テクダイヤノズルを2か月使い続けての感想
こんにちは、テルです.
今日はいつものTipsではなく、感想記事になります(ブログっぽい!!)
今日のお題についてなのですが、1月12日についに正式にリリースされたテクダイヤ社の3Dプリンタ用ノズル「kaika」シリーズ(名前おしゃれじゃない?「開花」とかけてるのかな?)を購入するときに、正直とても迷ってしまったので、一度ブログに感想とかまとめて、やっぱりテクダイヤのノズルが扱いやすくていい!新しいの買おう!って決断するために書いたものになりますので、かなり思考の偏りがひどいですが、よろしくお願いいたします.所々余談が挟まっています.
販売サイトです.
印刷適正温度が下がる
このノズルが、ほかの真鍮製ノズルと最も差があったと感じた部分になります.
PLAについてしかわからないのですが(私はABSは使わないので...)、通常PLAフィラメントの印刷適正温度190℃~220℃と多くのフィラメント発売者が明記しています.格安のノズルでしたらもちろん適正温度内(例えば210℃とか)で上手く印刷できるんですが、このテクダイヤノズルでは、適正温度よりも低い180℃でも印刷することができます.(もともとPLAは180℃ぐらいに溶融融点があります)
逆に200℃以上だと、フィラメントは流れすぎてしまいました.粘性もあるので糸引きも結構ひどくなってしまいました.
おそらく、ノズル内部に施された、表面処理加工(研磨)のおかげでしょう.これによって、溶融したフィラメントの滑りが良くなり、190℃以下でも印刷ができるようになったのだと思われます.格安のノズルですと、内部の表面処理をするとなると、コスパが悪いですから上記のような適正温度となるのでしょう.(温度幅が20℃もあるのはフィラメントの質にもよる?からだと思われますが)もちろん、どちらにしてもノズルは消耗品なので、交換する必要があるのでコスパを考えれば微妙ですが...
余談ですが、旭プレシジョンという会社で、テクノNACコートと呼ばれる、摺動性(滑りやすさ)を上げるコーティングを施したヒートシンク・ノズルのキャンペーンがあったそうですね.今後、第2回キャンペーンがあることを期待しています.(使ってみたい)
これでなにが嬉しいかというと、電気代が安くなる.一人暮らしには嬉しい.(そんなに差があるかはわかりませんが、1回のプリントに10時間以上かかるものをよく印刷するので、ちょっとでも安くなればそれでいいという思考です)
リトラクションの反応性が良い
リトラクションの反応性の言い方が正しいかはわかりませんが、糸引きの発生率が下がったと体感ですが感じております.糸引きがあるとしても、本当に細い糸で、ライターやバーナーでサッとあぶると消えるぐらいのものしかできなくなりました.これもコーティングのおかげなのかな?と思っています.(もちろんスライス設定も超重要です)
また余談にはなりますが、私はノズルの交換時期について、リトラクションも一つの指標にしていたりします.ノズルの先端部の摩耗について調べていただければわかるのですが(特に金属フィラメントでよく聞きます)、ノズルの先端部が摩耗してしまうんですよね.穴径が大きくなったり、ノズルの出口が火口のようにテーパが形成されてたり...(こわい)
なので、新しいフィラメントに変えても改善しないなぁってなれば、ノズルとかチューブとか交換しますね.意味があるかはわかりません.そのあとの造形はうまくいくので、いいかなと思ってます.
あと、造形物に焦げがついていたら、ノズルの内部に焦げが溜まっている可能性がめっちゃ高いのでコールドプルとかもしますね.ごっそり取れます.
表面がとてもきれいにできる
テクダイヤのノズルの出口の拡大画像をtwitterよく見る機会があるのですが、本当に出口の面がしっかりとでているんですよね.
これはkaika shopに掲載されている写真になります(引用元:3DP用精密ノズル“kaika”について)
これが、何に嬉しいかということなんですが、造形物の表面(特に平面)が本当に綺麗に印刷されることなんです.
プリンタは、フィラメントを押し出す際に、きちんとレベリングできていれば、押し出されたフィラメントはほんのちょっとだけノズルの先端に押しつぶされています.いわば「ならし」がされているわけですね.
私はほかの記事においても、造形物の表面が綺麗に印刷されることに割と重きを置いたりする趣旨の内容です.少しでも糸引きを少なく(後処理も面倒だし、傷つけるのであまりしたくない)したい、サポートとか上手く扱って、造形を綺麗にしたいと常々思うので、このノズルのこの明確にフラットに加工された先端部は非常にありがたいと思うわけです.
ショップページではアイロニングに適していると書かれているのですが、アイロニングしなくても十分綺麗なんです.
もちろんアイロニングをするにあたって、ノズルの先端部のフラットさは重要です.格安のノズルですと、まじで、フラットじゃないやつありますから.先端に適当に穴あけただけのやつとか、普通にありますから.穴開いてるところバリ(バリって通じる??)たってるから!とか、時々見ます.(私はそこまでの粗悪品をつかんだことはありませんが)
ノズル一つ一つにシリアル番号が刻印されている
これは意外だったので入れたのですが、ノズルの一つ一つに社名と、製造番号?シリアル番号?が刻印されているんです.これは、もし使用中に不具合とかがあったときの、原因の追究にも役立ちますし、今後そういった異常が起きないように改善するために役に立てることもできます.
ノズルって熱して使うので、熱疲労とか、内部の焦げとかあって、どうしても消耗品になってしまうんですよね.その結果加工もしやすくて、コスパが良い真鍮製が流行るわけですが、そんな中、製品出荷後もしっかりサポートして、改善してくれるという心意気を感じます.良い制度だと思います.
おわりに
kaikaシリーズって、これまでの真鍮製ノズルに比べたら、やっぱり高い!(0.4mm 1本4000円、0.1mm 1本6000円)場合によってはルビー並み?(ルビーのいいやつは1万円します)ですが、それでも以上の4つ(厳密には3つ)で、kaikaシリーズを買おうと決心しました.ノズルってちゃんと手入れすれば印刷時間500時間は使えるかもしれませんし(私はノズルチャレンジ用のノズルで250時間を超えました(まだ半分...))
3Dプリンタ業界の個人ユーザで、もっと綺麗に!もっと精度高く!という方は絞られてしまうかもしれませんが、このノズルは素晴らしいので、個人に限らず法人や3Dプリンタで生計を立てている(生計と成形をかけてみた(ごめんなさい))方には本当にお勧めのノズルです.
私は今後研究室のノズルを経費でkaikaに変えることが目標です
以上です.読んでいただきありがとうございました.
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