難しいことを分かりやすく話す~CAE講習~SOLIDWORKS Simulation in釜石
どうも、テルえもんです。
1月27日(木)、28日(金)に釜石・大槌地域産業育成センター2Fの岩手大学釜石ものづくりサテライト(岩手県釜石市)を会場にSOLIDWORKS SimulationのCAE講習を行ってきました。
CAE(シーエーイー)とは、Computer Aided Engineeringの略で、そのまま日本語に翻訳するとコンピュータによる工学支援となります。つまり、コンピュータで工学的な計算を行い、仮想で物が壊れないかや空気の流れなどを実験(シミュレーション)する技術のことです。CAEのことを解析やシミュレーションとも呼びます。
SOLIDWORKS Simulationとは、立体をコンピュータ上に作成し設計を行うソフトウェアSOLIDWORKS(ソリッドワークス)で行えるSimulation(シミュレーション)機能です。この機能の使い方を学ぶ講習会を行いました。
様々な解析の種類がある中で行ったのは、構造解析の線形静解析です。
構造解析とは、構造物(作られた物)に荷重(力・圧力など)が加えられたときに、どう変形して、どの部分が壊れやすいかを調べることです。
線形静解析とは、力(応力)を加えたときに伸び(歪み)が比例関係にある、例えば、力を2倍にしたら伸びも2倍、力を3倍にしたら伸びも3倍になるような関係を直線(線形)で計算でき、衝撃的な力(衝突や落下など)ではなく、ゆっくりと荷重を加えることを想定した解析です。
上記、できるだけ分かりやすく説明文を書いたつもりです。いかがでしょうか。
普段の講習会でも難しいことをできるだけ分かりやすく説明することを心掛けています。極端な例でいえば、小学生が聞いても分かるかな?小学校の先生だったら、どう教えるんだろう?教科書だったら、どう説明するんだろう?と考えます。小学生が理解できる説明であれば大人も理解できるでしょうからね。
難しいことを難しく説明することも大変ですが、難しいことを分かりやすく説明するのも難しいですよね。
実際に仕事をしていく上で、難しいことを浅く知っているだけではいけないので、深く知るためには構造解析の場合、材料力学という知識が必要となり、数学や物理といった計算式を理解したり、有限要素法という理論を知らなければいけませんが、最初に構造解析に取り組む上で最低限として知っておかなければいけないことに絞って説明をしたり、計算式をできるだけ使わずに理解してもらえるように教えられないか工夫をしたりしています。
構造解析について理論を全て覚えてから仕事で使いましょう!だと、中々、使えるようになるまで時間がかかりますので、使いながら覚えていくというのが良いと思います。実践の中で学んでいくことが大切と感じます。
スポーツでいくところの練習やルールだけ勉強していても仕方がありませんので、ある程度のルールを理解したら、あとは試合をしながら戦い方を学ぶのが良いのと一緒ですかね。
構造解析を実際にしていく中で様々な問題にぶつかったときに、その問題を解決するために調べて、必要なことを学んでいけば良いのです。
今回の2日間のCAE講習での私の役目は、まずは試合に出るための最低限のルールと戦い方を教えることでした。そのためには初心者の人でも理解してもらえるために、わかりやすく説明することを大事にしました。
講習の受講者には、学生時代に材料力学を学んでいない人もいましたので、学んでいない人でも最低限のことは理解して、SOLIDWORKS Simulatiionというツールを使えるように難しいことも説明しなければいけない部分もありましたが、最低限ここだけは覚えましょう!と気を付けなければいけないこと、より詳しく知るためには書籍やネットで調べることができることを伝えました。
1番恐れていることが、講習会に参加して難しすぎると感じて、ツールを使わなくなってしまうことです。まずはツールを使ってみようと思ってもらいたいので、できるだけ難しいと感じる部分があっても、ここからなら始められそう!と思ってもらえるように、活用していくためのステップを何度も繰り返し説明しました。
構造解析での活用ステップとして、いきなり応力の値を正確に求めて、壊れる、壊れないの判断をするのは初心者は難しいので、形状Aと形状Bのどちらが良いかの相対比較から取り組んでいきましょう。そして、次に変位は求めやすいので、変位の評価から取り組み、最後に応力評価への活用ステップをオススメしました。(すみません、ここだけ少し専門的で難しい表現です。)
更に気を付けていることとして、難しすぎると感じて、ツールを使わなくなってしまうのを恐れてはいるのですが、だれでも簡単にできます!と売りに説明することだけはしないようにしています。
商売だと、誰でも、すぐに、簡単に、解析ができますよ!といって、詳しい説明をせずに、ボタンを数回押したら、ほら、答えが出たよ!みたいな説明をして売るかもしれませんが、ツールを使う上で注意しなければいけないことなど、きちんとデメリットもお伝えするようにしています。
コンピュータのシミュレーションでは、人間が与えた設定値をもとに計算が行われます。人間が間違えた設定値を与えると間違った回答が出てきます。電卓で数値を打ち間違えると違う答えになりますよね。正しく設定するためには正しい知識が必要となり、経験も必要となってきます。そのため直ぐに簡単に使えるようには実務上は難しいのが現状であることを、きちんと伝えます。
ただし、学んでいきながら徐々にできることを増やしていくことで、設計開発における品質向上やコスト削減、納期短縮につながるので、あきらめずに取り組んで欲しいです。
そして、何よりも楽しい!と思ってもらえたら最高ですね♪
2日間の講習を終えて、難しいことを分かりやすく話しつつ、使いこなすのは簡単ではなく、すぐに実務で使えるようになるのは難しいというのも理解してもらい、活用のためのステップの踏み方を説明することの大切さを改めて感じたので、noteに自分が忘れてはいけないことだと思い書かせていただきました。
今回の講習はすぐに定員がいっぱいになったので、3月に追加開催される予定です。ご興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。釜石・大槌地域産業育成センターさんのホームページに近日、公開されると思います!
最後まで、読んでいただき、ありがとうございました!岩手県で3D技術の普及活動をしています!ぜひ、フォローよろしくお願いします!!
最後に宿泊した「ホテル サンルート釜石」の朝食の写真です♪美味しゅうございました♪♪♪ ありがとうございました★感謝★