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最終回の日の朝も輝いた「気嵐」

紅葉が進む気仙沼で、『おかえりモネ』の最終回を観ることができた。これだけでも嬉しいのに、この放送を観る前に、いろんなことがあったかたら、この時の私はもう「ここは天国じゃないか?」と思えるほどの満足感でいっぱいだった。

いつもの午前4時の空

目は覚める。気嵐が見たいから、自然に目が覚める。今日も満天の星。風も弱い。5時を過ぎた頃に駅前のホテルを出て港に向かう。

日が昇るまで待ったが、「気嵐」は見えない。諦めて「ラジオ体操」に向かおうとしたが、これから景色は一変し「ラジオ体操」が始まる直前には、「気嵐」が金色に輝いた。

思えば全て「ラジオ体操」のおかげ?

ところで私は、実は前日から、朝の「ラジオ体操」に集まる方々と、お話をするようになっていた。その中に、恐らく気仙沼に住む方なら、一度は目にしたことのある「気嵐の写真」を撮った、大井賢一さんがいらっしゃった。私が「気嵐」の写真を撮りに来たと知り、色々と教えてくださっていた。

大井さんの代表作、「気嵐」の中を進む船の勇壮な姿を見事に捉えた一枚。

「気嵐」や「気嵐」にかすむ船を撮るだけではなく、自分と同じように撮ってる人なども被写体にすると面白いと教えてくれた。朝日を浴びて金色に輝く「気嵐」と、真っ黒なシルエットで浮かび上がるカメラマンの対比は、ほんとに美しい。これも、大井賢一さんの素晴らしい作品だ。

こんなふうに、離れて「ラジオ体操」を見ているだけなら、大井さんに出会うことも無かっただろう。皆さんとあいさつをし、何気ない世間話をしたのが良かったんだなと、心から思う。

最終回の日の「気嵐」

さて、「ラジオ体操」の直前になって、朝日が輝きを増し、内湾の景色が変わってきた。

向こうの方の水面が、朝日で金色に染まり始める。思わずズームで、遠くを確認する。

だんだん、手前の方にも、金色に輝くもやが見えてきた。これはもう「気嵐」以外の何物でもない。

小さく薄いけれど「気嵐」だ。『おかえりモネ』最終回の朝にも、見事に「気嵐」は立った。動画も撮れた。穏やかで優しい「気嵐」だったと思う。

ホテルに帰って、部屋の窓を開けると、色が変わり始めた木々をバックに最終回を観た。ほんとに綺麗な終わり方だった。そして物語の世界は、これからもずっと続くようにも思えた。

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