が日本での生活や仕事に適応できるよう支援していました。
実際に学んでいる生徒さんとお話しできる時間もあり、会話させていただきましたが、とても日本語が上手でしたね。そして、楽しそうにニコニコして話す笑顔が素敵な良い人達でした。
「Furusawa Academy」さんには、今回の経済視察について全面的な協力をいただきまして、アテンドいただきました。ありがとうございました。感謝です☆
Thank you for visiting our institute🇯🇵🇯🇵🇯🇵 Thank you to the Mayor of Kitakami, Kitakami kogyo Club, and Iwate Prefecture.
Posted by Furusawa Japanese Language Academy on Friday, December 6, 2024
その後、インド地元の製造業さんを訪問。汎用機械で加工している所もあれば、CAD/CAMや工作機械などを使っての加工など、日本の町工場と似ているところがありました。
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11月28日(木)視察
ニューデリーからアグラへ移動して、タージマハルとアーグラ城などを経済視察。よくテレビで見る光景でした!
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11月29日(金)視察・移動
午前は、ニューデリーの国立博物館を視察。インダス文明や仏教、ヒンドゥー教などに関する陶器や像が展示されていました。
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午後は、空港へ移動しながら、お土産などを購入。
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そして、無事に帰ってきました!
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総括・まとめ
今週は、インドについて学んだ週でした。実際に現地に行ったからこそ感じられることがあり、学べることが多くありました。例えば、以下です。
空気
今回、インドの空港を降りて最初に感じたのが、スモークですね。大気汚染PM2.5。外が白く曇った状態でした。日にもよるようですが、ひどいときは、肉眼で感じることができたり、少し喉が痛くなる感覚もありました。場所によっては、その辺にゴミが捨てられていて、川も汚れていて、悪臭がする地域もあったので、マスクは着用した方が良いですね。
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野良犬・野良牛
あとは、野良犬・野良牛が、そこら辺にいて、吠えて噛みついてくるわけではないですが、もし噛まれると狂犬病となり致死率100%ですから怖いですね。
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交通渋滞
デリーは交通渋滞が凄かったです。車線が例えば3車線でも4車線、5車線にもなって、ギリギリぶつからない間隔で走行しあい、合流も無理やり入ってくるような感じで、クラクションを鳴らすのが当たり前で、ずーっとクラクションが鳴り合っている状況でした。バイクも多く走っていて、間ギリギリをジグザグに追い越していくんですが、よく事故が起きないなと感じでしたね。とても自分は運転して進めないなと思いましたね。
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呼び込み
外を歩いていると、声を何度も掛けられました。朝、ホテルの近辺を散歩しようとすると、リキシャー(乗り物)の勧誘があったり、観光地や街中を歩いていると、声をかけてきます。旅行者を狙った詐欺が横行しているようで、無視が1番とのことでした。少しでも反応すると、しつこく付いてくるみたいです。私も何度か経験しましたが、本当に危ないですね。治安は良いとは言えませんでしたね。学校では女性に護身術を教えたりもしているみたいです。もちろん良い人も沢山いましたし、優秀な人も多くいますが、街で声をかけてくる人には気を付けた方が良いですね。
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貧困
田舎の方にいくと、本当に貧しく暮らしているインド人の姿がありました。家が藁でできていたり、家もなく路地で暮らしてそうな人など、貧富の差を凄く感じました。この差は、埋まりにくいような気がします。今後インドが経済発展をしていき、生活が豊かになっていく人もいると思いますが、貧しいままの人達も継続しているような気がしますね。
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食事
基本的に食事は、カレーとナンでした。後はチキンも多かったですかね。外国人向けのお店を案内していただいたこともあって、とても食べやすく美味しかったです。辛すぎて食べられないということは無かったです。ライスもありましたが、日本の米とは違う感じでしたね。食べ物の色が赤くないので辛くないと思って食べたら辛かったというのは時々ありましたので、食べるときは、まずは少し味見をしてから食べるペースを考えた方が良さそうです。
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あとは、紅茶とミルクを煮出して作る飲み物「チャイ」が美味しかったですね。高速道路のサービスエリアなどで出店で売られていました。スパイスが入っている「マサラチャイ」もありました。
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水
お腹を壊す可能性があるので、水道水は絶対に飲まないでくださいと言われました。レストランで出される水も飲まない方が良いし、氷も気を付けた方が良く、ペットボトルの水を必ず飲むように言われました。
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シャワーの時も水を口に入れないように言われましたし、歯磨きも心配だったので、贅沢ですがペットボトルの水で行いました。
また、生野菜も水道水で洗っている可能性があるので、お腹を壊す心配がある人は食べない方が良いと教えていただきました。おかげさまで1週間、お腹を壊さずに帰ってこれました。感謝です。
ネットで情報をみると、路上で売られているペットボトルの水だと水道水を入れて売っている場合があるらしく、きちんと蓋が閉まってあって開封したものでないことを確認した方が良いみたいです。
トイレ
インドは、トイレットペーパーが設置されていないところもあると聞いていましたが、今回、宿泊したホテルや飲食店は、キレイなトイレで、トイレットペーパーもありました。
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ただし、場所によっては無いところもあるみたいで、インドでは、トイレに水が出るシャワーが付いていて、水をかけながら手でお尻を拭くようです。
最後に
今回、北上工業クラブ様の団体でインドに経済視察に行ったわけですが、とても1人で行くにはハードルが高く、今回のような場所を見学することは難しかったと改めて感じるとともに、企画してくださった方や関係者の皆様には、本当に感謝です。ありがとうございました。また機会があれば是非インドや海外に行って、日本と違う世界を学んでいきたいと思います!
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