船の機関士とサッカーのゴールキーパー
皆さん、こんにちは。
外航船員てるです。
さて私は、とあるオーストラリアの港に入港中!
せっかくのオーストラリアですが、ご覧の通り、周囲には何もなし。
まるで猿の惑星に来たみたいです。笑
|人事からの執筆依頼
さて、先日、会社の人事担当者よりこんな依頼がありました。
「若手機関士による記事を外部の技術誌に載せたいので、来週までに1つ記事を書いてください。内容は問いません。」
う〜む、技術誌となると、内容は問わないといえ、お題選びが難しい。
意外と期限も短いし。
ツッコミたい気持ちは山々でしたが、執筆が苦手で時間のかかる私には、お題選びの段階なんかで悩んでる暇はありません。
試しに過去に同じ依頼を受けた先輩方に話を聞いてみると、その先輩方は、ご自身の趣味の話や、船での特殊作業について執筆したようでした!
ただ、私には相変わらず他人に共有できる程の趣味はなく、もちろん船の作業について書く自信もない。
このままだと書くことないな〜と焦っていた時、ふと、そんな私でも自信を持って書けそうな話題を思いつきました。
|結局サッカーに助けられる
それは幼少期から17年間続けてきた、私の唯一の特技であるサッカーです。
これまでのサッカー人生で身につけた、体力や精神力、視野の広さは、現在、船の仕事でも存分に活かせていると感じていて、折角ならこのことについて書いてみようと思いました。
思い返せば、私はいつも何かとサッカーに助けられてきました。
病弱だった私の身体が、丈夫になったのはサッカーのおかげ。
塞ぎ込みがちだった私が、人前で話すことが好きになったのはサッカーのおかげ。
仕事で嫌になっても、真夏の走り込みよりはましだと思えるのは、サッカーのおかげ。
社会人になって、記事に書く内容がなくて困っていた時に、書く内容を与えてくれたのはサッカーのおかげ。笑
サッカーを辞めずに続けてきて良かったです!笑
|気になるテーマは?
前置きが長くなりましたが、結局私が選んだテーマは、
「機関士とサッカーのゴールキーパーの共通点について」
です!
私はサッカーのポジションの中でもゴールキーパーを務めてきました。
サッカーのゴールキーパーって、実際やってみるとどんな感じなの?
以下の記事を読むと、船の機関士についてはもちろん、サッカーのゴールキーパーの実際についても理解頂けると思うので、ぜひご覧ください!
|機関士とサッカーのゴールキーパー
皆さま、はじめまして。
この度は執筆のご依頼を頂き、大変光栄です。
今回は技術誌への投稿ということで、何よりもテーマ選びに苦戦しました。
先輩方はご自身の趣味や船での特殊作業について記載したようですが、私には他人に共有できる程の趣味はなく、船の作業について書く自信もありません。
ただ、そんな私が自信を持って書けることと言えば、私の唯一の特技であるサッカーのゴールキーパーについてです。
私は幼少期から大学卒業までの17年間、継続してサッカーのゴールキーパーに打ち込み、幸運にも、学生時代には1度だけ全国の舞台に立つこともできました。
なぜゴールキーパーになったのか、きっかけは何か?と聞かれることが良くありますが、簡単に言えば、ゴールキーパーはチームで1人しか出ることができなく、その分、誰よりも目立ってかっこいいからです。
そんな浅はかな理由で始めたポジションですが、いざやってみたら、決してミスが許されず、想像以上にハードワークが必要で、誰よりも努力が必要な過酷なポジションでした。
その分、17年間のゴールキーパー人生で得たものは大きく、特に船の機関士になってキーパーで手に入れた力を発揮できる場面は非常に多いなと感じています。
そこで、本稿では、船の機関士とサッカーのゴールキーパーの共通点について、勝手ながら私の視点で少々考察させていただければと思います。
早速共通点一つ目として、「ハードワーカー」という点が挙げられます。
船の機関士は1に体力、2に体力、何よりも体力あっての仕事だと感じますが、それと同様に、サッカーのゴールキーパーも試合中は立ってるだけに見えて、意外にも体力が必要不可欠なポジションです。
それもそのはず、キーパー以外のポジション(フィールドプレイヤー)は「足」しか使いませんが、キーパーは「足」に加えて「手」も使うため、誰にも増して練習が必要となり、トレーニング量が自然と倍になります。
私も現役時代はフィールドプレイヤーと同じ練習メニューをやり、その後、彼らが休んでいる中で、キーパーだけ別トレーニングをやるというパターンは多かったです。
時にはトレーニング中に足がつって心折れそうになりましたが、「お前がチームを救わないで誰が救うんだ!」というキーパーコーチの熱いご指導の下、きついトレーニングにもひた向きに取り組み続けました。
そのような苦難を通り抜けてきたからこそ、その時の経験が自身のかけがえのない自信へと変わり、大事な本番で力を発揮してこれたのかなと思います。
船で機関士の仕事をしていて、精神的にも肉体的にもしんどいと感じる場面は多くありますが、そんな時はこの時の経験を思い出して、乗り越えています。
共通点2つ目として、「ミスが許されない」という点が挙げられます。
船の機関士たるもの、1つの整備ミスやオペレーションミスも許されませんが、それはサッカーのゴールキーパーも同じです。
ゴールキーパーの真後ろにはすぐゴールがあるため、ちょっとでもミスを犯したら、即失点でチームが負けてしまいます。だからこそ、他の誰よりも集中力が必要で、それと同じくらいミスを犯さないための「準備力」が大切になってきます。
ゴールキーパーの準備の面で言うと、ボールの位置や相手のフォワードの位置によって自身のポジション取りをこまめに変えたり、味方に指示を出して危険な箇所を事前に周知して守らせたり、相手の動きを見てボールが来そうな位置を先読みしたり、挙げ出したらきりがないのですが、これらの緻密な準備によってミス(失点)をする可能性を格段に下げることができます。
私はそんな環境の中でプレーしてきた経験を活かして、現在機関士になっても「準備」というところに何よりも重きを置いており、作業内容の予習をはじめ、他エンジニアとの事前打ち合わせや人材配置、必要工具などを事前に考え抜くようにしています。
以上、今回は船の機関士とゴールキーパーの共通点を少しだけ紹介してみました。今後テレビなどでサッカーの試合を観戦される際は、ぜひ機関士似?であるゴールキーパーに着目してみてください。
ご高覧ありがとうございました。
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